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 事務棟を出ると、碧瑠璃の空が目に痛いくらいだった。日は傾いていたが、一向に空は茜に染まる気配もなく、空中の湿度がそれでわかるような気がした。事務棟から宿舎へ続く道には落ち葉が散っていた。どこかからか、コンプレッサーが激しく作動する音が届く。もしかすると、ホガリがイライの戦闘機を整備している音かもしれない。整備や補修を行なう格納庫は、普段、戦闘機がねぐらにしている掩体とは離れていた。格納庫での整備が終われば、牽引車に引かれて戦闘機はトンネルのコンクリート部分だけを抜き出したような外観の掩体に戻る。俺も戻ろう。帰り際にロッカーから持ってきた煙草に火をつけた。なじみの煙草だ。オイルライターはやや点きがしぶかった。もうフリントも芯もしばらく換えていない。換え時か。基地のPXにオイルライターの芯やフリントがあっただろうか。町へ出れば購入できるが、あまり町に出る気もしなかった。

 宿舎は事務棟を出て、くるくるゆっくりと回る電探のアンテナを眺め、葉をすっかり落とした雑木林を過ぎ、茂みの向こうに誘導路と針葉樹に囲まれた掩体を数えながら二十分も歩いた先にある。他の同僚たちは自転車やモーターサイクル、あるいは自動車に乗った。自動車でそのまま自機の格納されている掩体へ直行し、機付の整備員と出撃まで過ごす者もいる。イライはそういうパイロットではなかった。格納庫以外でホガリと顔を合わすことはほとんどなかったし、イライが飛んでいるあいだ、ホガリは<自分の>戦闘機が無事に帰ってくるのを祈り、ホガリが仕事をしているあいだ、イライは<自分の>戦闘機が羽をゆっくり休めている姿を想像するしかない。機体整備に関わる広く浅い知識はパイロットにも備えられていたが、エンジンの調整や動翼の整備に関しては、プロに任せるしかない。

(もう少し、エレベータが軽ければいい)

 墜とされてしまったタグサリを想う。あのとき、タグサリ機は優に三〇〇ノット以上出ていただろう。あれほどの高速になると、ノスリのエレベーターは錆びついたポンプのハンドル並みに重くなる。パワーダイブなどをかけ、機速が五〇〇ノットを越えようかという領域になると、下手を打てば引き起こしもできないまま墜落する。実際、そうして未帰還となったパイロットもいた。イライの同僚にも、コンプレッシビリティと呼ばれる操縦不能状態から回復できず、二度と夕食の席に現れなかった男がいた。

(エンジンを切れ)

 誰がそう教えてくれたのだろう。

 高空からパワーダイブをかけ、あまりの速度に戦闘機が石になったとき、パイロットはエンジンを切るしかないのだ。そして速度が低下するのを待つ。そのとき、敵機がいればそれまでだ。撃墜される。エルロンは利くかもしれないが、エレベーターが動かないのでは、早晩墜落するしかないからだ。

 誘導路と掩体地区のあいだに茂る雑木林のなかの細い道を行く。この辺りには、本物のノスリがいると聞く。が、イライは見たことがなかった。それでも歩く。森が好きだった。暮れたあとの森の中を歩く気にはならなかったが、これくらいの時間は気持ちがいい。夏になると羽虫が波状攻撃を仕掛けてきて、それらの撃墜に奔走するからあまり楽しくはないが、春と晩夏のこの時季はいい。通用道路から外れたこの道は、宿舎への近道でもあった。基地は戦闘機の数のわりには広く、なれた者以外がこの道を選べば、そのまま原始林が広がる丘陵へ迷い込んでしまうかもしれない。基地はソラノ川と湿地と、なだらかな丘陵をびっしりと埋め尽くす森林地帯の真ん中に作られた。高低差はほとんどないが、あてもなく歩けば唐突に湿地やあのまん丸の沼に出たりして、奇妙な場所だった。空からは確認できる対空機関砲の陣地も、下を歩くとどこにあるのかよく分からなかった。迷彩されているからかもしれない。空を飛んでも、(そこに対空機関砲陣地がある)と知っているものでなければ、意識できないかもしれない。迷彩は重要だ。イライが駆るGC-8型戦闘機には、水色に灰白色を混ぜたような塗装が施されていた。本部の研究者たちが空の色の分布を散々研究して配合された色らしいが、誠に無愛想だった。一昔前なら許された、派手な飛行隊マークも禁止されていた。戦いはもう、自分の預かり知らぬところで繰り広げられ、もしかすると自分たちは、ただの下請けなのではないかという疑問すら感じる。それはある意味正解なのだが、イライは意識して考えないようにした。飛べればいい。飛べれば。

 宿舎にたどりつく。木造、二階建て。山間部の田舎にある学校のような外観で、屋根はマンサード式、格子窓の枠は、かつて緑色に塗られていたのだろうと思わせるが、板張りの壁と同じくペンキははげ、ノスリに施された制空迷彩に似た色合いになっていた。

 扉を開けると、それはもう十数年前に通っていた学校の僚を思わせる風情だ。誰が使っているのか、一度として受話器が取り上げられているのを見たことがない公衆電話が一台と、粗末な受付。傾いた植木鉢にはコニファーが植えられていたが、誰かが灰皿がわりに吸殻を土に挿したまま、イライはその姿がもうふた周りほど季節を巡っていることを知っていた。

 イライの部屋は二階の北の角で、宿舎は部屋数よりパイロットの方が少なかったから、二人部屋を一人で使っていた。前の基地では同室の人間とそりがあわず、できるだけ部屋に戻らないように心がけていたが、ここではそんな心配もなかった。向かいも隣の部屋も空き部屋で、宿舎の規模からも、ここが以前は相当な規模の基地だったことがうかがわれた。単に戦闘機の数が足りないのか、それとも戦線がもっと別の場所に移動しているだけなのか。そのわりに敵の最新鋭機と遭遇したりするのだからたまったものではない。そういえば、撃墜されたタグサリの部屋はこの建物ではなかった。一度も宿舎で顔をあわせたことがなかった。宿舎の建物は基地の北側から順に何棟も続いており、さながら開拓村の団地のようだった。

 二階に上がると、誰かがラジオかレコードを聞いているようだった。女性が二人、美しいハーモニーで、伴奏もなく歌っていた。それは賛美歌のようで、民謡のようで、不思議な旋律だった。イライの部屋にラジオはあったが、めったにスイッチをいれたことがなかった。部屋で人工的な音をたてるのは、真冬にシューシューとやかましいスチームの配管か、緊急招集を告げる電話の音くらいで、普段、イライは本を読むか、ベッドに転がって眠った。

 音楽はずっと流れていた。悪い気はしなかった。いい曲だと思ったりもした。イライはそのまま廊下を進み、洗面所の蛇口から水を手で受けて一口飲むと、部屋の扉を開けた。すっかり冷え切っていた。冬が近いのだ。窓から見える森はすべて赤茶けていて、針葉樹林だけが黒々としていた。基地の中なのに、この森の中に戦闘機が眠っているとは信じられない思いだった。うまく欺瞞したものだ。掩体は分散されているから、離陸直前を叩かれる以外、絨毯爆撃でもしない限り、すべての戦闘機を地上で潰すことなどできないだろう。もっとも、戦闘機ではなくパイロットを狙うのなら話は別だ。爆弾もいらない。ここを機銃掃射すればいい。けれど、敵の戦闘機や爆撃機が、識別圏を越えて基地の眼前までやってきたことは一度もなかった。今日の交戦は、こちらが中立地域まで出向いたために起こっただけだ。前線と呼べるのかどうかはわからないが、少なくとも「敵」の姿が見えないこのあたりの空気は平和だった。

 イライはベッドに転がった。途端に全身がひどく疲れ切っていることに気づく。ぬるま湯の中に放り込まれたように、全身が弛緩した。心地よい苦痛だった。眠気が降ってくる。抗うことなどできようはずもない。イライは目を閉じる。一分も経たずに眠れそうな気がした。出撃して行ったチナミやセムラのことも忘れていた。薄情だろうか。そうではないだろう。みんなこんなものだ。タグサリにまつわる思い出が少ないのは、今日を予期していたからかもしれない。ここではみんな、一定の領域から相手側へは入らない。撃墜されるとか、そういう意味ではなく、深く知り合うと別れが重くなるからだ。機体も心も身体も、できるだけ軽いほうがいい。パイロットは。

 飛行服もそのままで、イライは毛布に包まり、そのまま食事の準備が整ったという呼び出しが来るまで眠った。夢は、見たかもしれないが忘れた。


 アラート待機は、二機が一組で、合計二組、四機の戦闘機が二四時間不寝番をする。とはいえ、片方の一組が十分以内に滑走路に出られる状態を二四時間維持すればいいだけで、四機の戦闘機が常に臨戦体勢にあるわけではない。戦闘機のエンジンをかけたままで滑走路端に待機する前進待機とは根本的に違った。また、中立地域を越えてここまでやってくる敵の戦闘機がいまだ一機も現れず、入海とは反対側の海峡の向こうからも、偵察機すらやってきたことがないこの地域にあって、アラート待機はいかに時間を早く進めるかが課題かもしれない。イライはその日、待機所に一冊の地図帳を持ち込んでだらだらと眺めた。

「どこへ行くんだ」

 声をかけてきたのは、今日の待機で組になっている僚機パイロット、ハスミだった。

「どこへも行かないさ」

 ハスミはここではめずらしく、煙草を喫わない男だった。だからといって、喫煙者を遠ざけることもしなかった。誰かが煙草に火をつければ自分が部屋を出て行くような男だった。

「じゃあ何で地図なんて開いている」

 イライは今は煙草を喫っていない。だから近づいてきたのかもしれない。退屈な男に話かけてのだ。ハスミもよほど退屈なのだろう。もう一組のパイロット二名は、仮眠室で寝ていた。今はイライとハスミの組が十分待機だった。ホガリたち整備員も別室で待機し、連絡があればすぐにエンジンを暖気し、離陸できるよう臨戦体勢を取る。

「地図が好きだからだ。航法にも役立つ」

 待機所は六畳ほどの広さしかないが、窓が大きい。アラートハンガーと続きの建物で、ハンガーへの扉は押せば開くパニックドアになっていた。その分隙間風が入りやすく、だから部屋には強力なストーブが設置されていた。そろそろ火を入れたい。今日は日が高くなっても寒かった。

「そうは思えないな」

 ハスミは新聞を小脇に抱えていた。イライより五つ以上は若いと聞くが、実年齢以上に老成した態度で、その印象はタグサリよりずっと大人だった。自分の精神年齢が低いと自認するイライにとって、その老成さは羨ましくもあり、妬ましくもある存在だ。

「それはどこの地図なんだよ」

 ハスミは中尉。けれどここには階級差が存在していないようだ。前の基地では顕著ではなかったにしろ階級差が歴然と存在していたが、ここの雰囲気はずいぶん違う。最初は面食らったが、季節を三周した今はもうそれが当たり前だと思うようになった。生きている奴が偉いんだ。いや、生きて帰ってきた奴が偉いんだ。

「どこの地図だってかまわない」

「航法に役立てるんだろう?」

「役に立たないかもしれない。けれど、いつかここを飛ぶかもしれないからな」

 イライはそう言うと、ハスミを向くこともせず、紙面から照り返す小春日和に目を細めた。

「あんたは変わってる」

 小脇に新聞を挟んだまま、ハスミはイライの隣に座った。

「あんたも変わってる」

 イライは答えてやった。

「俺の、どこが」

「あんたはここより偵察飛行隊が向いているんじゃないか」

「皮肉かな」

「真面目に言ってる」

 ハスミは笑って新聞を開いた。前線のことや継続中の交渉のことが載っていない。すべてが幻なのかもしれない。

「スケッチブックを持って戦闘機に乗れっていうのか」

「帰ってきてから描けばいい。どうせ現像には時間がかかるんだ。同じことだよ」

 イライが言うとまたハスミは笑った。ハスミは趣味なのか本業なのかわからないほどに達者な絵を描いた。整備員から他機のマーキングを頼まれたりするらしいが、本人は断り続けているらしい。

「俺はカメラは得意じゃないな」

 ハスミは新聞を眺めてつぶやいた。

「写真ならヒイラギに頼めばいいのさ。写真偵察なら」

「戦闘機に乗っているのに、偵察か」

「昨日は偵察だった」

「哨戒だったんだろう」

「似たようなものだ。中立地域に二機だけで行くなんて、自殺行為だったのかもしれない」

 地図を広げ、その向こうに広がる滑走路を眺めて、イライ。

「なぜそう思う」

「上は知っていたように感じるからだ」

「おとりだったとでも?」

「違う。エサだよ」

「ずいぶん豪華な生餌だ」

「食いついてきたじゃないか」

 イライが言うと、ハスミは新聞を四つ折りにしてテーブルに放った。

「噂じゃ、あんたの方から仕掛けたらしいじゃないか」

「誰から聞いた」

 イライが問うと、ハスミは目を細めた。笑ったのだ。

「いまあんたが答えたさ」

「なに?」

「あてずっぽうだ。タグサリとあんたなら、あんたの方から仕掛けそうだ。試してみたかったんだろう? ノスリがミサゴに勝てるかどうか」

「ミサゴ?」

「あんたが出会った敵の戦闘機だ」

「そんな名前なのか」

「DF200ってんだろう、形式名は。そこまでわかっていて、なぜあんたを上げたのか、俺にもよくわからないよ。貴重なパイロットと戦闘機を一機無駄にして」

 ハスミは表情をわずかにこわばらせたが、唇の端にはいつもの柔和さがあった。スケッチをしているときの方がよほど恐ろしい顔をしている。飛行隊の中で、イライが相手の趣味まで知っているパイロットは少ない。ハスミはその中の一人だった。

「ノスリとミサゴか」

 イライはひとりごちた。

「しけた名前だ」

 ハスミが言う。

「どっちがだ」

「両方だ」

 ハスミが答え、イライはほんのわずかに眉毛を寄せてみせた。笑ってやったのだ。怒りと屈辱と憎しみと葛藤以外の表情を他人にぶつけることは、イライはめったになかった。笑顔など見せられるか。それは脆弱な腹を敵機に見せてロールを打つようなものだ。撃ちこまれたら終わりだ。

「お呼びがかからないことを祈る」

 ハスミはふたたび新聞に手を伸ばす。

「弱気だな」

「あんたが命からがら逃げ帰り、タグサリは墜とされた。そんな奴の相手を俺はしたくはない。俺が鷹や鷲ならミサゴを相手にしてやるさ。ノスリじゃな」

 ハスミは三面記事ばかりを読む。イライも地図を追った。古い地図だったから、今目線で追っている高速道路がどこまで伸びているか、実際に飛んで確かめたくなる。地図上では途切れ、その先は点線で表示されているが、実際はどうだろう。山を突っ切り、コンクリート製の立派な橋脚がそびえ、トンネルポータルが山腹に穿たれているかもしれない。

「新型が来るかもしれないそうだ」

 ハスミは新聞の記事を読むように、そっけなく言った。

「なんだって」

「新型機が配備されるかもしれないそうだ」

「どこにだ」

「ここに」

「まさか」

「ノスリはいい加減、くたびれている。最新鋭といっても、前線じゃもう四型が登場してる。そろそろモデルチェンジだよ」

 ハスミはページをめくる。

「誰から聞いた」

 イライ。地図上のドライブは小休止だ。

「風の噂」

 ハスミはイライを向こうともしなかった。待機所の奥からくしゃみがひとつ。仮眠中のパイロットのどちらかだ。確かに少々冷える。空は晴れている。山地のこちら側は乾いた空気が気温を奪う。今朝は放射冷却で冷え込んだ。雪はいつだろう。気象隊に聞いてみようか。けれど気象通報以上のデータを拾えるだろうか。

「風はどこから吹いて来るんだ」

 イライは地図を閉じた。眠気を感じた。

「さあな」

 ハスミは新聞をめくり続けた。

「新型が来たって、誰が乗るんだ」

「さあな。パイロットも一緒に来るんだろう。未修訓練に誰かが出張するなんて噂は俺は聞いてないからな」

「乗りたいのか」

「なんで」

「鷲や鷹なら乗ってみたいと」

「違う。鷲や鷹ならミサゴを相手にしてやってもいいと言っただけだ」

「その新型は、鷲や鷹なのか」

「ミサゴ以下かもな」

「なら、俺はノスリでいい」

「俺もだ」

 ハスミは新聞の影から顔を半分だけイライに向けて、また笑った。前歯が一本欠けている。なぜ、いつ、欠けたのかは知らなかった。知ろうとも思わなかった。ハスミは絵を描くのが好きな男だ。それだけ知っていれば十分だ。

 十分待機のローテーションが変わったのは日暮れ。緊急発進を告げる電話が鳴ることもなく、ディスパッチャーも欠伸を噛み殺していた。こちらから出向かない限り、もしかすると撃墜される可能性などないのかもしれない。ずっと気づいていた。イライはそれが、納得できなかった。屈辱だ。墜とされるのも屈辱だが、敵に無視されるのは腹が立つ。

 けれど、日の落ちた滑走路と、誘導灯をこれ見よがしに点灯させ、それを背にして新聞を読み続けるハスミを見ると、それでもいいような気がした。

 仮眠室に入ったが、イライは眠れなかった。

 気分が高揚しない限り、覚醒し続けても眠気はやってこない。

 病気かもしれない。

 イライは地図帳をまた広げた。ハスミはとなりのベッドに転がり、枕を頭の上に載せて身じろぎひとつしなかった。眠ったようだった。

 静かな夜がきた。


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