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たとえ世界が滅びても  作者: リオン
9/16

開始

「っ……ここは…?」


起きたら全てが白い部屋にいた。


「……手紙?」


白いテーブルの上に、唯一黒い封筒があり、目立つ。


「取り敢えず読むしかないな。」


~聖戦について~


今回の聖戦のルールを説明します。前回と同じですが、一応目を通してください。


・聖戦はもっともつながりのある男女で組み合わせます。本人の意思でもペアを組むことが出来ますが、合意がなければ組めません。


・この戦いは■■座標のずれた栄華市と栄耀高校で行っているので物を壊しても構いません。特に秘密もありません。


・武器は本人の実家、住居等から持ってきています。置いてあるのを自由に使ってください。


・なお、この部屋は自由に入れますが、今後はペアの方と一緒でないと入れません。入るときは武器と一緒に置いてあるカードに魔力を込めてください。非戦闘状態に限ります。


・部屋には1日12時間しか入れません。それを過ぎると強制的に外に出されます。


・初心者の方は左にある魔術書を読んでから行ってください。自分の属性も記載されています。


・ここで死ぬとは現実でも死ぬということです。死なないように気を付けましょう。


・魔神と3柱を決めるまでここからは出られません。食料は用意するので自分でどうにかしてください。


・魔神と3柱の決定方法は生き残った人間全員が合意することです。


・参加者は全員魔神になり得る可能性のある人間を選んでいます。


・それでは、魔神を目指してがんばってください。


「魔術書?武器?そんなもんなかった……はずなんだが…。」


あった。俺のすぐ左に魔術書が、壁に武器とカードがあった。


「……怖いな…。」


つまり、開催者……いるのか分からないけどそいつらはいつでも俺たちを殺せるって事だ……。デスゲームに近いな。


「さて、まずは武器の確認だ。」


もたついてても仕方がないからな。

声に出して行動すると、少しだけ勇気が出た。しかし、正直頭の中では整理がつかず、冷静とは言い難い。


「…………しかし日本刀ばかりだな。」


俺の実家は山奥にある目立たない剣術道場。剣道ではない。剣術だ。


だから、俺にとって剣道は少しやり辛い。


刀が簡単に折れないようにするために突きを基本にしてきた。だからあんまり剣道は好きではなかったのだが。


……まあそんなことを考えているときではないか…。


「ん?これなんかよさそうだな。」


ちょうどいい長さのを見つけたので何回か素振りして確かめ、それを腰に結わく。


「……一応小太刀も持っておくか。」


先ほどの半分くらいの長さの小太刀も腰にさす。


さて、次は魔術書だ。読まないと多分死ぬだろうな。


手に持って確認してみる。思ったよりページは多くない。


少年読書中。


「理解した。そして絶望した。」


俺の属性………草ってなに?


「まあ物は試しだ。」


術式を自分の中で構成する。そして発動。


「グレイスウィップ!」


別に名前ないけど適当に付けてみる……だめだ、恥ずかしいからやめよう。


刀を振ってそこへ蔓で追い討ちがかかる。切れ味は刀と同じくらいか。


その後、色々試したが遠距離用の魔術は上手く使えなかった。と言っても簡単なのしか接近戦用も使えないけど。


「………接近戦主体で戦うしかないな。」


まあ…バケモノみたいな運動神経を持っているのはいない……といいなぁ。


一抹の不安を感じながら外へ出る。


「お疲れ様です先輩。」


外に出て一声がそれだった。


「水蓮……お前とペアか?」


「そうですよ。嬉しくないですか?」


少し寂しそうに言う。


「まさか。俺は初心者だからな。頼りにしてるぜ相棒。」


「この“戦乙女”(ヴァルキュリア)に任せてください!」


「……二つ名?」


胸を張って言うけど、何その二つ名?


「要するに私は二つ名が付くくらい強いって事ですよ。」


「そうか。じゃあ俺もがんばらないとな。」


足を引っ張るわけにはいかないからな。


「さ、出よう。」


並んで扉から出る。ここはペア同士のエントランスみたいなものらしい。


「……ここは…学校?」


今、自分たちの教室の前の廊下にいる。ちなみに4階。


「飛ばされたところからスタートみたいですね。」


まあ学校だったら隠れる場所もあるし楽だからな。


「……先輩!伏せてください!」


水蓮に言われ伏せる。が。


「……何もないぞ?」


「ゆっくりと外見てください。」


廊下の窓からゆっくりと校庭を見る。


「……生徒会長と……留学生か?」


「サイアクです……あんなのが近くにいるなんて……。」


そんなにまずいのか?あっ!周りを10人くらいのおっさんとか子どもとかが包囲してる。


「気がつきましたか?」


「ああ、囲まれてるな…助けにいかないのか?」


「いく必要はないです。…もっともあの10人を助けたいなら別ですが。」

あの人数差で会長たちが勝つと?


「そうか……ん?始まったな…。」


「無謀ですね……。あの2人の二つ名は“虐殺”と“最強”です。勝てるわけないんですけどね。」


ベルが大斧を構える。3mはあろうかという巨大な斧だ。


二つ名からして怖いんだよな。


構えた斧を振り上げ、そのまま地面に叩きつける。


「うわっ!」


揺れがこっちまで伝わってくる。校庭を見ると隕石でも衝突したんじゃないか?というレベルで地面が割れている。


会長のところだけは地面が凍っているからなのか、まったく割れてない。


「あのレベルの攻撃にそれを受けて無事な氷を作りますか……。」


「…戦いたくないな。」


力の差を悟ったのか、仕掛けてきた奴らが校庭に向かって走る。校庭には山や森があるから多分それでやり過ごすのだろう。


もっとも、逃げ切れるかは分からないが。


「さて、今の内に逃げますよ。先輩。」


「ああ……。」


確かに逃げ切るなら今しかない。


「行こう。」


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