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ヴァンゲンハイム家の魔術師  作者:
第8章 師匠の奇行
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8-11

 


 皆で豪華な朝食を食べた後、せっかくなので雪を見に行くことになり、防寒服を着てホテルから少し離れた新雪が積もる開けた場所に移動した。


 近くにはレストランが有るため、雪で遊んだあとはそこに行く予定だ。


 フワフワの雪に身体ごと突っ込んだ後、雪合戦を行い、今は雪だるまを製作中である。師匠方がボディー部分の下の玉をつくり、弟子達で顔部分の玉をつくった。


 お題は『我が師匠』である。つまり自分の師匠の雪像を作るのだ。


「どれが一番だと思いますか?」

「ララね。一目瞭然だわ」


 アルレット様に尋ねると、即答されてしまった。ララの作った雪だるまは、大きな雪の玉の上に、魔術で削られたアルレット様のお顔が乗っていた。確かに目や鼻、唇の形がとても美しい。


「ヘヘン。アルレット様にメイク習ってるんだもん。美的センスは私が一番だよ」

「サミュエル様はどう思います?」

「俺はティアナちゃんの作ったハインリヒに一票だ!ギャハハハハハ!!」


 私が作った雪だるまは、個人的にはとても良く出来ていると思うのだが、あの奇抜なセンスのサミュエル様が爆笑してしまう代物らしい。


「なんだこれは」

「ハインリヒ様です。上手に出来ましたよね?ね?」

「ね、じゃない!俺は魔物か?!何故鼻が頭頂部にある?」

「素敵でしょ。そっくり!」

「そっくりじゃない!」

「ぎゃはははは!!そっくりだぜ、ハインリヒ!!」


 ピクピクと眉を震わせるハインリヒ様はこれが自身の雪像だと認められないようだ。


 サミュエル様は腹を抱えて笑い続け、レナルドは彼の背中をさすっていた。アルレット様とララも笑いながら私の作品を見ていた。


 雪まみれになったあと、近くのレストランに移動して昼食をとり、他愛もない話で盛り上がる。


「今日で今年は最後の日だぜ?夜はみんなで一緒に居て年を越そうぜ!」

「楽しそうです!」


 サミュエル様の提案にララは目を輝かせた。夕食後、各自温泉を楽しんだあとに、サミュエル様のお部屋のリビングに集まることにした。


 ノエルには今日は真夜中まで他の人間がいるから魔力はまた明日の夜にね、と伝えると、無表情のまま頷いていたが、私には顔に「不服だ」と書いてあるように見えた。


 お風呂は女性限定の大浴場に行くことにした。ハインリヒ様の奇行の原因は理解したが、だからと言ってアレを二夜連続で耐える自信は全くないからだ。


 アレは、ハインリヒ様だけではない。私も少しおかしくなった。多分ハインリヒ様の色気に当てられたんだと思う。恐るべし美形のパワーである。



 夜の9時をまわり、サミュエル様のお部屋に行くとルームサービスの料理やお酒、お菓子、カードゲームやボードゲームまで準備してくれていた。


 6人でまずはカードゲームをしたが案の定レナルドは激弱でお話にならないため、ボードゲームに興じた。アルレット様の前で情けない姿を晒したレナルドは、ちょっぴり涙目だったが、ボードゲームの方は何とか人並みにこなしアルレット様に褒められると、鼻の下がビックリするぐらい伸びきってヘラヘラと笑っていた。


 師匠方はまたお酒を飲み始めていて、ハインリヒ様も楽しそうで私は安堵した。日頃のストレスもご友人と遊べばだいぶ解消されるだろう。ただでさえ真面目なのだから、旅先ぐらい思い切り楽しんで欲しかったのである。


 大いに盛り上がり何だかんだ楽しすぎて疲れてしまい、気がつくと私は眠りに落ちていた。



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