第8話 ドS王女様と目隠しお風呂。見えないから恥ずかしくありませんの
お風呂回です。
やっぱり王女はアホの子かもしれません。
令和2年1月4日
初期でクリステラの言い回しが現在と違っているため修正しました。
誤字や名前の間違いがたくさん(^o^;)
ごめんなさいm(__)m
-主人公ケイト視点-
お風呂?
お風呂があるって?!
そうだよな。洋式のトイレがあるくらいだもんな。
湯船はあるのかな?
シャワーじゃなくてお風呂っていうから湯船があるんだよな。
そもそもここ畳、和室だよな。
教科書が日本語だったり、世界観がよく分からないや。
お風呂も共用だろうけど、俺はクリス様の後かな?
クリス様の残り湯…ごくり。
「ケイト。あなたにはわたくしのこの髪を丁寧に洗ってもらいますわよ」
「え?え?えええええっ!!!」
待て!待て!
一緒に入れと?
そうか、きっと水着なんだ。
湯あみ着かな?
でもあの胸ではどっちを着ても殺人兵器じゃないかっ!
どうしようどうしようどうしよう。
そもそも何でクリス様は恥ずかしがっていないんだ?
そうか、王女と下僕の関係は、人間とペットレベル。
ペットに恥ずかしがったりしないよな。
「わかりました。誠心誠意、洗わせていただきます」
心頭滅却
煩悩退散
間違いなど起こさない!考えない!
-王女クリステラ視点-
ふふふ。
わたくしの髪を洗うのはすごく面倒ですの。
この縦ロールは伸ばすと腰までありますのよ。
だから30分くらいかけて丁寧に洗わないと、きれいになりませんの。
いつも腕がダルくなってしまうくらいですもの。
でも、下僕にさせればわたくしは座っているだけ!
ああ、ケイトはなんて素晴らしい椅子ですの!
…
…
からあげは美味しかったわ。
さて、お風呂ね。
鍵を取り出して扉を…
ちょっと待って。
お風呂よね。
頭洗うのよね。
わたくし、脱ぎますわよね。
ケイトも、脱ぎ…
…
…
あああああああっ!!!
ケイトを困らせることばかり考えて、すっかり忘れてましたわ!
ケイトに頭洗えって命じてしまって、いったいどうしますの!?
うなれ!わたくしの『ぐんじょ色の脳細胞』!
1.仮病で風呂に入るのを止める。
-想像中-
「ケイト、お腹が痛いわ!お風呂はやっぱりやめにしますの!」
「そんな!俺のからあげのせいですね!これからからあげはやめることにします!」
だめだわ!
からあげが食べられなくなるとか、絶対に駄目よ!
2.素直に間違えたと言ってやめる。
-想像中-
「間違えたわ。そもそも王女と下僕が一緒に入るなんておかしいですわ」
「クリス様…そんなに下僕のことが信用ならないのですか?わかりました。お暇をいただきます」
だめだわ!
ケイトが下僕をやめてしまう!
3.
3.
3.…
もう浮かびませんのっ!
ケイトに見られるかもなんて思っただけで、こんなに恥ずかしいのに、実際に見られたら恥ずかしさで死んでしまいますわ!
「クリス様。お風呂の時は、目隠しをしてもいいですか?」
そ、
それだわっ!!
-主人公ケイト視点-
夕食が終わった。
どきどきどきどき
いかん。
心臓が鳴りまくりんぐ。
一緒にお風呂に入るんだよな?
何とかしないと。
何とか断らないと。
1.仮病で風呂に入るのを止める。
-想像中-
「クリス様、お腹が痛いのでお風呂はやっぱりやめておきます!」
「あなたはわたくしにお腹の痛くなるようなものを食べさせたのかしら?打ち首ね!」
駄目だ!
打ち首獄門切腹だ!
2.素直に恥ずかしいと言ってやめる。
-想像中-
「恥ずかしいので、やめさせてください」
「ケイト…わたくしのことが嫌いなのですわね?わかったわ。もうクビですわ」
駄目だ!
クリス様と離れたくなんてない!
3.
3.
3.…水着?
いや、駄目だって。
水着…ゴーグル…あっ、目隠し!
俺はようやくクリス様を傷つけない方法にたどり着いた。
「クリス様。お風呂の時は、目隠しをしてもいいですか?」
「目隠し?…そうね!わからないようにすれば恥ずかしくないわよね!」
あっ、恥ずかしいとか言ってる。
なんだ。
クリス様も恥ずかしかったんじゃないか。
「それでは、わたくしが先に行って待っていますわ。『共用扉召喚』!お風呂に入りたいですわ!」
目の前に扉が現れ、クリス様が入っていった。
タオルとか、持っていかないのかな?
あっ、クリス様は異次元空間から出せるか。
じゃあ、俺のは?
とりあえず、腰に巻くタオルと、目隠しを出さないと。
文具で2個節約したのと褒美でもらった残りの1つで、魔晶石は残り3個だから…でも目隠しで1個とかもったいないなあ。
何か兼用できるものを考えないと。
そうだ。バンダナとかどうだろうか?
ハンカチや三角巾と兼用できるからいいよな。
俺は右手に魔晶石を握って、呪文を唱える。
「『日用品召喚』!大きめのタオルとバンダナ!」
右手に大きめのタオルとバンダナが現れた。
でも、その手に魔晶石が1個残っている。
「え?1個で2つ出た?」
良くわからないけど、そんなこと出来るんだ。
これは得をしたな。
ところで、服はここで脱ぐのかな?
いや、クリス様は服のまま行ったよな?
「まだですの?!」
少し開いた扉からクリス様の声がする。
「クリス様!服はそちらで脱ぐんですか?」
「脱衣所があるから、そこで脱げますの!」
なるほど。
扉を開くと脱衣所だった。
そこで服を脱ぎ、腰にタオルを巻き、バンダナで目隠しをして、手探りで風呂場の扉を開ける。
カチャリ
バタン
「やっときたみたいですわね」
「お待たせしてすみませんでした」
「じゃあ、カイト。さっそくわたくしの髪の毛を洗って下さる?」
「はい」
俺は声を頼りにゆっくりと手を伸ばす。
しかし、うっかり変なところを触ったら一大事だ。
「クリス様、髪の所に(俺の)手を持って行っていただけますか?」
「え?どうして?わたくしの手も洗ってくださるの?」
「いえ、わからないから誘導を」
「そうね。誘導をお願いするわ」
ん?
何だか話がかみ合っていないぞ。
「それにしても目隠しっていいアイディアですわ。これさえしていれば、ケイトがわたくしを見ているってわからないですもの」
はああーっ?!
まてい。
しばしまてーい。
クリス王女、今とんでもないことおっしゃいませんでした?
-王女クリステラ視点-
ふふふ。
わたくしがこうやって目隠しをしてしまえば、ケイトの目線を感じることもありませんの。
見られていると思うから恥ずかしいのですわ。
でも、これなら何をしようとしているかわからないから、全然平気ですわ!
「クリス様は、その、目隠しを?」
「ええ。しっかりしていますわ。ずり落ちたりしないから大丈夫ですわよ」
「なんでそんなことに…」
あら?何を困っているのかしら?
もしかして、目隠しの付け方が悪かったかしら?
「目隠しがほどけかけているなら、結びなおしてくれるかしら?」
「わ、わかりました」
さあ、早くわたくしの髪を洗うのですわよ。
お読みいただきありがとうございました!
感想とかブックマークとかいただけると嬉しいです!
次回も明日、11月26日18時に更新します。