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たとえ世界が滅びても  作者: リオン
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生徒会長2

「見失った!」


尾行開始20分。幽を見失った。


「そもそも歩くのが早いのよ!」


帰ろうとも思ったが、門限まで時間があるので散策することにする。


現在、栄華市南部。住宅街である。


住宅街を歩いていると、少しずつ家が減り、田舎の景色になった。


東には山も近い。


「……あれ、こんなところに病院?」


そしてベルが見たのは大きな建物。上に栄華病院と書いてある大きい病院だ。


「ってあ!」


その病院に幽が入っていくのを見つけた。


「待ってよ!」


「どうした?ストーカーさん。」


固まる。


「気がついていたのね……。」


「ああ、分かりやすく気配も少しあったしな。」


はぁ…とため息。気配を消すのは自信があったんだけどなぁ。


「で、どうしてここに来たんだ?」


「散策してたらたどり着いたのよ。」


「そうか………まあいいか。ちょっと時間有るか?」


少し考えたようにして、幽が言う。


「どうしてもって言うなら。」


これを言ってベルははっとする。


そういいたかったわけではない。行きたい。けどどうしても反対の事を言ってしまう悪い癖。


「どうしてもだ。それと、このことは他言無用で頼む。」


「……分かったわよ。」


仕方ないわね、というしぐさで幽に付いて行く。実際ラッキー!と思っているのだが。





「着いた。ここだ。」


「ここって……病室?」


ベルは不思議に思い、プレートを見る。


「石鳴…麗?…ねえ、この苗字……。」


「多分お前の思っている通りだ。」


そう言って幽はドアをノックし、入るぞと言ってドアを開ける。


「あっ!お兄ちゃん。」


ベルが中に入って見たのはベッドに座って本を読む中学生くらいの少女。


どことなく、幽に似ている少女だ。


別に見た目が、ではない。黒髪黒目で、儚いようで、しっかりとしている感じがある。


何より幽に似ていると思ったのが眼。


形が幽に似ているわけではない。全てを見通しているような、そんな眼をしている。


「あれ?その人は……ついにお兄ちゃんにも彼女が出来たのです?」


「なっ!かの…!!?」


「麗、やめてあげろ。わかってるんだろ?」


クスクスと、悪戯が成功したかのような笑いをして。


「分かってるです。その感じだと今日あったばかりの留学生ってところです?」


「正解だ。」


ベルは感じたことが正解だったと思った。全部お見通しで、その上でからかったって事だろう。


「むぅ……。」


「ふてくされるな。俺の知り合いでここに来たのはお前が始めてなんだ。」


「え?私しか来たことないの?」


「ふふっ、お兄ちゃんは意外と疑い深い性格なのです。」


?どういうことだろう?


「俺について知っていることは?」


私の疑問に気がついたのか、幽が聞いてきた。


「何って……ああ、そういうことね。」


完璧すぎてねたまれることとか、妹をだしにして近づく女が居ると。


「あれ?私って意外と信用されてる?」


「意外っていうか、かなりです。お兄ちゃんが誰か連れてきたのは初めてです。」


「えっ!」


私が初めて?どうして出会ってすぐの私を?


「お兄ちゃんにとって…私もですが、信用できる人を見抜くのは簡単です。眼を見れば分かるです。」


ああ、そういうことなのね。


「それくらいでいいだろう。それよりベル。お前の国の話をしてくれ。」


「何処から来たですか?」


目が輝いている。これは色々話さないとね。



それから1時間ほど、私は麗ちゃんと幽に私が暮らしているドイツでのことを話した。


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