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第83話 ドS王女様たちはボスと戦う

必殺技が…


令和2年2月6日

『撤去』についての説明を追記。

-王女クリステラ視点-


ケイトが戻ってくる前に『管理局特別扉』が閉まって消えてしまいましたわ!


「お母様!すぐに扉を呼び出して!」

「わかったわ!」

「待つです!おにいはまだ大丈夫です!」

「どうしてわかるの?」

「それは、おにいとカリナとマリナには特別な通信手段があるです!それでおにいは『とりあえず無事だから、しばらく待ってくれ』と言ってきてるです!」


特別な通信手段って何かしら?

それよりもケイトが無事だとわかるだけでもいいわ。


「それって内蔵品なの?」

「そうです。でも、おにいを怒らないでほしいです!これはカリナたちが3人だけの秘密にしようって言ったです!」

「そんなことは些細なことですわ!それより状況を教えてほしいですの」


ケイト、あの恐ろしい相手に、いったい何をするつもりですの?


「…え?」

「…うそ?」


カリナとマリナが固まっている。


「どうしましたの?」

「いきなり強い相手が出てきた理由がわかったの!ダンジョンの『奥』とこの世界がつながっていたの!」


つまり、最初から一番強い相手が出てきたってことですの?!



-ダンジョンボス、サブルダーク視点-


時空震があって、我のダンジョンの一部がどこかの世界とつながったようだが…まさかこんな建物につながっていたとはな。


それになんだこの男は?

このように貧弱な男が我のダンジョンを調べようとしていたのか?


「『看破』うごっ!」


な、なんだ?

我の魔力が暴発しただと?

くっ、胸に少し傷ができたではないか。


こいつの仕業か?

何もしたそぶりはない…つまり自動的な防御能力?


「貴様、ここは何という世界だ?そして、先ほどの魔法をどうやって防いだ?」

「あ…あの…」

「もういい。貴様を我の奴隷にしてやるわ!『支配の眼ドミネーション・アイ』!」

「ああああっ!」


ふっ。

どんな人や亜人、たとえ魔族であろうとも、我のこの力からは逃れられん。


「洗いざらい話してもらうぞ!」



-主人公ケイト視点-


とりあえずいきなり殺されないだけでも良かった。


まず情報だけは集めたいから、それまでは生かされているってことだ。


なんとか引き延ばして、脱出の機会を、いや、反撃の機会を探さないと。


幸い『内蔵型スマホ』は使えるみたいだ。

これで、マリナやカリナと連絡を取っておこう。


「貴様、ここは何という世界だ?そして、先ほどの魔法をどうやって防いだ?」


魔法を防いだ?

そういえば、さっき悪魔の胸元で小さな爆発が起きたな。


もしかして、この世界での禁呪でも使ったのだろうか?


「あ…あの…」


言うべきか…少し捻じ曲げて言うほうがいいか?

真実を見抜く相手だと困るな。


「もういい。貴様を我の奴隷にしてやるわ!『支配の眼ドミネーション・アイ』!」

「ああああっ!」


悪魔の目が真っ赤に光り、俺はそれを見て体が動かなくなった。


「さあ、『この世界とは何か。貴様は誰か。何のために我のダンジョンに偵察用の魔道具を送り込んだのか言え』」

「『はい』」


これって『領主の命令』と同じだ!

くうっ!逆らえない!



-ダンジョンボス、サブルダーク視点-


「『この世界のことは良く知りません』」


なんだと?!


「『俺は異世界からここに来たので、詳しくありません』」


そういうことか。

しかし異世界人だと?


我の世界では勇者が異世界人だった場合はとにかく逃げろと言われているが、こいつはとても勇者って感じではないな。


「『この世界には多くの制約があり、それに逆らって魔法を使うと爆発することがあります』」


さっきのはそれか。


「どういう魔法が使えないのだ?」

「『人物のステータスを見る魔法は使えません。あと危険な魔法の多くが使えないと思います』」


それでは攻撃魔法も使えないということか?


試してみたいが、さっきみたいに爆発しても困る。


いや、コイツに使わせてみよう。


「おい、『これを持て』」

「『はい』」

「これは炎を撃ち出す魔道具だ。『炎よ!』と言えば火の玉が出る。『我に向けずに撃ってみろ』」

「『はい』」



-主人公ケイト視点-


まずいっ!

もしかなり威力のある魔法なら、腕とか吹き飛ぶぞ!


ああっ!勝手に口と体が動く!


「『炎よ!』」


ぼんっ!


杖の先が爆発し、杖は壊れなかったが、俺は勢いでひっくり返った。


ガン!


あっ、意識が…。



-ダンジョンボス、サブルダーク視点-


何だコイツ。


あの程度の爆発でひっくり返って頭をぶつけて気絶するとか、弱いにもほどがあるだろ。


少なくとも恐ろしい敵ということは無いな。


叩き起こしたいところだが、むしろチャンスだ。


こいつを縛り上げて目隠しをしておいて、今のうちに『脱ぐ』とするか。



「ふう。やっぱりこの『戦闘服』は暑いわ」


我はダンジョンのボスであるシェリー・サブルダーク。

女性だ。


しかし、『そんな可愛らしいボスなんているか!』と上司に言われ、こんな薄気味悪い『戦闘服』を着せられている。


これを着るだけで戦闘能力が上がり、色々便利な機能もあるのだが…問題がいくつかある。


まず、暑い。暑苦しい。

30分着ていると汗だくになる。


自分に『冷気』の魔法を使っているくらいだ。

しかし『冷気』の魔法はもしかすると攻撃魔法とされて暴発するかもしれないので今は使えない。


そしてもう一つの問題。


トイレに行けない。


以前異世界出身ではない勇者と戦ったあとでトイレが間に合わなくて…戦闘服を汚してしまったことがある。


うん〇のほうじゃじゃないからな!


「この部屋は…完全に閉鎖されているだと?ならば『空間操作』で…ぬ?何の扉だ?」


現れた扉を開けると、どうやら脱衣所のようだ。

奥には風呂も見える。


丁度汗をかいたし、ここで汗を流すか。


それよりトイレだ。


『空間操作』はその空間につながっていたことがある部分を探してつなぐ魔法。


よし!トイレが出た!



-主人公ケイト視点-


トイレに行ったみたいだな。


しかし驚いたな。

あんなに可愛らしい女の子が中に入っていたなんて。


角とか生えているから魔族とかなんだろうけど。


目隠しされて動けないけど、内蔵型スマホは目をつぶっていても画像が映るんだよな。


一応、写真をマリナ達に送っておいてと。


あっ、戻ってきた。


「目が覚めたか?」


あっ、声が悪魔っぽい声に戻ってる。

魔法で声を変えられるのかな?


「はい」

「『しばらくそのまま動くな。じっとしていろ』」

「はい」


あっ、お風呂に行ったぞ。




出てきたみたい…うわっ!


ディアナ様と同じ裸族?!


とにかくこのまま待とう。



-ダンジョンボス、サブルダーク視点-


なかなかいい風呂だったな。


こんな男と同じ空間に居たくはないが、お風呂のの空間は時間が経つと閉鎖されてしまうようなので仕方が無いな。


それにしてもここはいったいどういう世界なのだ?


この格好のままでも見られなければ問題ないだろう。

尋問を続けるか。


「『この世界はどうして部屋が隔離されている?』」

「『この世界は王国がとても狭く…』」


何?

何だと?!


そのような作りになっているのか!


まさかそんな狭いところで暮らしているとは…。


我もダンジョンの一室しか与えられず、いつか広い世界に出てみたいと思っていたが、まさかこんな狭っくるしい世界に来てしまうとは。


それで?


お風呂とかトイレの使用時間も決められている?


ふむ

ふむ

なるほど。


何っ?!


この世界ではうん〇やおな〇が出ないだと!?


…便意が無いからわからないが、もしそうだとしたらいい世界かもしれないな。



よし、ある程度はわかった。


『空間操作』でさっき逃げた奴らを追いかけるぞ!



-主人公ケイト視点-


全部じゃないけど、色々話しちゃったな。


でも、一番知られたくないことは知られずに済んだ。


これさえうまくいけば逆転も可能だ。


マリナ達に連絡しておいてと。


「扉が開いたら貴様もついてこい」


元通り悪魔の『服』を着た女の子がそう言うと、何かを始めた。


さっきトイレの扉を無理やり出現させたみたいにするのか。


でも、うっかり他の国に開かないように、こちらから扉を出してもらうように頼んである。


「よし!出たな!」


ガラッ


「ん?誰も居ないぞ?しかし、本当に狭いな」


扉の続いた先はエメル姉さまの領地。

そこにしたのには訳がある。


「『ついてこい』」

「『はい』」


目隠しと足の拘束を外された俺は、悪魔の女の子のあとに付いていく。



-双子の妹カリナ視点-


「おにいから連絡です!今です!」


エメル姉さまとディアナ様が扉を開けて敵のいるエメル姉さまの領地に入っていくです。


「貴様ら?!『束縛バインド』!」


黒いロープのようなものが二人に絡みついていくです。でも!


「『命令に従え!動くな!この魔法を解け!』」


エメル姉さまの命令で魔法が解かれ…ないです!


「『支配』の魔法か?しかし我には効かぬ!」

「『撤去』よ!」


舞闘会用駒に乗り移っているクリス様がこっそり近づいて『悪魔の服』を『撤去』すると、中から角の生えた女の子が転がり出てきたです。


撤去した物は『舞闘会管理室』に送られるけど、普段はディアナ様の領地が『舞闘会管理室』になってるからそこに『悪魔の服』が転送されたはず。


だからエメル姉さまの領地に来させたです。


「『命令に従いなさい!抵抗しないで!この魔法を解きなさい!』」

「『はい』。くうっ!」


ディアナ様の『女王の命令』で魔法が解けた!

やっぱりあの服が邪魔をしていたのです!

それに、エメル姉さまより強い命令だからこそきちんと効いたですね。


あと、おにいには目隠しをするです。

どうして『悪魔の服』が脱げたら全裸です?


どうせおにいは内蔵型スマホで見えるですけど、見えていないことにしないといけないです。


それと内蔵型スマホではなく『メール専用スマホ』だって嘘をついたから、写真が取れるとか、自撮りで前から見えるとかは知られないほうがいいです。


「くっ、殺せ!」


強がっても無駄です。


今から楽しい尋問おしおきタイムです。

お読みいただきありがとうございます。

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次回も明日、2月5日18時更新です。

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