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雅学校概論2

今回は卒業までの勉強のありかたを説明。

無事卒業できれば未来は明るいという雅学校。


それでは、他の組に対してはどうかと言えば。

それも問題になる。

反目すればお互いの情報がなくなってしまう。

それ以外の組に置いてきぼりを食らうことに繋がりかねない。

だからそれもゆるされなかった。



それ以外にも個人的な選択科目を自由に選べるようになっている。

好みの選択科目があれば時間を作り独自に勉強ができるのだ。

しかし、みんなそんな余裕がない。

あまった時間は復習と後輩の指導に使うのがやっとというところだ。

とくに侍女としての教育時間だけはきびしい。

決められた時間、勉強と実践をおこなわなければならないからだ。

そんな中、自分だけの選択科目を選べるのは睡眠時間を削るか天才だけだ。

そしてそういうところも評価されている。

現状を甘んじているものの評価は低いものだ。


後進の指導もせず自分のみの勉強をしてるものに対してはきびしい。

そのような個人主義の者が放り出されることは毎度のことだ。

第一生徒間の人気が出ない。

放りだされなくても推薦されることはない。

この学校ともいうべきところの大きな特徴だ。

それは積極的な人間には大いに協力する。

そうでないものは追放が待ってるということなのだ。

積極的に勉強したいということに対しては個人指導に近い教育が施される。


成績優秀な最上級生は特典がある。

雅王女の身の回りに配置されるのだ。

それは最高の栄誉だった。

雅王女付侍女というのは雅学校では憧れのステータスなのだ。

単に学力だけではなく指導力から人気までをすべて評価される。


その反面ただここに入りたいと考えて来たものもいる。

そういう者にはしばらくは時間を与えられる。

そして基本的な侍女の仕事を覚えたところで卒業する。

それが16歳の仮卒業だ。

目的意識もなくただ憧れできたものには厳しい現実がまっているのだ。

それでも侍女としては完全に教わるので目的は十分なのだ。

18歳の年齢による卒業生とは扱いに大差がある。

先の厳しさに落第もあるので貴族の娘の多くはこの時点で卒業する。

そして、結婚をするケースが多い。


卒業生にはあちこちから嫁の候補の声がかかる。

身分など関係なくかかるのだ。

無事卒業したことが才能の証明になっているからだ。

そして、卒業生同士の横のつながりが大きい。

下手な身分より価値が高いからだ。

中には、宣伝のため学校の教師の座を設けてくれるところもある。

そういったように多方面から声がかかるのだ。


ある卒業生など学校そのものを経営して大いに儲けたものもいた。

もちろんその経営手腕もすごい。

しかし、その経営ノウハウそのものは実は養成所で教えられたものなのだ。

他にも田舎に帰り特産品の生産販売に手を出し大成功を収めたものもいる。

その村では女神扱いだ。

その特産品を考えるまでのやり方などの知識一般を学校が教えるのだ。

だから、卒業生が地元で特産品を作り出すことなど簡単なことだった。

見方を変えればなぜ今までそれをしなかったのか不思儀に思うぐらいだ。

それほど、卓越した考え方に変身するのだ。

そのように卒業生には輝かしい未来が保証されている。

いかなる形にしても雅学校を正規卒業したものには破格の優遇が保障されていた。

反面、追放されるときびしいものが待っているのも現実だ。

だから、雅学校にいるものは基本的には下のものにやさしいものばかりだ。

出来るだけ助けようとみんな努力する。

その意識は卒業後も強い連帯感を生んでいた。


同僚に対してはきびしいライバル意識は当然のものだ。

それがこの学校のレベルの高さを維持しているのだ。

一部にはきびしさゆえにいじめなども発生する。

しかし、それが長続きはしない。

それは、いじめられた側が弱者になったところで終わる。

それ以上いじめれば下のものを虐待したことになる。

そうなれば、いじめてるどころではないのだ。

自分が追放の憂き目に会う。

だから、一時的ないじめは発生してもすぐに解消されていく。

 


最終の王女付侍女となれば公式の場にも参加する。

そうなれば、忙しい立場になる。

それで不平をいうものはいない。

雅王女付の侍女が雅学校の生徒というのは国中に広まっているのだ。

侍女だからといって軽く扱われることはなかった。

社交界に名を馳せるチャンスでもある。

貴族の子女がその立場にたてば、その親はひそかに宣伝してまわる。

それほどのことなのだ。

侍女としてデビューすれば将来的にどの分野にも一目おかれる。

そういう立場になれるのだ。

だから、みんなその地位を入手するため必死の努力をする。

立ち居振舞いから音楽、舞踊は当然ながら武術まで完全にこなす。

それ以外に一流の知識と指導力をもって初めて王女付の侍女として認められる。

該当者が居ないときは卒業生がよばれることもある。

それぐらいきびしいものだ。


当然、卒業生はみんな有名だ。

だから、その年は不作であると世間的に公表するようなものだ。

ライバルを蹴落とす以上に自分たちを引き上げるのに必死だ。

お互い落としあって卒業生を呼ばれたとあっては本末転倒なのだ。

また侍女の仕事は一人ではできない。

仲間との協力が必要なのものだ。



講師も一流の者を集めている。

最近では卒業生も多く配置されていた。

なにしろ卒業生そのものが、その分野の一流になるのだから当然だ。

初めの頃は男性講師も多かった。

卒業生が講師になるにつれて女性の比率は高くなっていった。

それとともにこの国の最高知識人は女性が占めるようになっていった。

雅養成所の水準の高さがこの国の知識の大本になっているのだ。

講師といえやはり勉強しなければ生徒に抜かされていく厳しさもあった。




次回、少し武術の仕組みみたいなことを説明します。

まだまだ硬いけど勘弁。


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