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比較的最近更新した短編のまとめ場所

悪役令嬢は善人に変わらなければならない

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2023/11/11



 私はどうやら、乙女ゲームの世界で、悪役令嬢にうまれてしまったようだ。

 モブでも、ヒロインでもない。悪役令嬢に。


 第二の人生はお先真っ暗になってしまった。

 しかも、悪い事はそれだけじゃない。


 前世の記憶を思い出したのが、様々な人物に嫌がらせをした後だった。


 全二部あるうちの、過去編が終了してしまった後だ。

 だからいま登場人物達の、私への好感度はおそらくー100くらい。


 ここから挽回できるだろうか。

 いや、しなくてはならない。


 悪役令嬢が変わらないまま、原作が終了してしまうと、断罪エンドになって、死亡してしまうから。

 この現実でそんな事が起こったら、大変だ。


 うわっ、私の第二の人生難易度高すぎ。





 しかし、記憶を取り戻す前の私。

 本当にとんでもない事をしたわね。


 ヒロインの形見を壊すし。

 攻略対象1からヒロインへの贈り物を横取りするし、

 攻略対象その2の手柄は横取りするし、

 攻略対象その3がヒロインに会いに行けないように建物に閉じ込めるし。


 散々な状態じゃない。


 でも嘆いてばかりではいられないわ。


 断罪エンドを回避するために、頑張って行動しなくちゃ。






 そういうわけで、私は色々とやってみた。


 謝罪の手紙を出したり、慈善活動に精力的にとりくんだりとね。


 私は元の悪役令嬢じゃなくて、心を入れ替えて変わった。


 って、そうきちんと示さないと。






 始めはみんな疑心を抱いていたわ。


 何か企んでるんじゃないか。


 あやしいって。罠に違いないって。


 でも、何事も続けるものね。


 時間がたてば、徐々に疑いははれていったわ。


 でも、これだけじゃ心もとない。


 -100の好感度が、-10とかゼロに戻ったくらいじゃ。


 歴史の修正力が働いて、濡れ衣とか着せられちゃうかもしれないし。






 そういうわけで、私は味方を集める事にしたわ。


 グループからはぶられている子とか、虐げられている子とか。


 恩をうっておく感じに。


 変わりものが多かったけれど、手を差し伸べた子たちは基本はいい子だったわ。


 ちょっと我が強かったり、こだわりが強すぎたりするけど、将来の事を考えればそんな子たちとつきあうなんて、なんてことない。







 そんな中、原作が開始。


 シナリオ第2部の開幕ね。


 私は、登場人物達と極力関わらないように立ち回ったわ。


 声をかける時でも、極力第三者を経由したり。


 一緒のグループになった時は、近寄らないようにしたわね。


 だから、原作の様にヒロインを虐めるなんて事は、しなかったのに。






「あの人がロッカーを汚しているのを見たわ」


「悪口を言っていました」


「机に落書きをしてたわよ」


 なぜかヒロインへの虐めは起きていて、なおかつその犯人が私にされてしまった。


 私は、断じて何もしていないというのに。


 困ってオロオロしていたら、友人たちが私をかばってくれた。


「この人は、そんな事をする人じゃありません。私が仲間外れにされていた時、手をさしのべてくれた人なんですから」


「そうだよ。誰にも理解されない僕を理解してくれた、懐の広い人なんだから」


「口下手なわたくしをいつも気遣ってくれる人が、誰かに意地悪なんてできるはずがありませんわ」


 ものすごく自分勝手な理由でつるんでいた私にとっては、若干心が痛い。


 けれど、それで濡れ衣を着せられることは回避できたようだ。


 再調査の結果、ヒロインに嫌がらせをしていた真犯人があきらかになって、私は無事に悲惨な結末を回避できた。







 良かった。


 これで、シナリオの流れとか運命の修正力 におびえる日々から解放される。


 ほっとした私は、悪役の汚名を返上できたとばかりに思っていた。


 しかし、まだ苦難の道は続くようで。


「改心したなんて俺は騙されないぞ。きっと猫をかぶっているに違いない」


 新しい攻略対象が出てきて戦慄した。


 彼は本編後に発売されたファンディスクに登場する攻略対象だ。


 悪役だった過去の私ともきっちりかかわっているし、私はその時にきっちり迷惑をかけていた。


 それでもあえて、その存在に今まで目をつむっていたのはーー


「ファンディスクが二つあって、どっちもイフなんて、どうしてややこしいものを発売したのよ開発スタッフは!!」


 そういう事情があったからだ。


「ふん、おまえがかぶっている猫の皮は、俺がはいでやる!」


 とほほなことに、


 私の善人への道はまだまだ続くみたいだった。



ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

執筆の励みになります。


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