ぺなん・・・
「・・・というわけなのよぅ」
「なるほどな。ハルちゃん、いい旅だったじゃねぇか」
学園長の土産話だけで部活動の時間が終わってしまいました。話したくて仕方なかったのしょう。・・・半分ぐらいは旦那さんとの惚気というか夜の生活についてだった気がしますが。
「で、おみやげなんだけどぉ」
「ん?気を使わなくても今の土産話だけで充分だぞ?なあ、フユミ」
私はナツミちゃんの意見に同意します。なかなか聞ける話ではありませんから満足もしましたし。そもそもこの謎の怪獣人形貰ってますし。
「若いモンが遠慮しないのよぅ。はい、温泉まんじゅう。二人で分けてねぇ」
「お、定番!あんがとよ」
「ふふ・・・それからこれもなんだけど」
「・・・!?コレって!?」
「ふふ」
ナツミちゃんがわなわな震えています。手には・・・なんでしょう。大きめの三角形の布でしょうか?
「・・・まだ残っている店あったのかよ・・・」
「ふる~いせま~い小さな土産物屋にひっそりと置いてあったのよぅ」
「まさかペナントをこの目で見られるとは・・・」
「提灯とどっちにしようか迷ったけどこっちにしたわぁ」
「提灯もあったのかよ!?何その店!行きたい!」
ナツミちゃんはいままでに見たことないぐらい興奮していました。この部屋に飾るかという案も出ましたがあんな興奮するぐらい欲しがっている人がいるのにそれは無粋です。ナツミちゃんは私と学園長にお礼を言うと小躍りしながら駐輪場に行ってしまいました。ちゃんと安全運転で帰れるのでしょうか?心配です。
【ペナント】
高度経済成長期流行ったお土産。観光名所をあしらったものが多い。
住宅環境等の理由により現在はほとんど消滅した。