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第80話 下僕の耳掃除 その2

ミル○ーはまあまあの味


令和2年2月12日

言い回し修正しました。

-王女エメラルディ視点-


「じゃあ、どちらから?」

「私からでいいかしら?」

「じゃあ『エメル、ケイトの命令に従いなさい』」

「えっ?!何その命令?!」


お母様!どうしてそんなことを?!


「だって、わたくしはサフィと向こうに行きますのよ。エメルも二人っきりのほうが気兼ねなくできるわよ。クリスは寝てるから気にしなくていいわ」

「でも」


私の言葉をスルーして立ち去るお母様とサフィ。


「じゃあお願いするわ。言うこと聞くからって、変なことしないでよ?」

「うん。とりあえず、『膝の上に頭を乗せて、耳掃除の間は動かないでね』」

「それだけ?」

「うん」


こすこす


「はうっ」

「痛い?」

「ううん、痛くないし、何だか心地よいわ」

「それなら続けるね」


こすこすこす

こすこすこす

こすこすこす

こりこりこり

こりこりこり


「ひゃう、あ、これなのね。あああ、これ、だめ、待って、駄目になる奴よこれ。わかるの、お願い、お兄ちゃん。待って」

「やめたい?」

「うん。これは絶対に駄目。だって、だって、あうう。ごめんね。せっかくお兄ちゃんがしてくれたのに」


わかるのよ。

これを続けたら、きっとおかしくなっちゃう。

ここでやめるべきだわ。


「そっか残念だな。あとで『エメルおねえちゃん』にもしてほしかったのに」


え?私に耳掃除をしてほしいって?ケイトが?


そっか。私がお兄ちゃんにしてもらって、それから私がお姉ちゃんとしてケイトにしてあげて。


二人がお互いを気持ち良くできるなんて、私たちしかできないわね。


「やっぱりやって。お兄ちゃん」

「わかった」


こすこす

こりこり

かりかり


「ん、んん、んんっ、んんんっ」


声を出さないように我慢して…


「エメル、大丈夫?」

「うん」


あんまり大丈夫じゃないわ。


『みょぎりんこ』とかならないからエッチなことじゃないのはわかるけど、これはエッチなことよりもすごいかもしれないわ。


「ん、んん、んーっ!」

「はい、終わったよ」

「はあ、はあ。ありがとう。お兄ちゃん」


ようやく終わったのね。


「じゃあ、『反対向いて動かないでね』」


くるっ


「ああっ!」


またされてしまう!

同じだけのことを!


でも…いいかも。





やっと終わったわ。


なんとか変な声を上げずに済んだの。


さあ、ケイトの番よ。


「エメルおねえちゃん、お願いね」

「任せて」


人の耳の中をこんな棒でこするって、ちょっと怖いけど…。


こり


「うっ」

「痛かった?」

「うん、ちょっとだけ」


もっと弱くね。


こそこそこそ


「どうかしら?」

「うん、気持ちいいよ」

「そう?じゃあ、このくらいでやるわね」



私が耳の中をこすると、ケイトの目がとろーんとしていって、すごく気持ちよさそう。


姉冥利に尽きるわね。


これで両方終わりだわ。


ふふっ、ケイトったら気持ち良くって寝ちゃいそうね。


「エメルおねえちゃん?おしまい?」

「ええ」

「じゃあ、『あとはエメルおねえちゃんの好きにして』」


え?


ちょっと、それ、命令なの?


あ、ああっ!

だめっ!

体が勝手に!


体が勝手に、私がしたいことをしてしまう!



-主人公ケイト視点-


ああ、気持ち良かったあ。

エメルおねえちゃん上手だったなあ。


んー。このまま膝枕で寝たいくらい。


でもディアナ様とサフィ姉さまが待ってるから、もう帰ってもらおう。

領主の命令の切り方ってどうするんだろ?

こうかな?


「じゃあ、『あとはエメルおねえちゃんの好きにして』」


これで自由に動けるよね。


え?

え?

エメルおねえちゃん?


どうして顔を近づけてくるの?


「ケイト、おねえちゃんからのキスよ」


ちゅううっ


これは姉弟のキスじゃないと思うけど!


「今度は、お兄ちゃんからして」


え?


「ふふっ、ずっとキスしていたいの。好きにしていいのよね。ずっとケイトと一緒に居たいの」


ちょっ!命令が違う意味になってる?!


いやある意味正しいのか。


俺とずっと一緒に居たいとか嬉しいけど…。


「『エメル、命令は解除で』」

「…あっ!その、ごめんなさい。ずっととか嘘だからね」

「ううん、嬉しかったから」

「そう?そっか。うん、じゃあ嘘ってのも嘘。でもね、クリスから取らないから、こうやって時々甘えさせて」

「うん、俺もおねえちゃんに甘えるからね」

「ケイト、大好きよ」


え?


「ふふっ、サフィと代わるわ」


今のって、

姉弟として?

それとも…



-王女エメラルディ視点-


「サフィ、交代よ」

「はーい」


足取り軽いわね。


それにしても…


私ったらなんてことを言ってるの!


ずっと一緒に居たいって言って、嘘って言って、

それを否定して、

大好きって


ああんもう!


「エメル姉さま、何をくねくねしてるです?」


あっ!まだカリナが居たのね!


「耳かきでそこまで気持ち良くなるです?身も心も落とされたです?」

「そ、そういうわけじゃないのよ」

「ところでディアナ様から聞いたのですけど…」


え?ケイトが『特別資格』を取れる試験がある?

でも、失敗すると『追放刑』?!


「万が一のことを考えると試験は受けないほうがいいです」

「そうね」

「マリナにも伝えてほしいです」

「それなら一緒に行かない?一人でいるのは暇でしょう?」

「わかったです」


私もケイトと離れたくなんてないわ。

おねえちゃんとして、ケイトを守らないと!



-王女サファイラ視点-


「じゃあ、サフィも『ケイトの命令に従ってね』」

「はい」

「あら、嫌がらないのね」

「従順な妹ですから」

「いいことですわ。じゃあ、見ててもいいかしら?」

「だめ」


お母様ったら残念そうに退出していったわ。

でも、寝ているクリスも気になるのよねえ。


「ケイトお兄さん、あの」

「うん。大丈夫」


あっ、今通じた気がした。


クリスに気づかれないようにそっとしようって。


こりこり

こすこす

かりかり


ああ、すごく気持ちいい。

すごいなあ。これが耳掃除なんだね。


「ん、あう」


はあ、こんなの、声を出さないとか無理。


「待って。ちょっとボクの領地行ってやって。カリナ様にはどこかで待っててもらうから」


ボクは立ち上がって自分の領地に戻ると、カリナ様が居ない。

どこかに行ったみたい。


「ケイトお兄さん。こっちでしよう」

「そうだね」

「ふふ、カギをかけたよ」

「サフィはいけない子だな」

「うん、いけない子なの。だから、ね」

「ああ、わかってる」




すごく恥ずかしい。

思いっきり声出しちゃった。


でも、そんな声を聴きながら、ケイトお兄さんはすごくやさしくて。

耳掃除だけじゃなくて、時々髪も撫でてくれるの。


「はい、終わったよ」

「お兄さん、何でも命令できるんだよ。命令しないの?」

「何でも?」

「うん。『みょぎりんこ』なことでもいいよ」

「ディアナ様を待たせているから、もっと別の時にしよう」

「お願い、何かお兄さんのためにさせて。ボクに命令してほしいの」



-主人公ケイト視点-


そんな綺麗な瞳で頼むなんて反則だよ。


してほしいことなんて『みょぎりんこ』じゃないことでもいっぱいあるんだから。


「それなら…をしてくれる?」

「え?そんなこと?それに、命令として言わないの?」

「命令しなくてもしてくれるよね?」

「うん。でも、お兄さんからボクに命令してほしいの」


そうなんだ。


「『この前ショッピングで買った服を着て、『ご主人様…とか何とか言って』」


さすがにその先は言えないや。


「わかった」


しゅる。


着替え始めるサフィ。


眼をそらして


「『ケイト、目をそらさないで。この命令を打ち消さないで』」


ええっ?!そっか、ここはサフィの領地だから、そんなこともできるのか!


全裸にはならなかったけど、サフィがメイド服に着替えるのを全部見てしまった。


「ご主人様、お帰りなさいませ。ボクがいっぱいご奉仕しますね」


え?!


「ふふっ。嬉しい?『感想を言って』」

「『すごく可愛くて、そんなこと言われてときめいた。サフィのメイドさん最高!』ああっ!」

「最高?本当?!嬉しい!カリナ様に教えてもらったおかげだね!」


カリナっ!そんなことまで仕込んであったのか!


コンコンコンコン


あっ、ノックが多い。


「時間切れだね」

「また今度な」

「ちゃんとご奉仕できるようにしておくね」

「しなくていいからっ!」

「ふふ、うそでしょ。わかるよ」

「そういうのも通じるの?」

「うん。だからね。ボクも」

「わかったよ」


眼を見て、ちょっとの言葉で通じて。


ぎゅっ


あんまり可愛いんで抱きしめてします。


「鍵あけちゃったのに」

「え?」

「ケイトお兄様…浮気ですの?」


ああっ、ディアナ…様!



-女王ディアナ視点-


自分の領地で鍵をかけて、サフィにショッピングで買った服まで着せて何をしていたか知りたいけど、あえて聞きませんわ。


でも、ちょっとだけからかってみますの。


「ケイトお兄様、浮気ですの?」

「ごめん!でも、浮気ではないけど、サフィのことをいい加減な気持ちで抱きしめたわけじゃなくって」

「お兄さん…」

「ケイトお兄様は真面目すぎますわよ。ちょっとした冗談でしたのに」


わたくしも、娘たちも、みんな大事にしてくれますのね。

だからこそ、全員をケイトのものにしてもらってもいいと思っていますのよ。


「サフィ、ディアナの耳掃除をここでさせてもらってもいいかな?」

「うん。絶対そのほうがいいいよ。だって、すごく声出ちゃうから」

「そうですの?!」


だから鍵をかけていましたのね。


「お母様、領主と女王の命令はどっちが強いのかな?」

「女王ですわ。でも、そうですわね『サフィ。一度だけ、わたくしに命令していいですわ』」


これで『ケイトの命令を聞きなさい』って言ってもらえれば、わたくしもエメルやサフィと同じ楽しみ方ができますの!


「『お母様。耳掃除が終わるまで、ずっと目を閉じていなさい』」

「え?」


な、なんですの?その命令は?!


ケイトの膝に頭を乗せられて…真っ暗でどうなってるのかしら?


ガラガラ


扉の空いた音がしましたわ。


サフィが出て行ったのよね。


…閉めた音がしませんの。


「サフィ?」


返事がありませんわ。


「始めますね」

「ちょっと待って。扉を閉めて」


かりかり

こりこり

こすこす


「あっ、はうっ!」


眼を閉じている分、感覚が敏感ですわ!


ぴしゃっ


あっ、扉が閉じましたの。

これで声を出しても聞こえない…え?


どうしてサフィはこんな命令をしましたの?

もしかして、サフィはこの部屋に居て、もしかすると、エメルやクリスも来てますの?!


こすこす

こりこり

かりっ


「んんっ!」


声を出せなくなりましたの!


「ケイトお兄様。今、この領地にはわたくしたちだけですわよね?」

「どうかな?」


え?どうかな?って何?


「ディアナちゃんは可愛いな」


こりこり

かりかり


「あん、あんあん。だめ、待って、お願い。こんな声を娘たちに聞かれたくないの」

「大丈夫」


ああ、良かった。

わたくしたちだけでしたのね。


こりこり

かりかり

こりこり

かりかり

すすすっ


「はうっ!あうっ!ああああっ!ケイトお兄様っ!」



全力で喘いでしまいましたわ。


「ねえ、ディアナちゃん」

「お兄様、何?」

「娘たちって言ってたけど、今、ディアナちゃんは俺の妹だから、娘なんていないよね?」


え?

それってどういうこと?


つまり、ずっとここには、娘じゃなくて、

…姉としてエメルやサフィが居たってこと?



はわわわわわ


何て姿を見られてしまいましたの!


「はい、おしまい」


眼を開けてすぐに起き上がって見回すと…




ケイト以外誰も居ませんわ。

これって、まさかサフィと二人で仕組んだ冗談?


「どう?ちょっとドキドキした?」

「ちょっとどころではありませんわっ!もうっ!娘たちにどんな顔をしたらいいか、わからなくなるところでしたわっ!」

「ごめんごめん」


ケイトったら、サフィと打ち合わせも無しにこんなことできますの?

ちょっと嫉妬しますわよ。


「ケイトお兄様、わたくしの領地に戻りますわよ」

「ええ」


こうなったら、仕返しですわ!



-主人公ケイト視点-


ディアナ様には悪いことしたかな?


ほぎゃあ、ほぎゃあ


あっ、ルビィアが泣いてる。


ミルクかな?


「ケイトお兄様、おむつを替えてもらえます?」

「いいよ」


俺も慣れてきたな。


「次はミルクね」

「じゃあ俺は向こうで」

「『しっかり見て行きなさい』」

「え?」


しまった!

でも、まあこの前も見たし…ってちょっと待て!


今のディアナ様の外見って…


ちゅーちゅーちゅー


「わあああっ!だめっ!」

「『お兄様、黙って』」


ああっ!声がっ!


「見たくないの?」


ぶんぶん!

全力でうなづく。


「『じゃあ、目をつぶって、そこで動かないで』」


ああ、良かった。


ん?動かないってどういうこと?




「終わったけど、まだ余っている・・・・・わね。『ケイトお兄様、残りを飲ませてあげるから、口を開けて』」


え?しまった!

見えなくしてさっきの仕返しだな!


って、どっち?

されるの?されないの?

不安にさせてるだけ?


あっ、口の中に入ってくるこれって『先っぽ』…






って指先かっ!


ん?

なんだか指が湿ってない?

どこかで飲んだことのあるような味がするし…。


「ふふふ。何をしているかわかるかしら?」


ぴちょ、ぴちゃ


まさかこれって?!


「さっきの仕返しよ。お兄様、存分に味わって・・・・ね」


あああああああああああああああ


奥さんには頭が上がらない旦那の気持ちがわかりました。

お読みいただきありがとうございます。

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次回も明日、2月2日18時更新です。

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