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ゼロディバイドクリエイター  作者: 赤石学
序章
3/4

ダンジョンでトレジャーボックスを出すべきどうか?を答えよ


ダンジョンでトレジャーボックスを出すべきどうか?を答えよ



課題:宝箱でダンジョンのトレジャーを得るタイプのゲームを作る必然性を答えよ


「ふむ?(ゲームデザインのロマンを否定する課題を真面目にやる意味が)分からんな」と田中優ユウは毎日の課題、学術師が出す側の問題を読んで速攻で投げた。


この学校の学術師(先生)の出す課題は兎に角捻くれてて、性別メスのユウには男の浪漫に付き合う必然性を見いだせなかったのだ。

こういうのは佐藤勝マサルが大好物だから、組になっている役割分担だから奴に、マサルに解かせよう、それは彼の存在意義を奪わない程度には弁えているのがユウと言う少女であった。


「マサル、これはなんて答えたら、どうしたら良いと思う?」とユウ。実際には答えるべき内容などうでも良いと思っている。

「これは面白いねえ」とマサルは課題の書かれたわら半紙の紙片を見つめながら答えた。


「例えば、モンスターハンティング・ワールドとかは、モンスター素材が部位によってドロップが違うわけじゃない?でもさ、それはトレジャーボックスに入って落とせない訳じゃない?でもさ、もしそれに入って落ちるとしたら世界観が壊れる訳よ」

「……そういえばそうなるな」もう此処でこの課題は解けそうだと思ったし、あまり深堀してしまわない様に生返事で済ませようと思った。


「例えば、パーソナル3リローデッドで、超豪華な鍵付き宝箱とか合って、それが鍵を用意して開けるとそれに相応しい中身だったりしたじゃん、そして鍵付き宝箱の見た目と、その入っていると想像した中身の一致と、もしくは別に期待を良い方に裏切るアップグレードされた中身は最高の報酬なんだ」

「なるほど」


「だからこそ、宝箱で中身を保護しながらドロップするのは、何にも代えがたい様式美なんだよ、理解る?」

「理解った、理解ったから、それでどうする?その仕様書と適当なジェネレータに併せて書いて?それを課題として提出するから」


「ああ、うん。そうだね、待ってて」マサルは(´・ω・`)として課題に取り掛かった。適当にランダムでドロップする宝箱を開けるゲームアプリの仕様書を書き始めたのだった。

「早くしろよ~」ユウはニコニコしながら催促する。



その日の夕方

「……ふんむ?」マサルは課題の答案をなかなか書けないでいた。

「どうした?遅いじゃん」ユウはそんなマサルの様子に気になって問い質していた。


「正直言うとゲームデザイン上と、世界観上では宝箱の形式で素材がドロップする理由付けは正反対になるんだ」

「すると、何で迷っているんだ?」


「ミツル学術師(先生)がどういう答えを狙っているか?が理解らないんだ」

「つまり、両方ともあり得るってことだな」


「そうだね」

「それじゃあ……両方書いとけばいいじゃん」


「気軽に言ってくれるなあ」

「考えすぎるなよ、気楽にやっていいってことだろうよ」とユウは断言した。確かにそうかも、とマサルもそう思った。


「じゃあ、気楽にやってみるか」


//    トレジャーボックスゲーム(仮)    //


このゲームでは二種類の素材のドロップボーナスが存在する。

1つは宝箱に収まって、もう一つは裸で落ちる。


また全ての素材には鮮度が存在し、箱に入っているのは鮮度が劣化しないが中身が理解らず、鮮度が劣化するが中身が理解るものがある。

宝箱は戦闘時間(1Sec)とは違い、生活時間(1hour)で解錠できる。

鮮度が売値、価値に直結し、それらは1時間(Minute)単位で変化する。


ゲームシステム:梱包術

神秘の素材は宝箱に収まることで初めて確保できる。しかし、梱包は目当ての素材が確定する前に施術開始しないと間に合わないので、オープンするまでに中身が分からないジレンマがある。

勿論、ハズレ素材をくるんだ金宝箱、虹宝箱も存在しうるので、此処らへんはユーザーごとの違いとなる。(ハズレのない虹宝箱も出来るがそうなると中身のレア度そのままになる、つまり低い)

簡易包装もあるがその場合、鮮度が若干下がるので中身が鮮度が下がりにくい物を取って市場に流しやすい時には有効?


//     //


「……どうかな?」

「良いんじゃないか?早速ドロップだけする試作品作りたいから仕様書もはよしてくれ」


「……やっぱりそうなるのか、そしてそっちで文句も言われると」

「ええから。はよやれや~^^」とユウはご機嫌である。課題を一日でこなして仮のゲームを企画用のテストバージョンも添えて提出、は選ばれたチームっぽいからなおさらだ。


とりあえず、適度にジェネレーターを選別、ガチャ結果を出すやつの簡易版、ただしそれなりに凝ったものを選んで、仕様書と一緒にユウのアドレスに贈った。

ユウは送られたら即座にキーを叩き、ジェネレーターをチャンピオンチーム仕様に整形、即座に福引ゲームを完成させる。それをミツル先生のメールボックスにチーム連盟で課題とともに提出、即座に既読が付き受理される。


目が通った証拠に、デジタルハンコが押されスコアが出る。これで日々の課題はクリアした。3時間で試供品付きでの課題提出というのは好記録である。勿論こんな芸当ができるのは校内でも最速のスクリプターのユウが居るからこそだが。



「お、今度は簡易包装宝箱でのドロップを狙うか……なるほど鮮度が命な生鮮食品だと不味いなこれは。うん、面白い。ユウとマサル、二人でチャンピオン(優勝)チームか」と担当の学術師須賀ミツルは二人の駆け出しに目を向けることと成ったのだ。


学術師とは「教育の情緒方面を一切カバーできない、術理のみを専門とする教員」である。学導師と比べて低く見られるがそれは一般的ではない。倫理方面を一切責任を取らずに、高い教育成果を達成するには学導師はウェットすぎるのであった。



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