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雅学校概要1

次の小説を考えるまでのつなぎです。

思いついたことを適当に書くので不定期な連載になります。

気長につきあってください。


例によって、この小説でもし被害にあわれても当局は一切関知しません。

それでは今一時の空間をどうぞ。

雅学校


雅王女付侍女養成所、通称雅学校と呼ばれていた。

白国でもっとも有名な教育場所だ。

8歳から入所出来て10歳で正式入所、それから18歳まで勉強する。

侍女としては勿論、一般知識から舞踊、音楽、武術までだ。

それを、ほぼ一流の講師にて指導される専門教育所だ。

参加メンバーは500人ほどで別に定員がきまっているわけじゃない。

途中入所もあれば、退所もある。


ここを卒業したものは選択勉強した分野において一流の扱いになる。

そういうことで侍女としてよりも他の分野で広く求められた。

学者とか商人の奥方などだ。

前身は50人ほどで、貴族の子女が中心となっていた。

だから、卒業後は結婚して貴族の奥方となるのがほとんどだった。

結果、主だった貴族の奥方はほとんどがこの養成所の出身者となっていた。

それがわずか10年より前のことだ。

その頃も教育水準の高いことは有名だった。


それが大きくさわがれることになったのは10年前からだ。

その時から始った一般の国民からの募集だった。

幅広く人材を求めたためだ。

いきなり大所帯なった。

わずか8年で今の体制を固めてしまったのだ。

いまでは、この国の主な主要人物の奥方は殆どこの養成所のメンバーだったものだ。

しらないものがみればこの国は裏から支配されていると勘違いする。

いや正答に至っていただろう。

それが騒がれないことが不思議なのだ。


今では、人々は争ってこの養成所に娘を入れようとする。

当然、入所もきびしい人選が行なわれていた。

そのため、街にはなんとこの養成所入所のための専門の学校まで経営されていた。

しかし、そこのメンバーが必ず有利とはかぎらなかった。

その反面、有利な枠も設けられていた。

あちこちのそのような学校、武術の道場などには推薦枠が与えられていた。

それがこの国の教育に大きく貢献しているのも事実なのだ。


なにしろ一流と言われる道場、学校などには3人。

ある程度のところには2人。

そして白国の推薦武術道場には1人の枠が与えられている。

その枠をめぐっては生徒は勿論、道場主なども奔走するのだ。


白国主催の武道大会などの賞品はこの枠が全部で6人分与えられる。

一位は2人、2位が一人だ。

素手と武器武門とあり、あわせて6人だ。

これを勝ち取ろうと各道場はしのぎをけずっている。

特に、雅養成所に席のある四つの道場は今現在2つの枠を与えられている。

しかし、門弟の多さからさらに枠を増やそうとしている。

一般の道場は枠を確保しようと奔走しているのだ。

そのため、この白国の武術は長足の進歩をとげていた。

他国のものがこの国に旅行に来ればその武術レベルの高さに驚くかぎりだ。


だがこれだけ武術レベルが高いわりに治安は最高なのだ。

スリはもちろん追いはぎ、強盗は皆無だった。

なにしろ犯罪をやれば町ぐるみで捜索される。

隠れる場所もないまま逮捕される。

それというのも、犯罪捜索に手柄を上げたものにはやはり枠が与えられる。

個人で手柄を上げれば身内の一人を推薦枠に加えることも可能だ。

そして、その枠を売ることも出来る唯一の枠だった。

自分の所に犯罪者が来ないかと期待して待つ一般市民だ。


もちろん厳正に審査される。

もしそれが故意によるものならたちどころにつるしあげを食らってしまう。

さらに、各道場は治安の悪そうなところに人をまわしていた。

そして、犯罪が起きるのを待っている状態だ。

そんなところで喧嘩一つでもしようものなら結果は火を見るよりあきらかだ。

そのため、異常とも思える治安のいい国になった。

この国の市民は概ねこのシステムを歓迎していた。


しかも面白いのはどこの国でもある無頼者といわれる者の扱いだ。

普通ならそのようなものは入り込める余地がなさそうなのだ。

ところが、この国では公然とギャンブル場を経営できるようになっていた。

勿論それがこの国の方針なのだ。

裏の稼業で大儲けは出来ないがそこそこに稼ぐことは公認している。

それは人々に潤いを与える結果にもなっていた。


しかし、もし縄張り争いがおこせば?。

それはたちまち表の道場の手柄争いに発展し競って処分される。

そのため、縄張りを広げることは許されなかった。

たとえばお客が身包みはがされて放りだされた場合。

そこの賭場のオーナーは気を使うぐらいなのだ。

そのものが自分の縄張りで悪戯をしないように監視する。

それぐらい、徹底していた。

だから無頼者といわれるものたちはいる。

しかし、この国ではその街の守護神的な役割で大いに住民に歓迎されてもいた。


このようにすべては雅養成所を中心に街は動いていた。

そして、しっかり管理されているのだがそれを不満に思うものは皆無であった。

逆にそのシステムに積極的に溶け込もうと人は動いていた。


一部の金持ちはなんとか娘を入所させようと大臣にまで手を回していた。

しかし、枠以外で入ろうと思うと厳しい試験がある。

そして最後の難関がおみくじなのだ。

選ばれないものはあきらめるしかなかった。

だがこのおみくじ、じつは裏があるのだがその話はまた後日に。


選ばれた新規入所者は所長を務める雅王女の挨拶をうける。

そして、各決められた組に振り分けられる。

組の数は12だ。

一般の学校と違い年齢に分けられていない。

そして、組の中には18歳から10歳までほぼ均等になるように分けられる。

上のものは下のものの面倒まで見ることになっていた。

成績で振り分けられるのでもない。

身分によるものでもなくただ順番だった。

雅学校内ではそれまでの身分は基本的には関係がない。

自分のことは自分でやるのがあたりまえなのだ。

それでなおかつ余裕があれば下のものの面倒をみる。

わからないことがあれば上の者に聞くというシステムだ。


全ては平等なため一見優れているものに不満が出そうだ。

しかし、少しするとこのシステムの厳しさに翻弄されるのだ。

常に積極的に勉強していなければ追いつかない。

さりとて自分だけのことをやっていればいい訳じゃない。

そんなことは許されないのだ。

自分の仲間が困っていればやさしく手を差し伸べないと失格になる。

教えられたほうも期待に答えなければ教えてくれた先輩が不利になる。

恩を仇で返すはめにはなりたくない。

だから上から下まで必死なのだ。

結局お互い必死なので先輩後輩はうまくいくのだ。



最初は少し硬い話で学校の概論を3回にわたって行います。


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