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ヴァンゲンハイム家の魔術師  作者:
第8章 師匠の奇行
73/139

8ー6

 


「ふわぁああ~、きもちいい~」


 大浴場に水着を来て入ると、先にララやレナルドが来ていた。


 温泉はいろんな色があって、透明なお湯、白、ラベンダー、黄色、淡緑など多種多様にたくさんあり、ひとつひとついい香りがする。


 興奮気味にあちこち入って満喫したあと、ララ達が先に入っていた白い温泉に入ると、最初は熱く感じだが、だんだんと心地よくなり、今はただ浴場に広がる湯気をボーと見ながら溶けるように浸かっていた。


「なんか、どうでも良くなるね」

「あー、死ぬまで浸かっていたい」

「死ぬ前に夕食は食べたいよー」

「楽しみだね~」


 とりとめのない会話を繰り返して宙を見つめていると、ララが突然大きな声を出した。


「まずい!」

「どうしたの?」

「アルレット様が······!」


 ララがお湯から出てパシャパシャと浴場を駆けていった先にあったものは、沢山の若い男性に囲まれてラベンダー色のお風呂に浸かるアルレット様だった。


 ララが迎えに行くと、アルレット様は男性達に見向きもせずに二人で脱衣所に向かっていった。


「さすがアルレット様····!まるでハーレムだったね!」

「ああああっ!出遅れた····!マティアスさんに代わってアルレット様を守ると誓ったのに!」

「何、泣いてんの」

「居なくなる前に一緒に入りたかった····!くそっ。お前らと入ってる場合じゃ無かった!」

「御愁傷様~」

「フン。冷たい奴だな。······おい、もうひとつハーレムが出来上がっているぞ」


 レナルドが指さした方向にいたのは、淡緑のお湯に浸かり、四方八方を若いお姉さま方に囲まれたハインリヒ様だった。


 夢気分だった私の頭の中は一気に地獄絵図と化し、私は温泉をザバっと上がり、ハインリヒさまの元に向かった。


「お兄さん、素敵ね」

「なんてひきしまった体かしら」

「それより本当に美しいお顔ね」


 私はハインリヒ様の後ろに立って見たものは、ベタベタとハインリヒ様の体に触る2人の女性と、逃げようと踠きながらも両手をしっかりと4人の女性に掴まれたハインリヒ様の姿だった。


「······うちの師匠に何やってるんですか、お姉さん方·····」


 かつてない程低い声が私の喉を通過する。


「え?あら、何あなた」

「彼は私達と入っているの。あなたみたいな貧弱なガキに用は無いわよ」

「子供は部屋のお風呂にはいって寝なさいな」


 ブチンと何かが弾け魔力がぶわっと体を巡り、その瞬間さっきまで湯気が上がっていた温泉が氷漬けの水風呂になった。


「きゃあああ!!何これ!!」

「冷たいわ!!」


 女性達がバシャバシャと温泉から上がり、やっとハインリヒ様もザバっと水から出てきた。


「ティアナ、助かっ······」

「風邪を引きます。各脱衣所の向こう側に性別分けされた温泉がありますから、そちらで入り直して暖まってください」


 プイっとそっぽを向いて言った。何でだろう、すごく胸がモヤモヤする


「先に部屋に戻ります」


 一方的に告げると私は女性用の脱衣所に向かった。



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