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ゼロディバイドクリエイター  作者: 赤石学
序章
4/4

ダンジョンでトレジャーボックスを出すべきどうか?を答えよ(2)

ダンジョンでトレジャーボックスを出すべきどうか?を答えよ



毎日出される課題、これは単位に関係ないが、出されるには意味があるのでほぼ必須として取り掛かんでいる物だが、


「難しいな」と佐藤勝マサルは端的に表現した。それを聞いた田中優ユウはそんなに難しいか?とこれまた端的に言った。


「そうなんだよ。図に書くとね」と簡単な絵図を描いて説明する。


ゲームにおいて、宝箱は分かり安い報酬のイコンとして有用であるのだ。

そしてそんな物が出るか?という世界観重視では不採用にされにくい。それは説明しにくいからだ。世界観重視のゲームデザインでは素材は宝箱に包まれることなく裸で落ちるだろうし、持っていることが難しい物はドロップしない事も考えられる。

獣の敵から、精密機械っぽい素材は落ち得ない、と考えれば分かり安い。

これは世界観、設定重視するか?ゲーム性を重視するか?というゲーム制作における2極化を理解ってなかった制作者が過去に居たのだろう、として出題者が発想して出題したと容易に想像できる。

これを答えさせたいのだという狙いがこの課題にはある、というのがマサルの考えた。するとこの課題はイエスかノーどちらも難題とあると言えたのだ。


そうなるとどちらを選んで答えるのがクリエイターにとって相応しいか?となるのがこの課題の本領と言えた。


「どちらがクリエイティブなんだろう?」とようやく呟けたが長すぎた。長考過ぎたと言える。彼の相棒は短気でした。

「どっちでも良いのでは?はやく仕様書に取り掛かろうぜ」ユウははやく仕様書を貰って作業に取り掛かりたいのか、仕様書の発注を最優先した。


「しょぼーん」

「待つから、な」


仕事が出来るから自身の仕事を片付けたい気持ちもわかる、だがこれは浪漫なのだ。生徒の教師の思惑を読み合い、出し抜く心理戦があるのだ。


「さっきの話だけどさ、どっちとかじゃなくて」

「どっちと言うと」


「両方やれば良いんじゃない?宝箱が出ないことにもメリットが在れば出る出ないを両方やれるような、そんなのをやれば良いんだ」田中優はいい加減に適当な、と言っても誤用ではない方の適当、的確に当てるという意味で言った。本人はそんな意図はなかっただろうが。

「……出ないほうがデフォルトの仕様で、あえて貴重素材を梱包する箱を選べる。メリットとデメリットを明確化させる、そんなので良いのか。両方、やるのは有りだな!!」


「仕様書、早くな」

「しょぼーん、ああ理解った。理解ったよちょっと待ってね。今取り掛かるから」


これは逆に難しい課題となった。多分正解は「(分かり)安い報酬のイコン」として課題を解くのが最善と思われた。

だが、その逆も取り込んで課題を取り掛かるのは二重に難しい、梱包する。それが自分ではなくモンスター(?)となるとまた悩ましい。だがもう課題への取り組み姿勢は出ている。


課題を解く場所は学校のドリンクバーを注文して長居できる食堂であった。

ドリンクバーで、紅茶とミルクを入れながら、ユウの欲しがっている炭酸飲料も要るなあ、と思って別の種類のカップに注いだところでハッとした。

レアが金色、希少レアが青色、スペシャルレアが虹色、アンノウンがオレンジとした場合、オレンジのドロップ似合わせてカップを用意するのは面白いと感じたのだった。

これだ、と思ってそのままカップをユウの元へ持って帰ってそのまま課題を解き始めた。



学術師の隠岐島おきとうミツルはチャンピオンチーム(優 勝)の合同解答を受け取って、同封されていたプログラムを起動する。


そのプログラムを起動すると宝箱を12種類の中から3種類選ぶ選択肢が出て、ひたすら敵を倒すプログラムが起動するモノだったが、超高速で敵を倒す、その素材を得る、というルーチンが超早く繰り返される。

100回は回したところで4番目にレア度の高いモノがドロップした所で、最希少最高レアを包む宝箱は無かったために素材が裸でドロップしてしまった。

そして素材をゲットする画面が超スローモーに成って行ってその画面で裸の素材が酸化して行くかのように劣化していく。その速度は宝箱で出たときかのように速い。


これから箱に包まれるのは劣化を防ぐ為というのを説明できている。

そこから最高希少度の箱を選択する画面が出て、また超速で素材をゲットするルーティンが繰り返されて、200回の後にさっきは劣化した素材が4番目の宝箱に包まれて出てくる。


宝箱が起動して、包まれる最高素材。


宝箱を持ち帰り、慎重に開けられ、中身を無傷で取り出した、プレイヤーの手柄を大いに称える文章が綴られる。


「なるほどな、どちらも攻略した、って事か。これは白眉の解答だな。面白い」


「10年の時を駆けて、チャンピオンチームが復活したか」


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