生徒会長1
その頃の生徒会長。
「さて、成田に着いたな。」
生徒会長である幽は留学生が来ると学園長に聞き、成田空港に来ていた。
学園長は金髪碧眼の美少女でボンキュッボンじゃ!と言っていたな。
写真を貰っていたので確認すると、確かに金髪碧眼だったし、スタイルもいい。可愛いと感じた。
が、幽は別に外見がどうとかで人を決めない。彼女にしたいとは別に思わなかった。
「ん?アレか?」
少し訝しげにそいつらを見て、呆れる。
「はぁ……。最近は物騒だな。」
空港の外で酔っ払いに絡まれていた。髪は少し長いくらいで、肩甲骨くらいまで伸ばしている。
出発元があったかかったのか、薄着で、少し寒そうにしている。
呆れながらも近づいていく。
「おい、そこの金髪。お前がベル=ムスペルだな?」
「いい加減どっか行きなさいよ!」
「かまわねぇだろ?それとそこの餓鬼。お前さんは呼んでねぇよ。」
イラッ……。
酔っ払いが絡んでいて会話できる状況じゃなかった。
まあ別にいいか。
と考え、幽はそんなことお構いなしに話しかける
「……栄耀高校生徒会会長だ。お前を迎えに来た。」
「それよりこいつらどうにかしてよ!さっきっから絡んできて……!」
日本語上手いな。
「というわけだ。何処へなり行ってくれないか?」
酔っ払いに注意したが。
「ああん?餓鬼!てめえがどっかに消えろよ!」
訂正。酔っ払いだけどやーさんだったらしい。
「注意はしたぞ?」
ゴスッと鈍い音。単純に鳩尾を殴っただけだけど。
「てめえら何してる!」
「兄貴!」
どうやらヤンキーリーダが出てきたようだ。
「兄貴、やっちゃってください!」
ヤンキーリーダは………一度会ったことがある奴だ。名前は知らないけど。
「っつ!なんて奴に手を出してるんだ!」
「へっ?」
「この方は我らが敵の城西組合を1人で潰した恐れ多き幽さんだぞ!」
ヤーさんはこの人が伝説の…!とか言ってるけど、まあどうでもいい。
「「「すいませんでした!」」」
ヤンキーリーダと共に皆さん帰っていった。
「はあ、で、お前がベル=ムスペルか?」
「そうよ。」
心なしか、ベルの顔が赤い。
「そうか、俺は栄耀高校生徒会会長の石鳴幽だ。幽とでも呼んでくれ。」
「そう。じゃあ幽と呼ばせてもらうわ。」
「そうか。さて、学校まで案内しよう。」
「ええ、お願いするわ。」
幽は気がついていた。表面上冷静にしているが、内心凄くパニくっていると。
まあ空港着いてすぐに絡まれたんじゃそうなるか…。
「そういえば、ベルは日本語上手いな。」
「そっそう?小学生の頃は日本に住んでいたからかしらね。」
「そうか。」
それっきり会話がなくなる。幽としては別に構わない状況だが、ベルとしては気まずいの一言に尽きる。
どっどうしよう!?あれ?私なんかしたのかしら!?と焦りまくりである。
気まずい状況のまま、電車に乗る。
そういえばかっこいいのよね……私のこと助けてくれたし…。
これは……恋!?
結構ちょろい女だった。
「さて、ここまでで大丈夫だったな。これが寮だ。近くに住んでるやつは利用してないけどな。形式的にあるようなものだから貸切みたいなものだ。門限とかは説明を読め。」
いつの間にか学校についていた。
「そう。ありがとう。」
ぼーっとしちゃったケド…道順は覚えたしいいわね。
「じゃあ俺は用事があるからこの辺で。」
「…ありがとう。」
幽がどこかに行くのを確認してからベルは幽を尾行することを決めた。
「……今は3時。門限は7時だったわね……さて、つけて行くわよ。」
幽の尾行が始まる……