足し算思想をやめなさい ~あなたに必要なのは、きっと引き算だ~
■ はじめに
あなたは創作をしていて「あれも追加したい、これも追加したい」という欲求に駆られませんか?
しかし、あまりに要素を追加しすぎると『読者を置いてきぼりにする』リスクがあるのです。
――そう、本当に描きたいことに注力して、追加要素を「削る」という決断も必要なことが多いのです。
この作品は、著者の意思により CC0(Creative Commons Zero)ライセンスで提供されます。著作権法上認められるすべての権利を放棄し、全世界において、誰でも自由に利用可能です。(有志の方には翻訳していただけると幸いです) License : https://creativecommons.org/publicdomain/zero/1.0/deed
■ 引き算とは何か?
たとえば、あなたが「ファンタジーかつハーレム」の作品を書こうとしているとしましょう。
上手くこのバランスを取れる作者様にどうこう言うつもりはありません。
しかし、それで話が散らばってしまう……そういう経験はありませんか?
それは本来『ファンタジー』と『ハーレム』が必ずしも相性がいいわけではないからです。
例えば、あなたが『ファンタジー』に注力したければ、ハーレム要素を引きましょう。
例えば、あなたが『ハーレム』に注力したければ、ファンタジー要素を引きましょう。
そういう話です。
それは、作品のテーマの純度を上げる、そういう話です。
■ かく言う私は、引き算ができない
まあ、こんな風に偉そうに言っていますが、私自身が引き算をできてない面があります。
拙作「Heartbeat Reject 〜選ばれなかった僕は――それでも『彼女』を守りたかった〜」の自称ジャンルを見てください……
>異世界転生×ファンタジー×SF×政治×経済×宗教×ディストピア×ヒューマンドラマ×シリアス×コメディー
全然、引き算ができてませんよね(笑)
ただ、これでも……これでも、ジャンルについては引き算をして「これは入れなくてもいい」と厳選しまくった結果なのです。
ある意味で、このごった煮を「破綻なく」成立させられるなら、全く問題はない……そういう主張です。
もしよろしければ、読んでいただきたいところですが、まあ致命的な破綻はないと想いますよ?
■ 私が戒めていること
破綻なく、ストーリーに融合させられるのなら……そこに問題はありません。
しかし、思いつきや、何かの拍子で得たアイデアを、そのまま作品に使う――
これは極めてリスキーだと言わざるを得ません。
それが、読者からの要望からのインスピレーションであっても。
思いつきや、何らかのきっかけというのは、あなたの作品に一切の責任を負いません。
下手をすると、あなたの作品を崩壊に導くかもしれません。
そういう「面白いけど、上手くこの作品に融合させられない」そんな思いを一瞬でも抱いたとしたら……それは「足し算」する要素ではないのです。
むしろ、自分の作品を何度も何度も読み返して「ここは本当に必要か?」そういう「引き算」の方が重要だと、私は考えています。
ですから、私は「長編はある程度書きためてから公開しろ」と訴えているのですよ。
■ そもそも引き算思考とは何か
あなた自身が読み返して「ここ微妙だな……」と思うシーンはありませんか?
その場合、そのシーン周辺は「引き算候補」となります、言ってしまえば「バッサリ捨ててしまえ」になってしまいますが。
ただし、私もHeartbeat Rejectにおいて「ここ、微妙かなぁ」と想うシーンがあったのです。
ただ、先の展開で、このシーンは削れない……そういう考えによって、残しています。
何でもかんでも「引けば良い」という単純な話ではないでしょう。
作品のバランス、方向性をしっかり見定めた皆さんであれば、その判断は誤らないと信じています。
■ おわりに
例えばですが、短編作家としてならとても面白いのに、連載になったら『微妙……』となる作家さんはいらっしゃいませんか?
プロの漫画家さんでも、ですね。
こういう作家さんは、短編でこそ輝くタイプで、本来連載を任せるべきじゃないんですよね。
どういうことかというと、足し算があまり上手くない、むしろ引き算が得意ではないか、そう解釈できます。
皆様も、早めに自分の長所や特性を掴んでおくのがいいと思います。
――事実、私も長編作家のつもりなんですが、短編エッセイの方が評価が高くて困惑しております(笑)




