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第84話 魔族の女の子は囚われの身になる。

簡単にはデレ無いキャラのつもりで


令和2年2月7日

誤字修正しました。ごめんなさい。

-双子の妹マリナ視点-


「くっ、殺せ!」

「そのセリフは悪魔が言うセリフじゃなくて女騎士とかなの」

「悪魔じゃない!魔族だ!」


似たようなものなの。


とりあえず、服を着せないと。

見た目は10歳くらいでつるぺただけど、お兄ちゃんには見せられないもの。


「『上級日用品召喚』!この子に拘束服を!」

「拘束服?」


ぽんっ!


ちゃんと出たの。

ちょっと日用品の幅が広すぎる気がするけど、気にしないの。


キャンティに着せ方を教えてもらって、服を着せて…。

両手両足が革紐で固定できるから、そこに転がしておいて尋問するの。


「『あなたは誰?あなたの世界はどんなところ?』」


お兄ちゃんがディアナ様に耳打ちして、それを命令として聞いてもらうの。


「『我は魔王に命じられてダンジョンの一つを管理している魔族シェリー・サブルダーク。我はアスゲルザーという世界に住んでいる』」


ダンジョンの管理者ということは、ダンジョンをクリアしたも同然なの!


「キャンティ」

「わかっているよ。情報を伝え終わったら、十分な褒章がもらえるそうだ」


やったの!

これでお兄ちゃんと子作…じゃなくて、舞闘会とか試験とかできるの!



-王女クリステラ視点-


魔族って結構可愛いらしいんですのね。


え?

可愛らしいからこんな怖い『戦闘服』を着せられているんですの?


なでなで


「なんだ?!どうして頭をなでる?!」

「本当は可愛い服を着たかったのですわね?」

「そんなもの必要ない!我は魔王様から信頼されてダンジョンを任された身なのだからな!」

「ケイト…いえ、マリナがいいかしら。お願いするわね」

「はい。『日用品召喚』!この子に似合う可愛らしい服!」


ぽん!


「あっ!」


わたくしは見逃しませんでしたわ。


この子が一瞬、笑顔になったのを。


「この服を着たいですの?」

「い、いらない!そんなものはいらないからな!」

「そうですの?じゃあ、このサイズは誰も着られないから捨てますわ」


シュン


「ああああっ!もったいない!あっ!」


つい本音が出たわね。


わたくしは異次元箱・・・・にしまっておいた・・・・・・・・服をもう一度取り出しますわ。


「捨ててないですわ。さて、ふふふ」

「な、何?」

「お母様」

「『今からこれに着替えなさい』」

「『はい』。え?ここでっ?!」

「ケイトは向こうを向いてなさい」

「はい」



下着から全部着替えさせましたわ。


頭の両側に少しねじれた角がある以外、わたくしたちと変わりませんの。


マリナとカリナは写真を撮りまくっていますわ。


着替える間も。


「何だその魔道具は?!」

「これを見るです」

「我の裸?!」

「この魔道具はこの世界全てにこの『絵』をばらまけるです」

「なっ?!」


そうですの?!


「(小声で)クリス様、嘘なの」


そうですわよね。


「もし逆らったら、自動的にばらまかれるよう設定したです」

「お、おのれっ!」

「命令もいつ破られるかわからないです。だからこれは『保険』なのです」


さすがカリナですわ。


さあ、あとはキリキリ白状してもらいますわ!



-主人公ケイト視点-


こうしてみると、結構可愛らしい子だな。

魔族だからか、髪も眼も黒くて、肌も浅黒い感じだ。


クリス様と同じ身長で10歳くらいに見えるけど、何歳なんだろ?


え?17歳?ひとつ下?

魔族は成長が人間の半分くらいだって?


それであのダンジョンは?


つながっている部分が最下層の10階で、あとは上に行くほど弱くなる?


おお、そんなモンスターまで!


これ、正攻法で正面から行ったら、最後に行くまでにかなりかかっただろうし、『戦闘服』を来たシェリーには勝てなかったかもしれないな。




「それで、この子はどうする?」

「管理局に引き渡すことになるだろうな」

「なっ?!」


管理局が何かは俺は説明してないから知らないだろうが、すごく嫌な予感がしたらしい。


「待て!我をぞんざいに扱うと魔王様が黙っておらぬぞ!すみやかに元の所へ帰すのだ!」

「『正直に言いなさい』」

「『このまま帰れないと魔王様に見捨てられてしまう!もし帰ったとしても攻撃魔法すら使えない相手に負けたとあってはダンジョンボスをクビにされて、人間との国境で下級魔族と同様に『国境を荒らして討伐される役』になってしまう!助けてくれ!』」


何だかかわいそうになってきたな。


「助けてほしいなら、きちんとそういうべきですわ」

「誰が!」


ちょっと脅そうかな?


「ここって平和そうに見えるけど、異端の人には厳しいんだぞ。『追放刑』になると、どこかわからないところに放り出されてのたれ死ぬらしいぞ」


死ぬのは冗談だが…本当に死にそうなところに追放されている可能性もあるんだよな。


「嫌だ!頼む!何でも言うことを聞くから助けてくれ!」

「キャンティ、褒賞ってどのくらいもらえますの?」


クリス様?


「…『特別資格』を最低でも10個だな。あと魔晶石が20万個くらいだ」

「それを半分、いえ、3分の1くらいにしてもかまいませんから、シェリーをもらいたいですわ」

「クリス様!」


さすが俺のご主人様だ!


「…ダンジョンがこの世界に来たのは事故らしいし、そちらから侵略するつもりはなかったらしいし、責任を持って管理できるなら構わないそうだ。その代わりに特別資格は5つ、魔晶石は10万個になるぞ」

「かまいませんわ。いいでしょう?お母様たち?」

「いいですわ」

「さすがクリスね」

「姉として誇らしい判断だわ」


みんな優しいな。


「我は助かったのか?」

「その代わり、ここで暮らすことになるけどいいか?」

「ここで?」

「もう帰れないのだろう?」

「う、うむ。それならせめて私物を取りに行きたいのだが」


私物?


服とか身の回りの物だって?


「ケイト」


クリス様が俺に魔晶石を10個渡してくれる。


「『超越日用品召喚』!シェリーの私物一式を俺の異次元箱へ!


これならでかくても多くても大丈夫だ。


「な、なんで男の異次元箱に!」

「何でって、異次元箱の大きさが大きいからな」

「お前、異次元箱に入れた物とかがわかるのだろ?我の下着とか全部把握したのだろう?!」


いや、この異次元箱って中身はわからないんだよな。


「何もわからないから大丈夫だよ。俺は見ないようにするからあとでマリナたちと一緒に整理すればいい」

「ううう…男の異次元箱に我の下着が…」


すごく落ち込んでるな。




-王女クリステラ視点-


せっかく舞闘会の駒を鍛えましたのに、出番が無くなりましたの。

でも、あの武器は威力がありすぎて危険ですから、使いどころが難しいですわね。


「ケイト!」


お母様の領地からシェリーが来ましたわ。


シェリーは今後お母様の領地に住みますのよ。


「私物が足りないぞ!」

「日用品じゃないものがあったんだな。でも、さっきディアナ様に出してもらうって言ってなかった?」

「うまく出ないからだしてくれ!」

「仕方ないなあ」

「ちょっと待つです」


あれ?いつの間にかシェリーの背後にカリナが?


「せっかく可愛いのに、その話し方で台無しなのです」

「仕方ないだろ!ずっとあの格好で怖い魔族を演じていたらそうなったんだからさ」

「駄目です。ここではシェリーは一番下なのです。それをわからせます」

「クリス、借りるわね」


シェリーがカリナとサフィ姉さまに連行されていく。

大丈夫かな?



-王女クリステラ視点-


忙しい1日でしたわ。


もうお風呂に入る時間…は過ぎてしまっていますわね。

でも、お風呂には毎日入りたいですわ。


「ケイト、食事は手早く食べられるものにして、お風呂はいつも通りに入りますわよ」

「わかりました」


さあ、お風呂でケイトに頭を洗ってもらいますわ!



-主人公ケイト視点-


夜ご飯も終わって眠る時間。


ぴろん


クリス『どう?連絡行った?』

ケイト『来てますよ』


クリス様たちには『内蔵品メッセンジャー』を渡してある。

文字メッセージだけをやり取りできるラインの劣化版みたいなものだ。


ガラケーにしたらと思ったのだが、写真が撮れるとわかるのは、撮っていたことがバレるからまずいとマリナ達に言われた。


クリス『眠くなるまで、これで話してていいかしら?』

ケイト『いいですよ』

クリス『ケイト、いつもありがとう』


クリス様?!


クリス『言葉で言いにくくても、これなら言えますわ』


クリス様…。


ケイト『ありがとうございます』


あれ?返事が無い。


すーすーすー


あっ、もう寝てる。


でも、嬉しいな。


俺も寝るか…。



-魔族シェリー視点-


「良くできました。では、寝ましょう」


やっと寝られるのか!

いや、寝られるのじゃ・・・


口調を治すのにこんなに厳しくされるなんて思わなかったのじゃ。


我…ではなくて、わらわと言えとかどうしてなのじゃ?


『わらわのじゃロリは至高の組み合わせです』

とかよくわからないことを言うし。


でも、カリナ…様に逆らったらただでは済まないということだけはわかったのじゃ。


「明日は実践編です」


まだやるのっ?!


でも、あの衣装・・・・を着られるならいいかな?




-主人公ケイト視点-


ふああ。


朝だ。


クリス様は俺の上でぐっすり寝ている。


ぎゅっ。


少しだけ抱きしめる力を強くする。


クリス様…離れませんからね。


コンコンコン


あれ?朝から誰だろう?


「ん?ケイトおはよう。誰かしらね?」


クリス様が立ち上がって扉を開くと、そこにはカリナの姿が。


「クリス様、シェリーを『教育』したいので、おにいを貸してほしいです」

「ケイトを?」

「おにいは異世界のこととか詳しいから、シェリーの話がわかるです。シェリーもおにいの言うことなら聞くと思うです」

「そういうことでしたら、午前中だけでいいかしら?ケイト。朝ごはん食べたら、一緒にルビィアを見に行って、それからサフィ姉さまのところに行きなさい。その間、わたくしはお母様と一緒に居ますわ」


離れないと思ってた矢先にこうか。


まあいいやお隣に行くだけだからな。





朝食が終わって、ルビィアの面倒をディアナ様とみて、それからサフィ姉さまの領地に行く。


領地に入ったら、誰も居ない。


いや、目の前に共用扉がある。


そこから出てくるんだな。


一体、何が出てくるんだ?


ガラッ


扉が開くと、そこにはメイド服に身を包んだサフィ姉さまとシェリーが居た。


「「お帰りなさいませ、ご主人様」」


…メイド喫茶?

お読みいただきありがとうございます。

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次回も明日、2月6日18時更新です。

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