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第64話 ドS王女様たちはテストの打ち上げをする

打ち上げよりもマリナとの関係進展メインかも

-女王ディアナ視点-


テストの監督と言っても、特に何もすることはないですわ。


舞闘会と同じように、浮遊する魔導撮影機で状況を確認しているだけですの。


でも、クリスのあのみなぎる『やる気』は素晴らしいですわ。


きっとすごく勉強しましたのね。


「ケイト」

「はい」

「見てごらんなさい。クリスがあんなにも熱心にテストを受けていますわ」

「いつもは違うんです?」

「回答をあんなにどんどん書いていきませんわ。それにすごく自信に満ちてますの」

「クリス様はがんばってましたから」

「ケイトのおかげですわ」

「いえ、クリス様の努力です」


謙遜しますわね。


エメルやサフィもいい影響を受けているみたいですから、本気で娘たちをお嫁にもらってくれないかしら?

そうでなくとも、ずっと居てほしいですわ。


でも、テストを受ける『資格』が取れなかったですの。

そうなるとおそらく、舞闘会の『資格』も取れないですわ。


つまりケイトたちは『物扱い』ということなんでしょうけど、子作りはできますのよね。


そうなると結婚できるかどうかわからないわね。

結婚できないと新しい領地ももらえませんし、色々困りますわね。


でも、わたくしはケイトとずっと一緒に居たいですわ。


「ねえ、ケイト」

「はい」


おぎゃあ、おぎゃあ


「ルビィア?」

「ミルクかしら?」


とりあえず、おむつを替えてミルクにしますわ。


「ディアナ様、手伝うです」

「助かるわ、カリナ」

「おにいとマリナは女王様の代わりにテストの見張りをしてるです」

「見張りっているのかな?」

「一応することになってますから、頼みますわ」

「はい」


待たせたわね、ルビィア。

ママのミルクですわ。



-主人公ケイト視点-


ディアナ様の領地はL字型になってるから、奥で母乳を上げていればこちらからは見えない。


『別に夫婦だから、見ていてもいいですわよ』


なんてディアナ様は言うけど、ちょっと刺激が強すぎますから!


「お兄ちゃん、何考えているの?」

「ん?別に」

「マリナが当ててみるの」


エッチな想像がバレた?!


「お兄ちゃんは、マリナとカリナのキスの味がどう違うか知りたいって思ってるの」



-双子の妹マリナ視点-


時間が無いから、ここは直球勝負なの!


「お兄ちゃんは、マリナとカリナのキスの味がどう違うか知りたいって思ってるの」

「はずれだな」

「気にならないの?」

「なる」

「お兄ちゃん、何だか素直になった?」

「この前から色々とマリナに悪いなと思ってるよ」

「お兄ちゃんの馬鹿。ちっとも悪くなんてないの」


お兄ちゃんは勘違いしてるの。


「お兄ちゃんがカリナと結ばれるのは、マリナにとっても嬉しいの」

「でも、ディアナ様とか、サフィ姉さまとか」

「それぐらい見境がなくなってもらわないと、いくら血がつながっていなくても、マリナ達にチャンスはないの」


本当は見境なくなんかなってないの。

お兄ちゃんが優しくて魅力的だから、みんなが好きになるだけなの!


「お兄ちゃん、授乳の時間はだいたい20分なの。その間に…」


にじりっ


お兄ちゃんに近づいて、じっと目を見つめるの。


「マリナはお兄ちゃんを一生愛し続けます。絶対なの。だから、ずっと一緒にいたいの」

「俺はずっとクリス様のそばに居るって誓ったんだ」


えっ?


そう。そうなの。


だよね。


マリナが入る隙なんてないの。


一生そばに居たかったのに…。


「だから、マリナもずっと俺のそばに居てくれるか?」

「え?」


どういうことなの?


「俺はクリス様に捨てられるまでずっとそばに居るって言ったら、クリス様は俺が居る間は結婚しないって言ってくれたんだ。その代わりに夫よりも尽くせって」


それって、もう夫婦関係超えてるの!

うらやましすぎるの!


「だからもし俺がクリス様から捨てられることになっても、せめてマリナ。お前だけでも俺のそばに居てくれないか?」

「ん!」


何それ。

最高なの。


「お兄ちゃんっ!」


がしっ!

ちゅうっ!


抱き着いて、キスして、でも言わないといけないことがあるから、一旦離れるの。


「お兄ちゃん、カリナもずっと一緒だから」

「ああ、そうだな」

「でも、どうしよう。これって、もうプロポーズなの。ずっと一緒に居る誓いなの。カリナよりも先に言われたの。ああ、心臓がこんなにどきどきってしてる」


心臓破裂しないかな?

嫌だよ、死にたくないよ。


「お兄ちゃん、死にそう。助けて」

「大丈夫」


なでなで


「うん」


なでなで


「ちょっと落ち着いたから、キスの続きがしたいの」

「わかった」



-双子の妹カリナ視点-


マリナ、うまくいったです?


きっと20分くらいでは十分な『探求』ができないです。


あとでまた時間を探してあげるです。


ぴろん


マリナ『今、お兄ちゃんにプロポーズされたの』


はあああっ?!


何?何があったです?!


え?

おにいがそんなことを?


マリナ『カリナも一緒だよって言っておいたの』


それは嬉しいけど、直接言いたいし、おにいからも言われたいです!

マリナだけずるいです!



-女王ディアナ視点-


「ケイト、授乳が終わりましたわ」

「ありがとうございます」

「もう、そんな敬語ばっかり」

「二人っきりじゃないですから」

「それもそうね」


マリナとカリナが居ますもの。


『お母様!終わりましたわ!』


クリスから終わった連絡がありましたわ。


「ケイト、迎えに行ってあげて」

「はい」

「もうそのまま、向こうに居ていいわ」

「わかりました。でも、またルビィアの様子を見に来るかも」

「ケイト、たまには『ディアナに会いに来る』って言ってほしいですわ」

「テストが済んだら兄妹ごっこですよね?明日は朝からでもいいですか?」

「うれしいですわ!」


ケイトはクリスの所に戻っていきましたわ。


兄妹ごっこでケイトのこと、なんて呼ぼうかしら?

何歳になったら喜ぶかしら?


そうですわ、ちょうどマリナとカリナが居ますの。


色々と教えてもらいますわ!



-王女クリステラ視点-


このテストはすぐに結果が出ますのよ。


受けた部分はほとんど満点ですの!


「クリス様、すごいです!」

「おーっほっほっほ。当然ですわ!」


でも、わたくしだけの力ではありませんわ。


「ケイト、きっと来週の魔晶石はたくさんもらえますの。そうしたらご褒美をあげますわ。でも、その前に、そこにひざまずいて」

「はい」

「ご褒美代わりの、親愛のキスですわ」


ちゅっ


ケイトの額に軽くキスしますの。


「それでは俺も」


手の甲にキスされますわ。


この儀式ってすごくいいですわ。


さあ、今からお昼御飯ですわ!


「ケイト。テストの高得点のお祝いに、なにか素敵な昼食を所望しますわ」

「おまかせください!」



-主人公ケイト視点-


最高の昼食を準備しないと。


でも、ディナーのような豪華さじゃなくて、昼ご飯だけどワクワクするものがいいよな。


今までの昼食と比較して豪華さを感じさせたほうがいいかな?


ハンバーガーや唐揚げを出していたよな。


豪華そうなハンバーガーと言えば、チェーン店のハンバーガーショップじゃなくて、個人経営のハンバーガー専門店のだな。


これはテーブルを準備しないと。


「クリス様、準備の間…」

「ルビィアを見てきますわ」


さすがクリス様、わかってらっしゃる。


「『上級昼食召喚』!メッツアメリカのナチュラルハンバーガーセット!」


これは俺が何回か食べたことがある専門店のハンバーガー。


貧乏になる前は、俺の誕生日の外食の定番がこれだったなあ。


よし!さすがにこれは記憶がしっかりしているから完璧なものが出た!



コンコンコン、がらっ


「クリス様、準備ができました」


そこにはルビィアをあやすお姉さまたちの姿が。

みんなテスト終わったんだな。


「なにこのいい匂い」

「もしかして、クリスのお昼ご飯?」

「そうですの!テストでいい点数でしたから、お祝いで特別な昼食を準備させましたのよ!」


姉さまたちの視線が集まってくる。


あっ、このパターンは。


「クリス!私も食べたいわ!」

「私もほしいの!」

「あの、わたくしもいいかしら?」


ディアナ様まで?!


「いいですわよ。ケイト、できるわね?それなら食事はこちらでしていいかしら、お母様?」

「あら、わたくしもいただいていいのかしら?じゃあ、こちらで食べましょう」

「それなら、クリス様の領地で召喚して、そちらのテーブルに並べますね。マリナとカリナにも手伝うよう伝えてもらえます?」



俺は領地に戻ると、続けて召喚する。

最近みんなで食事することが増えて、7人分ずつ召喚することが多くなったなあ。


おかげですごく召喚魔法がうまくなった気がする。



-王女クリステラ視点-


テーブルに並べられたのはわたくしの大好きなハンバーガーですわ!


でも、いつもみたいに袋に入っていなくて、お皿に載っていますの。


しかも、横にも何か添えられていますわ。


「これは上げたジャガイモに塩コショウを振ったもので、フライドポテトっていいます。それから、ハンバーガーはフォークとナイフで食べてもいいですし、袋に入れてから食べてもいいです」

「ケイトのおすすめはどちらですの?」

「袋で」

「なら、入れなさい」

「はい」


わたくしの座椅子になっているケイトがわたくしの目の前でハンバーガーを袋に込めてくれますわ。


なんて大きなハンバーガーですの?


それに野菜とかたくさんで、本当に豪華ですわ!


「ハンバーガーって、前にマリナに出してもらったけど、これはまったく別ものね!」

「カリナさ…カリナ、ハンバーガーってこういうのだった?」

「サフィ様、カリナが出していたのはフィッシュバーガーと言って、揚げたおさかなのハンバーガーです」


おさかなのハンバーガーも気になるけど、まずこれですの。


もぐっ


「ハンバーグをかみしめると肉汁があふれ出してきて、肉の固さを受け止めるだけの力を持つパンとの一体感が最高ですの!」

「クリス、一体どういう感想なの?!」

「サフィ、クリスは前もそんな感想を言っていたわよ」


だって、あんまりにおいしくて、つい言ってしまいますもの。


さくっ、ほくっ


「このフライドポテトもさくっという歯触りなのに、中はホクホクしていて、塩コショウだけじゃない香辛料が効いてますわ!」

「クリス、どうしてそんなに饒舌なのよ。ねえ、エメル姉さま」

「確かにおいしいから、それを表現したくなる気持ちはわかるわ。本当においしいわね」



-女王ディアナ視点-


女王としてはお上品に食べようかと思ってフォークとナイフで食べていましたけど、娘たちのようにかぶりついたほうがおいしそうですわ。


でも、今更袋には入れられませんの。


「ディアナ様。俺のを少し食べませんか?」


ケイトが袋に入った自分のハンバーガーを差し出してくれましたわ!

しかも、まだ食べてありませんの。


「ケイト、いいのかしら?」

「はい、きっと袋入りのほうも食べたくなるかと思って、目線がこっちに来るのを待ってました」


さすがわたくしの旦那様ですわ!


喜んで受け取って、いただきますの!



ぱく、もぐ


「おいしいいいいっ!」


かぶりつくとおいしさが全然違いますの!


良かったですわ!このおいしさを知らないで終わるところでしたの!


「決めましたわ!わたくし、厨学生の教科書もやり遂げますの!」

「お母様、どうして急に?」


クリスたちは知らないのですわね。


「厨学生の教科書を3冊終えれば、『子宝魔晶石』が1つもらえますのよ」

「「「「「「ええっ!!」」」」」」



-王女エメラルディ視点-


お母様が『子宝魔晶石』がほしいって、まさかこれ以上ケイトと子作りする気?!


「お母様!4畳半で何人子供作る気なの?!」

「わたくしが厨学生の教科書を済ませてからケイトと結婚すれば、もっと広い領地になりますの。その時はエメルやサフィやクリスも一緒に引っ越せますのよ」


もっと広い領地に?!


「もしかして、夢の『超大陸マンション』に領地を持てるとか?!」

「それには二人とも厨学生の教科書を全て済ませないと無理ですわ。でも、みんなが何冊かずつ厨学生の教科書を済ませれば、きっと『超大陸マンション』に行けますわ」

「みんなでって、そんなことできるの?」

「みんながケイトの奥さもごっ」


あら、いつのまにかお母様の口をケイトが手でふさぎましたわ。


何か耳打ちしていますわね。


「おほほほほ。とりあえず結婚は冗談ですわ。でも、ケイトと居ると幸せなのは確かですわ」

「わたくしの自慢の下僕いすですもの!でもお母様、ケイトはわたくしと一生一緒に居ることになりましたのよ」

「「ええっ?!婚やもごっ」」


私とサフィの口がマリナとカリナにふさがれましたわ。


「わたくしがケイトを飽きて捨てるまで、ずっと一緒に居てくれますの。その間ケイトはわたくしに夫以上に尽くしてくれますから、結婚しなくても幸せになれますのよ」


ちょっとそれって、


「(小声で)エメル姉さま、それってもう結婚しているのと同じじゃないかしら?」

「(小声で)むしろそれ以上よ。思った以上の関係なのね」

「(小声で)でも、おかげで私も…あっ、別に何でもないから」


サフィったら表情に出すぎだわ。

まさかサフィまでケイトの事を好きになるなんてね。


私だけですわね。

ケイトの事をなんとも思ってないのって。


優しいとは思うし、お兄ちゃんって甘えた時は楽しいけど、恋愛じゃないのよね。


それより、明日はお母様と一緒に兄妹ごっこするのよね。


どんなことをさせてもらえるか、すごく楽しみだわ!

お読みいただきありがとうございます。

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次回も明日、1月21日18時更新です。

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