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第65話 女王様たちは姉弟ごっこをする

おねショタごっこ

-女王ディアナ視点-


待ちに待った朝ですわ!


ルビィアはサフィとクリスに任せて、ケイトと兄妹ごっこをしますの!


本当は夕べのうちから若返っておきたかったけど、なるべく長時間ケイトより年下でいたいですから、今から魔法を使いますの。


昨日マリナに何歳くらいがケイトの好みかって聞きましたけど、『ディアナ様なら何歳でも大丈夫なの』って言われてしまいましたわ。


だから、もう直接ケイトに聞きますの。


「ディアナ様、お待たせしました」

「ケイト!さっそくだけど、わたくしは何歳になればいいですの?ケイトって何歳くらいの子が好きなの?」

「好きって…兄妹ごっこですよね?」

「そういえばそうでしたわ。ごめんなさい、つい興奮してしまって。それなら、何歳の女の子を可愛がりたいかしら?」

「うーん、そういえば小学校にあがったばかりのマリナとカリナは可愛かったなあ。6、7歳くらいかな?」


わかりましたわ!


「『特級若さ召喚』!わたくしに25歳分の若さを!」


わたくしは31歳ですから、25歳分で6歳になれますのよ。


しゅううん。


体が縮みましたわ!


あら?でも、まだ大きいような?


「ディアナ様、これを」


あら、バスタオルね。

わたくしの裸が見えないように気をつかってくれるのね。


「ディアナ様。12歳くらいに見えますよ」

「前に魔法を使った時は8歳くらいだったから、少しばらつくのね。じゃあ、微調整しましょう」

「俺がやりましょうか?」

「いえ、自分でできますわ。あと6歳なら上級魔法でいけるわね。『上級若さ召喚』!あと6歳分の若さを!」


しーん


「おかしいですわ。失敗みたいですの」

「それなら、俺がやってみます」

「お願いしますわ」


ケイトはわたくしの肩に手を触れて魔法を唱えますの。


「『上級若さ召喚』!ディアナ様をあと6歳若く!」


ばしゅつ!


ケイトの手から激しい光がほとばしりましたの!


「ディアナ様、大丈夫?」


わたくしにそう聞いてきたのは、可愛らしい男の子でしたわ。



-主人公ケイト視点-



うわっ!閃光が!


失敗?禁呪の爆発じゃないよね?


ディアナ様は無事かな?


「ディアナ様、大丈夫?」

「あなた、誰ですの?」


え?誰って…。


ああっ!

俺が縮んでるっ!って、若返った?!


自撮りの画面を確認して…6歳くらい?

ディアナ様じゃなくて、俺が6歳になった?!


どういうこと?!


「『上級鑑定』!『若さ召喚』の魔法について教えて!」



『若さ召喚の魔法について』

この鑑定はあと魔晶石10個な。


「はい、『上級召喚』魔晶石マシマシ!」


(鑑定の続き)

この魔法は一人に1日1回しか使えないんだ。

それでも使った魔法は発動したままだから、ケイトに6歳分の若さが2倍になってかかったんだな。


「一人1日1回なのに2倍になることがあるの?」


(鑑定の続き)

俺も知らなかったぞ。

抜け道というかバグ的なものだな。

これが1日で戻るか、2倍で2日で戻るかははっきりいってわからん。


「『鑑定さん』でもわからないことあるんですね」


(鑑定の続き)

魔晶石100個使えばわかるが、今の俺にはわからんな。

それというのも、おまえらのせいだからな。


「どういうこと?」


(鑑定の続き)

前に、クリス様と一緒に俺に鎌かけただろ。

それで魔晶石追加せずに情報持っていったよな?

だから、魔晶石を消費してない時は、俺に知識が来なくなった。


「ええっ?!」


鎌かけ対策されたってこと?


(鑑定の続き)

ともあれ、こういう高度な魔法は注意して扱え。

取り返しのつかないものはたいてい禁呪だけどな。


「わかった!ありがとう『鑑定さん』!」


俺は聞いた内容をディアナ様に説明する。


「というわけです」

「それにしても困ったわね。これじゃあ、わたくしが妹になれませんわ」

「お母様、待たせました!」

「お兄ちゃん!…あれ?」



-王女エメラルディ視点-


魔法の失敗でケイトが若返ったですって?!


6歳のケイトってこんなに可愛いの?!


「すみません、『兄妹ごっこ』はまた今度で」

「いいえっ!それなら『姉弟ごっこ』にするわ!」

「マリナも賛成です!ああ、年下のお兄ちゃん…」



-双子の妹マリナ視点-


大きなお兄ちゃんしか記憶にないから、こんな可愛らしいお兄ちゃんはすごく新鮮なの!


「マリナは、今日だけお兄ちゃんをケイトたんって呼ぶの!」

「私はケイトちゃんって呼ぶわ!」

「わたくしはケイトくんにしようかしら」


今日は姉3人で、弟をもてあそ…可愛がる日に決定なの!



-主人公ケイト視点-


どうしてこうなった。


みんなの目線がギラギラしててちょっと怖いよ。


それに、服の大きさが合わなくなったからって、どうしてみんなそれぞれが俺の服を召喚するの?


「ケイトちゃん、こういう服が似合うと思うわ」

「ケイトたん、こっちも着てみて」

「ケイトくん、これもこれも」


ああっ!着せ替え人形状態だよっ!




やっと服が決まったけど、この服って『頭脳は秀逸、体はミニマム』の探偵みたいだな。


「マリナは弟がいたらやりたいことがあったの!ケイトたんに絵本を読んであげるの!」

「私はおやつを食べさせてあげようかしら」

「わたくしは、ぬいぐるみみたいにぎゅっと抱きしめていたいわ」

「エメル様、ディアナ様。それって同時にできそうなの」

「そうね!」

「やれそうですわ!」


俺がディアナ様の膝の上に座って抱きつかれて、右横からマリナが絵本を読んでくれながら、左横からエメル姉さまにおかしをアーンしてもらってる。


なにこの渋滞。

でも、何だかいい気分かも。


どうしよう。


この世界では開き直りが大事だよな。


もう、思いっきり甘えちゃおうかな。


6歳だし…ん?


あれ?


何だろ?


ちょっと気分が…。



-王女エメラルディ視点-


「ケイトちゃん、お菓子おいしい?」

「うん!」

「ほら、お口の周り、こんなに汚して」


ふきふき


「エメルおねえちゃん。ありがと」


ああ、弟ってなんて可愛い生き物なのっ!



-女王ディアナ視点-


ふふふっ。


わたくしは12歳くらいですけど、エメルどころかマリナよりも胸があるのですわ。


むにょん


「ケイトくん、座りごこちいいでしょ?おねえちゃんのお胸、やわらかい?」

「うん。眠くなりそう」

「いいのよ、眠っても」


おかしでおなかが膨れて、眠くなってきてるのね。


寝たみたいだわ。


「お母様…ってその見た目でお母様って言うの変ね」

「ディアナちゃんでも、ディアナでもいいわよ。わたくしもエメル姉ちゃんって呼びますの」

「じゃあディアナ。みんなでお昼寝にしません?」

「でも、ケイトたんは小さいから、二人で抱き着くのがやっとなの」


それもそうよね。


「ねえ、いっそ1時間ずつ独占しない?」

「エメル姉ちゃん、賛成ですわ!」

「賛成なの!」



-王女エメラルディ視点-


ケイトを独占。可愛いケイトちゃんを独占。


すやすや寝てて可愛いわあ。


なでなでなで


髪の毛がとっても柔らかくて、撫でているだけで気持ちいいですわ。


てもこれ、中身ケイトなのよね。


そう考えると微妙な気分ですわ。


「ん?」


あっ!起きたわ!


「エメルおねえちゃん?何してるの?」

「いい子で寝てたから、撫でていたのよ」

「そうなの?じゃあ、もっとしてほしいの」


つぶらな瞳で見つめてくるケイトちゃん。


『姉弟ごっこ』よね?

幼く振る舞っているだけよね?


こんなに純真そうな瞳なのに?


ああっ、もう考えないわっ!


ケイトちゃん、すごく可愛いもの!


いっぱい撫でてあげるわ!



-女王ディアナ視点-


交代してもらったけど、ケイトくんはもう眠くないみたいですわ。


「ケイトくん、もう眠くないの?」

「うん。でも、こうやってしてていい?」


ぎゅっとわたくしに抱き着いてきますの。


「えへへ、ディアナおねえちゃんあったかいな」

「ケイトもあったかいですわ」

「じゃあ、もっとあっためてあげるね」


ぎゅ


力が弱いからあんまりしっかりしがみつけないみたいですわ。


「ケイトくん、こうしたらどうかな?」


わたくしは自分の服をめくると、そこにケイトくんを入れますの。


ひょこっ


わたくしの襟元からケイトくんの頭が出てきましたわ。


「あったかーい」

「そうですわね」


顔が近いですわ。


ケイトとキスするチャンスですわね。


でも、姉弟ごっこでキスしていいのかしら?


「ディアナおねえちゃん」

「何かしら?」

「ケイトのこと好き?」

「ええ、大好きですわ」

「ケイトも、ディアナおねえちゃんのこと大好きだよ」


もうっ!

遠慮なんてしませんわ!


可愛いは正義ですわ!



-双子の妹マリナ視点-


ディアナ様あんなに疲れちゃって、一体ケイトたんと何を?していたの?


6歳児相手に変なことはできないはずなの。


ケイトたんに聞いてみようかな?


「ねえ、ケイトたん。おねえちゃんたちと何してたの?」

「んとね、ひみつなの!」

「どうして?」

「だって、同じことをするより、違うことをしたほうが面白いの!」


頭いいですの!

あっ、お兄ちゃんだから当然なの。


でも、あれ?

お兄ちゃん、言動が幼児退行してないかな?

それとも演技がうまいの?


「じゃあ、何して遊ぼうか?」

「おままごとがいい!」


とっても子供らしいの!


「それなら、マリナはお母さんね。ケイトたんは…」


やっぱりままごとなら夫婦なの!


でも、マリナから『お父さん役をしてね』って言うのはちょっと恥ずかしいの。


「じゃあ、ケイトはおいしゃさんやるね」

「ん?え?」




「はい、次のかんじゃさん」

「先生、うちの子が風邪をひいたみたいなの」

「どれどれ」


ケイトたんは召喚したおもちゃの聴診器で、召喚したぬいぐるみの胸の音を聞いているの。


これって、ままごとじゃなくて、お医者さんごっこじゃないの?


でも、マリナが診察される側じゃなくて良かったの。


良かったのかな?

本当は、診察されたかったかも。


どきどきどきどき


ああっ、それはまだ早いの!



-王女エメラルディ視点-


2時間待っていたけど、今からは3人とも楽しめることをしたいわ。


あら?あれは何をしてるのかしら?


「マリナ、何してるの」

「え?もう1時間なの?これはままごとなの」

「私のしってるままごとはそんな道具を使わないわよ」

「本当は『お医者さんごっこ』と言って…」


ぬいぐるみを病人に見立てて、「お医者さん」という病気を調べて治せる人になって「診察」という行為をするのね!


面白そうね!


「詳しく教えてもらって、役割分担しましょう」

「いいですわね!」


お母様も乗り気ね!




「はい、胸を見せて」

「うん」


ケイトちゃんが服を持ち上げて私に胸を見せてくれる。


すごい背徳感だわ。

いいえ、これは『医療行為』って神聖な行いなのよね。


どくんどくんどくん


すごいわ。この『聴診器』って体の中のいろんな音が聞けるのね!


「せんせい、どうでしょう?」

「そうですね。風邪みたいですから、お薬を出しておきましょう」

「はい、お薬になりますわ」


看護婦役のお母様がケイトちゃんのお口にお菓子をひとつほうりこむ。


「おいしい」


にこにこしてるケイトちゃん、可愛すぎっ!


ケイトちゃんを膝の上にのせている、付き添いのお姉さん役のマリナもそれを温かい目で見守っているの。


お医者さんごっこって楽しいわね!


「交代なの」

「マリナなら、もっと色んな治療方法知ってるんじゃないの?」

「お注射とか?」

「ちゅうしゃはいや。いたいのこわいよ」

「ケイトたん、おもちゃの注射だから大丈夫だよ」

「それならいいの」


注射って何かしら?



-双子の妹マリナ視点-


おにい。

こんなチャンスは無いから、マリナはもう暴走するの。


「…これはすぐにお注射しないと駄目なの」

「いたいのいやだよお」


おもちゃだけど、嫌がる演技するケイトたん萌えなの。


「先生は上手だから、まかせて」

「じゃあ」


腕をまくろうとしているけど、違うの。


「ケイトたん、この注射は、おしりのほっぺに打つの」

「え?」

「そんな注射があるのね!」

「さっそく!」

「や、やめてー!」


ケイトたんは抵抗むなしく、みんなに押さえつけられてお布団の上にうつぶせにされたの。


ふっふっふ。


ぺろん


可愛いお尻なの。


「えい、ぷすっ」


おもちゃの注射器だから、実際には刺さらないから、マリナが「ぷすっ」ってお尻のほっぺたに押し付けるの。


「あうっ」


びくっとして、可愛いの!


「はい、終わりました。お大事に」

「うん」



-女王ディアナ視点-


『お医者さんごっこ』ってなんて素敵な遊びですの!


「おかしいところが無いか、よーく調べますわ」


マリナに教わった『触診』で、ケイトくんのあちこちをまさぐ…触って診察しますわ。


「く、くすぐったいの」

「しっかり押さえるわね」


付き添いのお姉さん役のエメルがしっかり押さえてくれてますわ。

ケイトくんの素肌に触れすぎている気がするけど、姉弟だからいいですわよね?


「はあ、はあ、ありがとうございました」


ケイトくんったら、あんなに息を荒くして。

触りすぎたかしら?


ても、楽しかったわ!


「次は何の遊びををしますの?」

「ねえ、まだだよね?」


え?ケイトくん、何がまだなの?


「ケイトがお医者さんになってないよ」

「えっ?」

「次はおねえちゃんたちが、かんじゃになってね。おんなじことしたいから」

「「「えええええっ!!」」」

お読みいただき、ありがとうございます。

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次回も明日、1月22日18時更新です。

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