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一章 彼女は一度、僕のものだった

「よろしくお願いします‼︎」

湊太がそう言った。

今日は中学三年生へ進学する日なのだ。


それとは反対に

「ヨロシクオネガイシマス」

心細い小さな声で言った。

そう、主人公は私、拓海なのだ。

-これから新しいクラスが始まる-


あの子は綺麗だなあ、

僕は心の中で思った。

初めて同じクラスになる子だった。

その子の顔、雰囲気など全てが愛おしかった。

自分のものにしたいくらい…。


月が流れ、6月...


今年度一番、修学旅行が始まった。

「わあ!楽しみ!」

湊太が言った。


僕はというと、

1人で呟いていた。

「はぁ、」

なぜか僕はため息をついていた。


今日は修学旅行一日目。

今日は1人で回ろうか、と思っていたら

あの子が話しかけてきてくれた。

「一緒に回ろう!」

僕は顔が真っ赤になった。

その言葉がすごく嬉しかった。

そして僕は言った。

「いいの?」


その子は答えた。

「もちろん!」

そのあとはたくさん回った。

京都の清水寺や、金閣寺など、

魅力的な場所をたくさん回った。

いつもでは考えられないくらい、

素晴らしい時間だった。


きっと、僕のことが好きなんだろうなとも考えた。


そのあと、旅館に着いた。

僕は湊太達のグループと同じ部屋だ。

そして夜ーー

恋バナが始まった


僕だけ話した。

他の子はいないということだったから。

そして修学旅行が終わったらみんなに応援された。

湊太も思ってたよりすごくいいやつだった。


そして、また普通の日々が始まった。

でも俺にはあの子がいる。

そう、春だ。

修学旅行でたくさん話せたんだから、

もう僕のこと好きなんだろうと思った。


今日は席替えだった。

春さんとなりたいな、

と望んでいたが、僕の思いは敗れ、

違う班だった。

でも、湊太と同じ班だった。

仲良くなったから嬉しかった。


時は流れ七月〜


湊太とも心を打ち明けられるほどにもなった。

恋愛の話もたくさんした。

この些細な日々が楽しかった。

あの出来事がなければ、、、


それははっきりと覚えている。

7月18日


僕は噂を聞いてしまった。

ー湊太と春が付き合ってるんだってー

僕は一瞬固まった。

「え...」

春は僕のこと好きではなかったのか?

あんなに話したのに。

僕のものだと思っていたのに。

湊太の全てが憎い。

イケメンで勉強も運動もできる。

全てを羨む。

感情がおかしくなった。

「彼女は一度、僕のものだった。

いや、これからも僕のものだったはずだ。

なのにあいつは僕から奪った。

相談もしたのに。

あいつは絶対に許さない。」


しかし、僕は学校では湊太に

いつも通り接した。

なぜなら密かに計画を進めるためだ。

計画名は「誘拐」

そして7月25日、犯行に及んだ。


春にGPSを仕込んでいた。

そして場所を特定し、

1人の時を狙い、無理やり連れ去った。

そして、自分の部屋に連れ込んだ。


次の日、春は学校に来なかった。

湊太はすごく心配していた。

僕はというと、

至っていつも通りだった。


7月30日、夏休みになる一日前、

湊太から話しかけられた。

「お前、春に何したんだ?」

僕はいつも通りの笑顔で、

「何もしてないよ」と言った。

この時ハッとした。

何もしてないということは、

連れ去っている前提で言えること。

僕はとんでもない失言をしてしまった。


空気が凍りついた。

湊太からの視線が苦しい。

湊太はすぐに口を開いた。

「俺の春を、返せ。」

僕は怒った。

春は僕のものだったのに、

お前が奪ったんだろ。

お前が奪っただけだから奪い返しただけだ。

そして僕も口を開いた。

「春は僕のものだ。

これからも、ずっと。」


湊太は言った。

「春はどこにいる?」

僕は怒った。

そんなのいうわけないだろう。

お前は俺から春奪ったんだろ。

僕は何も言わなかった。

湊太は、

「おい!どこにいるんだ!言え!」

と攻めてきた。

胸ぐらを掴まれた。

それでも僕は怯まない、

だって彼女のためだから...。


そして僕は逃げた。

家へと真っ先に。


家に戻ると、

母が顔を真っ青にして立っていた。

僕は焦った。

ま、まさかバレたのか?


すかさず僕は

「母さん、どうしたの?」

といつも通りの笑顔で言った。


母さんは、

「拓海、お前は何をしたんだい?」

僕は急いで自分の部屋に行った。

春がいない...。

どうしてだ、あああ

春は僕のものなのに。

一生僕のものなのに。


僕は

焦っていった

「母さん、春はどこにやった?」

母さんは、

「家に帰した、お前には失望したよ。」


僕はもう何もかもがどうでも良くなった。


僕は、家を飛び出した。

もう何もかも○したい。

何もかも憎い。

そして僕は向かった、


そう、春の家だ。

次こそは、次こそは必ず離さない。

次こそは俺のものにするんだ。

そして春の家の中に入った。


入った直後、なぜか湊太がいた。

なぜだ、なぜいるのだ?

僕の春の家になぜいるんだ?

湊太は言った

「くると思ったよ。」

僕は激怒した。

「何でお前がここにいるんだ?

僕の春はどこにいるんだ?」

湊太はしばらく黙った。

僕は怒りが抑え切れずに動いた。

湊太は僕を止めて泣いた。

そしてついに言葉を発した。

「お前、何を勘違いしてるんだ?

春はお前のものじゃない。

春は春自身のものなんだ。

春には春自身の心がある。

そんなことをお前は考えたことがなかったのか?

お前は、春に執着することが愛情だと思っているのか?

お前は何をしているんだ?」


なぜか涙が出た。

しかし僕は涙を堪えて怒った。

「お前は僕から春を奪ったんだ!」


湊太は言った。

「春は元からお前のものではなかったんだよ。

春は、ただ友達としてお前に接していただけだったんだよ。

でも、ごめん。

俺も悪かったって思ってる。

お前が好きだと言っていたのに、

付き合ってしまったこと。

本当に反省している。

だから別れたんだ。」


「え、」

僕は一瞬止まった。

この周りの全てのものが一瞬止まった気がした。

そして僕は自分の過ちに気づいた。

僕は春の気持ちも知らずに

こんなひどいことをしてしまっていたのだということを。

そして、愛とは互いに愛し合うことで成立するのだと。

僕は口を開いた。

「湊太、ありがとう。

本当の愛について教えてくれて。

これからも友達でいてくれますか?」


湊太は言った。

「もちろん!」

そして僕と湊太は

最高の親友となった。

そしてこの先何十年も

信頼し合える

最高の親友となった。

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