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「この結婚はなかったことにしてほしい、お互いのためだ」と言われましたが……ごめんなさい!私は代役です  作者: 涙乃


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17

ルークは邸に戻ると、アランの部屋に鍵がかかっていることを再確認する。書斎にも異常がないか見回った後、メアリー、モアナ、マーシャルにアランがしばらく仕事で邸に戻らない旨を伝えた。



続いてフィオナの部屋に足を運ぶ。


「フィオーリ、少しいいですか?」


何度かノックしたものの返事がない。


勝手に部屋に入る訳にも行かないが、万が一倒れていたらいけない。


鍵がかかっているかを確認するだけのつもりで、取手に手をかける。


「フィオーリ? いるのですか?」


何度呼びかけても返答はなく、部屋には鍵がかけられていた。


メアリー達を問い詰め、邸中を探したけれど、フィオナは忽然と姿を消していた。


✳︎✳︎✳︎

ルークが街から戻る少し前、フィオナはアランを捜していた。


どこにも姿が見えず、フィオナは渋々部屋へ戻ろうとしていた。


「何してるの?ルンルン、きゃはは」


「あなたは確か、マーシャルさん?」


「やだ、ルンルンお腹がすいたの?」


マーシャルはフィオナの顔を覗きこむように問いかける。


「違いいます。旦那様はどちらにいらっしゃるのですか?」



「あぁ、旦那様を探してるの? そうねぇ、教えてあげてもいいけど、タダという訳にはいかないかな、きゃはは。」


マーシャルは何がおかしいのか、フィオナを挑発するように笑いそやす。


「何してるの?マーシャル」


「あ、モアナ、メアリー。聞いて、ルンルンが旦那様に用があるんだってー」


マーシャルは後方からやって来たメアリーとモアナに並び立った。


「あー、ルンルン、旦那様にあなたの男のことは伝えたわよー。今更何を言っても無駄よ」


「メアリー、何の話?」


「あのね」


メアリーはマーシャルとモアナにだけ聞こえるように、ヒソヒソと囁いていた。


「メアリーさん、あの人とはそういう関係ではありません!でも、今はそのことではなくて、旦那様に急いで伝えなければならないことがあるのです。旦那様の居場所に心当たりがないのなら、自分で探しますから、もういいです」


フィオナはメアリー達と関わるのは得策ではないと判断して、その場を去ろうとした。


「ルンルン!知らないとは言ってないでしょ。こっちよ、案内してあげる」


メアリーは一人先頭に立って歩き出す。


「どうしたの?さっさと行って」


「きゃはは、よかったわね、私達が親切に案内してあげるわ」



フィオナの両側には、マーシャルとモアナがぴったりと付き添うように歩き出す。


必然的にフィオナは逃げられず、渋々一緒に歩き出した。



いったいどこまでいくのでしょう?

フィオナは段々と不安になる。

いざとなったら揉み合ってでも、逃げ出そうと決心しながら。


「ここよ」


「え?ここですか?この部屋に旦那様が?」


「今よ!」


「ちょっと!きゃぁ」


フィオナは背中を押されて無理矢理部屋の中へと押し込まれた。ガチャっと鍵の閉まる音が聞こえる。


取手を何度も回しても扉は開きません。


「ちょっと、あなた達、いい加減にしてください、開けてください!」



「じゃーねー、ルンルン」


「行こう」

「ばいばーい、きゃはは」


「ちょっと‼︎」


もう、本当にどうしようもない人達ですね。


フィオナはため息をつきながら、扉に背を預けて、ずりずりとへたりこんだ。




 

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