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第82話 ドS王女様はダンジョンに挑む(調査編)

いきなり

-王女クリステラ視点-


切り裂くことができても、大量の返り血を浴びては駄目ですの。


もっと素早く動き回らなくてはいけませんわね!


「クリス様、行きます!」


ケイトがわたくしに水玉風船を投げてきますわ。


わたくしは、それを切り裂きつつかわすという訓練をしますの。


ざしゅ!べしゃ!


また濡れてしまいましたわ!




何度も何度も練習しましたけど、これは難しいですわ。


先が思いやられますの。


「クリス様。いっそ、大量に駒を召喚しませんか?」

「大量に?」

「100体くらいで。それなら、きっと女戦士も出て強化されますよ」


もったいない気もしますけど、いい考えですわ。

さっそくお母様に相談しますの。



-主人公ケイト視点-


「いいですわよ」


そう言って、目の前には1000個もの魔晶石が。


全員で駒を召喚して、パワーアップを目指すことになった。


「俺は『タンク』を集中してやってみます。それならたまに『レオパルドタンクマン』が出るだろうし、タンク役はきっと必要ですから」


返り血以外にもいろんな攻撃を防いでくれるだろうしな。


おのおのが色々な駒を召喚する。




「出たわっ!女戦士!」

「ケイト!レアよ!これはいいですわ!」



そして魔晶石が残り少なくなったころ。



ピカッ!


俺の召喚した『それ』が光り輝いていた。


レオパルドタンクマンをRからSRにして、タンク役の駒も十分出してから、俺は別の召喚を試していた。


『SR武器・エクストラカリバーン』


名前がちょっとおしいけど、SRの武器だ!


そう、俺は強力な武器を出せないか試していて、ついにSRの武器を出すことに成功したんだ!


「クリス様!これを使ってください!」

「まず普通に斬ってみますわ」



クリス様が振りかぶって斬り下ろすと、サンドバッグが大きく切り裂かれた。


触れてもいないのにサンドバッグの上から下まで斬られている。


もちろん、中に詰まっている布とかウレタンがはみ出てきたので『日用品修繕』で補修する。


「すごいですわ!次は必殺技スペシャルを!」

「やめてください!修理できないくらい粉々になっちゃいます!」

「おにい。たぶん上級や特級ならできるです」


カリナの言うとおりかな?


「じゃあ、試しましょう」

「わかりましたわ!『十字斬撃クロススラッシュ』!」


バシュウウッ!!


すごい音がして、サンドバッグが完全に十文字に切り裂かれた。

『芯』の部分が見えているけど、それは斬れなかったみたいだな。


そして、クリス様はサンドバッグの内容物である布やウレタンに埋まったので救出した。

あっ、駒だけど胸って柔らかいんだな。


掘り出したから仕方なく触れただけだからねっ!


「『上級日用品修繕』!…直らないな。『特級日用品修繕』!おお!」


まさに魔法のように散らばった内容物も含めて元の形に戻る。


「これで切り裂いてよける練習をしますわ!」


大丈夫かな?


「それとケイト」

「はい」

「さっき、胸を触りましたわね?」


ばれてる!?


「掘り出したときに偶然…」

「後でお仕置きですわ。あと、次からは修繕を先にするといいですわそれなら勝手に出てこられますの。それに急がなくても布くらいでつぶれたりしませんの」

「それならいいですけど」


確かに総重量は重いけど、散らかっている部分は軽いもの多いんだよな。


「『十字斬撃クロススラッシュ』!」


バシュウウッ!!


おお!

そして埋まる…そんなすぐには無理だよな。


「『特級日用品修繕』!よし直った!クリス様…あれ?」


クリス様が居ない?


『ここですの!』


どこかから声がする?


まさか!



-王女クリステラ視点-


降ってきた布を握っていたせいで修繕された時に一緒に中に取り込まれてしまいましたの!


『クリス様!今助けます!』


ふふっ。

慌てなくてもいいのよケイト。


わたくしは自力でここから脱出できますのよ!


「ケイト、離れていなさい!『百花繚乱斬ハンドレッドスラッシュ』!」


シュバババババババッ!!

シュバババババババッ!!

シュバババババババッ!!


さすがすごい剣ですわね。

あっという間に周りが斬り裂かれて、脱出に成功しましたの。


成功…こんなに高い位置でしたのっ?!


「ケイトっ!」

「クリス様!」


落ちていくわたくしをケイトが飛び込むようにして受け止めてくれますわ。


もにゅん


胸とお尻を触ったのは事故ということにしておきますわよ。



-主人公ケイト視点-


危ない危ない。


その技危なすぎるだろ。


それに…柔らかかった…全身握っちゃったよ。


あとでお仕置きが怖いな。

…少し楽しみかも。



-王女エメラルディ視点-


私やサフィも良い武器を出してもらって、すごくパワーアップできたわ。


でも、安全の保障が無い場所だから、慎重に行くべきよね。


「まずは魔導カメラだけで調査。扉とかが『ノブ』のついているものだと駒では開けらないから、壊して進むことになりそうね」

「それなら『撤去』でドアを無くせばいいの」


えっ?そんなことできるの?


「領地に関するものと舞闘会に関するものは撤去できないけど、それ以外の『物』はできるかもしれないの」

「それって、壁にくっついているドアでもいいのかしら?例えば服なら着ていると異次元箱やゴミ箱に入りませんわよ」


そもそも撤去したものは舞闘会の主催者であるお母様の領地に出現しますの。


「あんまり大きな扉は撤去できないかもしれないわよ」

「もしできたなら、すぐに俺が異次元箱に仕舞いますね」


とりあえず、撤去できるか試さないといけないわね。


「お母様、舞闘会の設定はこの共用室でもできるのかしら?」

「ここを『舞闘会管理室』にすればいいわ。それなら撤去したものはここに来ますわよ」


お母様に『舞闘会管理室』をここにしてもらって…


「『撤去』!…共用扉は無理ですわね」

「きっと領地の一部みたいなものなの」

「じゃあこっちね。『撤去』!」


シュン


「できたわ!」

「わああああっ!」


ケイトのズボンだけ撤去できたわ!

…しまった、ついやってしまったわ。


「ケイト、ごめんなさい。女性の服を脱がすわけにはいかなくって」

「いえ、いいですよ」


ケイトったら優しいのね。


この埋め合わせはしてあげないと。

キスでいいのかしら?

でも、それって埋め合わせというより、私が嬉し…。





-王女クリステラ視点-


色々準備ができましたわ。


いよいよダンジョンに出発しますの。


ちょっと怖いですけど、それ以上に『ケイトを人にできる』って目標があるから頑張れますの。


それに、少し楽しみでもありますのよ。


こんな刺激的なこと、なかなかありませんもの。



『管理局特別扉』から入って『準備室』に入りましたの。


この準備室、すごく広いですわ!

わたくしたちの王国くらいありますの!


「ここを『舞闘会管理室』にして、まず魔導カメラだけ先行させましょう」


ふよふよふよ。


お母様が操る魔導カメラが宙を飛んでいきますの。


『準備室』からダンジョンまで扉は2枚ありますの。

これで、万が一何かがこちらに来そうになっても大丈夫ですわ。



「扉は俺が開けますね」


ケイトが慎重に扉を少しだけ開けて、そこに魔導カメラが入っていきますの。



その映像が『準備室』を『舞闘会管理室』にしたことで空中に映し出されますのよ。



-主人公ケイト視点-


ダンジョン内は結構明るいみたいだ。

そして、どうやら洞窟っぽい作りのダンジョンだ。


モンスターは…今のところ居ない。


「どのくらい飛べるんですか?」

「こんな遠くまで飛ばしたことありませんからわかりませんわ」


どんどん進んでいくと…扉があった。


木の扉?

だけど、結構彫り物がある綺麗な扉だな。


『誰だ?!』


すごく低い恐ろしげな声がした。


ドアが開いて悪魔のような者が姿を見せる。


『これは魔道具か?』


あっ!カメラが捕獲された!


「まずい!キャンティ!ここをダンジョンから隔離して!」

「わかった!」


あれは雑魚じゃない。

雰囲気からしてボスクラス。


こちらに来られたら勝ち目がないのは明白だった。


ガン!ガン!


閉めたはずの扉に衝撃が来る。


「ダンジョンとは隔絶したはず!」


キャンティはそう言うが、相手はこことつなぐくらいのことができるということか。


「みんな早く逃げて!」


俺は押し出すように準備室から全員を押し出し…後ろから肩を掴まれた。


「貴様か。こんなオモチャを送り込んだのは」


振り向くと、先ほどの悪魔が立っていた。


身長2m以上あろうかという悪魔だった。


ああああ…。


俺は腰を抜かしながらも、みんなの逃げた扉を閉めた。


そして『管理局特別扉』は消えるように無くなった。


「貴様だけ置き去りにされたようだな。ふっふっふっふ。さあ、色々聞かせてもらうぞ」


そう言ってその悪魔は恐ろしげな笑みを浮かべたのだった。

お読みいただきありがとうございます。

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次回も明日、2月4日18時更新です。

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