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三章 狂った私を助けてください

「よろしくおねがいします!」

私はいつも通り、笑顔でそう言った。

今日は中学3年生に進学する日、

今年こそは明るい自分でいるぞと言う気持ちを持って新しいクラスを迎えた。



「よろしくお願いします‼︎」

クラスに素敵な明るい声が響き渡った。

湊太くんだ。

あの人はとても優しそうな雰囲気を纏ってる。こんな私でも受け入れてくれそうだ。

私は密かに湊太に惹かれていた。

あ、そうだ、私は春!

この物語のヒロインなんだ。



月が流れ、6月…

今年度一番、修学旅行の前日になった。

時間は過ぎていき、帰りの会の時間になった。

私は明日の修学旅行にウキウキしていたが、先生のお話が始まると、ウキウキはなくなった。

先生は、始まると同時に、大声で叫ぶように

「お前らは、修学旅行に行っても意味がない‼︎ 俺はこのクラスが居心地悪いし、俺は正直、明日からの修学旅行に行きたくない‼︎ 修学旅行の前日に言いたくないけど、お前らのクラスは最悪だ‼︎」と言った。

そして、私はその大きな声を聞いて過去のトラウマを思い出してしまった。



ー私は小さい頃からお父さんが怖かった。

私は食べるのが遅くて、よくお父さんの機嫌を損ね、睨まれるのが日常だった。

そして、休日は本当に地獄だった。

私は、他にももっとキツイ人もいると思うからと言う理由で毎日耐えていた。

もう、その時から私はおかしくなっていたんだと思う。



そして、私は2回壊れた。

1回目は小3の時で、

2回目は中1、中2の時だ。


1回目に壊れた時は、

クラスが崩壊していた時だ。

毎日1回授業が潰れるのは当たり前だったし、先生が怒るといつも黒板を思いっきり叩いていた。

その音が原因で今ですら大きい音がだめで、トラウマになっている。

おかげで、小3の頃に初めて○にたいって気持ちが出て、私の心は壊れてしまった。


2回目に壊れた時は、

学校に行けなくなった時だ。

その時は友達、家族、恋人など全部に悩んでいた。

そして、私はどんどん自分が嫌いになっていった。

上手くできないことを他の人と比べたり、他の人に常に迷惑かけてるって思ったり。

私は、その時、性格も、顔も体も思ってることも全部全部全部大嫌いって思った。

自分なんていらないって思った。

そこで、もう一度私の心は壊れてしまった。



私の心の傷は、やはり治らずに、

今ここでトラウマとなって蘇った。

私は耳を塞いで目を瞑った。

一度弱くなるとなかなか戻れないと痛感した。



そして1日が過ぎ…


今日は修学旅行一日目!


今日から楽しい修学旅行が始まった‼︎

友達を誘おうと思ったら、

近くに拓海君が一人でいた。

私は、優しい振りをしていないと、

他の人をきにかけていないと、誰も私のことを見てくれない気がして怖かった。

だから拓海君に

「一緒に回ろう!」

と話しかけた。



すると、拓海君は

「いいの?」

と言っていた。

私は精一杯の笑顔を作り、

「もちろん!」

と言った。


そのあとはたくさん回った。

京都の清水寺や、金閣寺など、

魅力的な場所をたくさん回った。

しかし、いつも笑顔を心がけていた私は

すごく疲れてしまった。



ーぼふっ!ー

私は旅館の布団に飛び込んだ。

「どっと疲れたー」

私は明るくそう言った。


そして、夜になった。

私は恋バナが大好きだった。

しかし、みんなは布団につくと

眠りにつこうとしてしまっていた。

私は、また私のせいでみんなに迷惑をかけてしまう、こんな空気読めない発言をしたら嫌われてしまう、と思ってしまったため、

「恋バナをしよう!」と言うことができなかった。

そして、みんな寝てしまったあと、

「恋バナしたかったな。」

と私はボソッと呟いた。



そして、また普通の日々が始まった。


今日は席替えだった。

湊太となれるといいな!

そんな期待を込めたが、

やはり湊太とはなれなかった。



時は流れ七月〜

私は異様に孤独感を覚えた。

誰かに頼りたくなった。

でも、それじゃ、他人に迷惑かけるだけだ。

私は○にたくなった。

自分なんかいらないと思った。


でも、どうせ○ぬならやってみたかったことがあった。


湊太への告白だ。

そして、私は7月7日、短冊へ願いを書き、

湊太に告白した。

「ひと目見た時から好きでした。

私とお付き合いさせてください!」

精一杯の笑顔と明るさで言った。


湊太は、一瞬「え…」

と言った。

しかし、すぐに

「ありがとう。俺も好きです。

よろしくお願いします。」

と返ってきた。



私は嬉しかった。

そのあとルンルンで家へ帰った。

悲しいことが全て吹き飛んだ気がした。


次の日、

私は友達に、

「誰にも言わないでね、

私、湊太くんと付き合ったんだ!」

とこっそり言った。

初めて友達に本当の笑顔で話した。



私は、その日から毎日

本当の笑顔で過ごすことができた!

毎日好きと言い合った!


しかし、7月25日、ある事件が起きてしまった…



私はいつも通りルンルンで家へ帰っていた。

その時、後ろから気配を感じた。

そして、後ろを振り向こうとした瞬間、

いきなり首を絞められた。


起きると、そこは知らない部屋だった。

両手は紐で結ばれ、胴は棒に括り付けられていた。

私は、叫ぼうとしたが、ガムテープが付いていて声も出せなかった。



「うふふふふふ、これで春は僕のものだ。」

不気味な声が部屋一体に響き渡った。

その声の正体は、拓海だった。

拓海は続けて言った。

「うふふふふ、春、

僕のこと、好きなんだろ。

うふふふ、好きなのに何で

湊太となんか付き合ったんだ?

うふふふ、」

そして、叫ぶように言った。

「何でだ!

何でお前はあいつとなんか付き合ったんだ!

おい!お前は僕のものじゃないのか!」

私は耳を抑えた。しかし、またトラウマを思い出してしまった。私は苦しくなった。

あいつは大人しくなり、優しい声で続けた。

「大丈夫?ふふ、でも、これは春が僕を裏切ったのが悪いんだよw

でもこれで春はやっと戻ってきた。

これからはずーっと一緒だよ。うふふ。」


私はすごく逃げたかった。

しかし、何もかも縛られていたから動けなかった。



閉じ込められてから、5日がたった。

私は精神的に限界だった。


ここの部屋の環境はとんでもなく悪い。

部屋は暗く、カーテンも閉められている。

そして、とてつもなく汚い。

ゴキブリの気配などもする。

そして、部屋がなぜかイカ臭い。


あいつが帰ってくると毎日、

気持ち悪いほどの好きコール、

なでなで、

そして時にはストレスの発散。


心も体も限界だった。

○んだほうがマシと思う時もあった。


でも、私は信じていた

必ず湊太は助けに来てくれると。



突然、部屋に光が灯った。

もうあいつが帰ってきたのか。

私は心の準備をして待ち構えた。


しかし、そこには、真っ青な顔をしているあいつの母と、クラスの…壱弥さんがいた。


「え…」

私は一瞬思考が停止した。

すると、壱弥さんは優しく手を差し伸べた。

「助けに来たよ、春さん」



私は泣きながら壱弥さんの手を握った。

そして私は最後の力を振り絞って言った。

「狂った私を助けてください。」



私はそこで気を失った。

そのあとは覚えていない。

気づいた時には自分の家に壱弥さんといた。

「やっと気づいたか。」

壱弥さんが言った。

私は何もかもがわからなかった。

何で湊太じゃなくて壱弥さんがいるのか。

今湊太はどこにいるのか。

そして、拓海はどうなるのか。

だから私は聞いた。

「あなたは何で私を助けに来てくれたの?」

すると壱弥さんは答えた。

「俺は湊太と手を組んで考えていたんだ。

君を助けるにはどうすればいいのか。

そして、拓海を湊太が時間を稼いでいる間に俺は君を助けに行くことになったんだ。」

壱弥さんは続けた。

「なんか疲れていそうだったな。

俺には気を使わずに何でも話していいよ。

何でも受け止めるから」



壱弥さんは私の表情や

私の「狂った私を助けてください。」という言葉に気づいて言ってくれたのか。

でも私を気遣っての言葉だよね。

私なんかを気遣って壱弥さんの負担とか、不快とかになってないかな。

そして、私は

「ごめん、私が壱弥さんに助けを求めてたから気遣って言ってくれてるんだよね、私はもう大丈夫だよ。」と作り笑顔で言った。



すると、壱弥さんは優しくぎゅっとしてきた。

そして優しく包み込むような声で

「その顔、全然大丈夫じゃない。

すごく寂しくて、悲しい顔をしてる。

今も、あの時も俺は君を助けたかったんだ。

君に本当の笑顔を、本当の愛を届けるために。

俺は君に頼られた時、とても嬉しかった。

君はこんな僕でも信じて頼ってくれるんだなって。

だから俺は自分の意思で、君のそばに居続けたいって思ってる。そして、いつでも君の助けになりたいって思ってる。


俺は君のことが好きみたいなんだ。」



私は涙が勝手に溢れ出てきた。

そして、もっと壱弥さんに抱きついた。

この人なら信頼できる、

この人となら本当の愛、本当の心を出せると

心から実感したからだ。

そして私は泣きながらこう答えた。

「私をこんなにも愛してくれてありがとう。

私も壱弥さんのこと大好きだよ。」



ガチャッ、

いきなり玄関のドアが開いた。


私たちは少し離れた。

そして湊太を見た。

湊太は焦っていたが、

私と壱弥さんを見た瞬間、

ニコッとしていた。

そして湊太は壱弥さんに近づいて何やら話をしていた。


話が終わると、湊太は私の前に立って、

優しい口調で話した。

「春、ごめんな。

春を守ってやれずに。

俺は君の彼氏になれる資格はない。」


「だから、別れよう。」

私は一瞬思考が停止した。

でも、湊太は薄々気づいていたのかな。

私が湊太に本音を出せていないってこと。

だから私はこう言った。

「わかった、

湊太がそう言うんだったら別れる。」



そして、私は壱弥さんをチラッと見た。

その時、壱弥さんもこっちを見ていて、

目があった瞬間、二人で微笑んだ。


すると、ピンポーンと、いきなり家のチャイムが鳴り響いた。



私はあの恐怖がもう一度蘇りそうになった。

でも今は壱弥さんがついている。

私はもう一人じゃない。

私は壱弥さんに近づき、後ろに隠れた。


すると、湊太が前に出ていき、

力強い声で言った。

「拓海には俺が一人で話をつけてくる。

二人は部屋で待っていて。」


そして、私たちは部屋へ逃げた。



私は壱弥さんと部屋へ逃げたあと、

私の全てを打ち明けた。

その度に壱弥さんは

感謝の言葉、包容力のある言葉、

そして、前向きな言葉をたくさんくれた。


私はここで話して、本当の自分について知ることができた。そして、狂った自分から、本当の自分へと変われた気がした。



トントン、部屋のドアが叩かれた。

開けるとそこには

涙を流して本当の笑顔で笑っている二人がいた。

そして拓海が本当の思いで話した。

「春、本当にごめん。

俺は間違ってた。

君には君の意思がちゃんとあって、

君は君自身のものだとわかったよ。

今まで本当にごめん。

そして、愛について教えてくれてありがとう。」

その瞬間、私の中からは、

拓海への怒りも、

狂った自分も全部消えていった。



私はついに本当の私になれた。


そして、みんなも。


本当の気持ちを出したからこそ

本当の愛、友情、そして自分

を見つけられた。


本当の気持ちを隠すのは悪いことではない。

でもね、本当の気持ちを出すことで周りも本当になるんだ。

だからね、時には本当の気持ちも出してみてね。

世界がぐーんと変わるから。

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