くろで・・・
「ねぇナツミさん」
「なんだハルちゃん」
おや?今日の学園長はちょっと真面目な感じです。
「一応ここも部活動の一環なわけだからお互いの連絡先ぐらい知っておいた方がいいと思うのぉ」
「あ。そういえばそういう初歩的なことをまだ交換してなかったな」
「フユミさんもいいかしらぁ」
もちろん私に異論はありません。
「家電でいいか?」
「どっちかといえば携帯とかスマホのほうがいいけど。連絡取り易いしぃ」
「悪ィな持ってねえんだ。この間ので分かる通りアタイ、ポケベルだしな」
「メールとかは大丈夫なのぉ?」
「パソコンは持ってっからそっちでよければ大丈夫だぜ。そっちのアドレスを教えとく。ただしメールチェックは一日何度もする方じゃないんで気づかんかったらメンゴな」
「そうなの?じゃ留守電とかに入れた方がいいかしらぁ?」
「悪ィな、それは無理」
「あらぁどうして?」
「アタイんち黒電話だし。留守電機能なんて便利なもんついてねぇよ」
「あらぁ!まだ現役なのぉ!?」
「おう現役だぜ。アタイんちのモットーは壊れるまで使うだかんな」
黒電話・・・昭和史でみたことがあります。過去の物というイメージしかありませんでしたが、使っている人がまだいるんですね。それが同級生とは思いませんでしたが。
【黒電話】
1970年代まで日本の家庭を席巻していた電話機。
端末設備自由化をうけて急速にその姿を消して行った。