第37話 ドS王女様は3日目の昼ご飯にあんぱん〇んをいただく
ギリギリセーフと思いたい。
令和2年1月5日
言い回し等の微修正。
足の指でしてしまうことは、削除するか悩みましたが、今後やらないということを記載して残しました。
王女でも失敗することや横着することもあると思うので。
-主人公ケイト視点-
さあて、今日のお昼は何にしようかな?
昨日は中華まんでチーズ肉まんだったから、今日はカレーパンとかどうだろう?
いきなりカレーはハードル高いかな?
「クリス様、カレーってこの世界にありますか?」
「『かれー』ですの?聞いたとこありませんわね」
無いんだ。
それなら、出してみようかな。
それにしても、昨日は垂れたチーズがクリス様の足にかかって…。
いかんいかん、思い出している場合じゃない。
「『昼食召喚』!カレーパン!」
俺の右手に現れたのはホカホカの
「カレーまん?」
「カレーパンって昨日の中華まんの仲間ですの?」
「いえ、カレーパンっていうのはカレーが入っている揚げたパンです。でも、これは見た目も黄色いし、召喚に失敗してカレーまんになったみたいだな」
雑念が入ったせいだな。
「とりあえず、割ってみます」
「待ちなさい!それならわたくしが割りたいですの!」
おお、クリス様がワクワクしている。
まあ、召喚失敗ぽいけど、カレーまんだから大丈夫かな?
「熱いから気を付けてくださいね」
「わかりましたわ」
クリス様はカレーまんを受け取るとぱかっと二つに割ります。
「ケイト。これ、中から揚げたパンが出てきましたわよ」
「ええっ?!」
見せてもらうと、中からカレーパンらしいものが見える。
まさかこれは!
『カレーパンまん?!』
-王女クリステラ視点-
中から揚げたパンが出てくるとか面白いですの!
「いただきますわ!」
はむ
はむ
外の皮と揚げたパン、そしてその中に入っている『もの』の相性がすばらしいですの!
「おいしいですわ!これが『カレー』ですのね?」
「そうです」
「チーズも入っていますのね」
「え?それも
昨日のことを思い出したせいか…か…はっ?!」
ケイト、昨日の中華まんのチーズをわたくしの足から食べたのを思い出したから失敗しましたのね。
ちょっとだけお仕置きで軽くお尻を叩きますわ。
ぺしっ!
「うっ!クリス様、ごめんさない!」
失敗したものにしてもおいしいですわ。
あら、あやうくチーズが垂れそうに…。
これ、足の指に垂らして、ケイトに舐めさせたらどうなるかしら?
ゾクゾクッ
な、何かイケナイ衝動を感じますわ。
でも、でも、ちょっとくらいなら…。
いえ、やっぱりはしたないですわ。
それでも、足の指がくすぐったくなくなる練習だと思えば…。
な、何を悩んでいますの!
そんなこと考えるまでもありませんの!
普通に食事をしますわ!
ころん
あら、お肉が転がり落ちて、畳の上に落ちましたわ。
残念ね。
足の上なら…
そういえば、さっき指がすごく器用に使えましたわね。
転がっている肉…
器用な足の指…
ふふふ
ふふふ
そうですわ。
わたくしはケイトの主人ですもの。
何を遠慮していますの?
-主人公ケイト視点-
あっ、クリス様お肉を転がしちゃったな。
結構大きな肉の入っている『カレーパンまん』だったんだな。
でも、落ちた位置が俺の足のほうだから手が届かないや。
まあ、しばらくしたらゴミとして消えるんだろうけど。
「ケイト」
「クリス様、何でしょう?」
「お肉、もったいないわよね」
「はい、でしたら俺がいただきます」
「ふふふ、ふふふ」
あれ?
クリス様の目つきがおかしいぞ。
「おーほっほっほ。せっかくですから、わたくしがケイトのお口にお肉をいれてあげますわ」
あれ?
クリス様のテンションがおかしなことになってる?
むんず
え?
足の指でお肉をつかんだ?
それは王女としてはしたないことでは?!
「さあ、食べなさい」
え?それだと、その、足の指ごと、ですよね?
「『食べてきれいになさい』」
「『はい』」
ええーっ!
そんな命令しないで!
ぱく
「はう」
ほら、足の指をくわえられて色っぽい声出てるし!
も、もうやめよう。
ぱくり、ぺろ、ちゅぱ
いかん、勝手に口が動く。
クリス様に『きれいになさい』命令されたせい?!
「ん、んっ、これで、わたくしの足の指がくすぐったくなくなる、いい練習になりますのよ」
そんなわけない気がしますけどっ!
-王女クリステラ視点-
ぱくり、ぺろ、ちゅぱ
ふふふっ。
はあ、いいわあ。
ケイトに奉仕させるのってゾクゾクしますの。
ああ、手元がくるって、もうひとつ、お肉が転がりましたの。
もう片方の足指で。
「『ケイト、こっちも食べてきれいにしなさい』」
ぱく、ちゅぱ、ちゅぱ、ぺろぺろ
何かしら?くすぐったいのには慣れて、何だか心地よさだけがありますわ。
…
…
こんな状態で冷静になってきましたわ。
ぺろぺろ
これ、主人と下僕としてはいいですけど、王女としてははしたなかったかしら?
王女として今後この足技は封印することにしますわ。
ぺろぺろ
「『ケイト、もう充分ですわ』あとは、わたくしの食べた残りを食べなさい」
「はい」
-主人公ケイト視点-
ううう。
とんでもないことさせられてる。
しかも、
すごく幸せな気分の俺って、変態なのか?
どうしようどうしよう。
「『ケイト、もう充分ですわ』あとは、わたくしの食べた残りを食べなさい」
「はい」
やっと終わった。
でも、クリス様の足の指、目をつぶっていても形がわかるくらいに舐めちゃったな。
うう、忘れよう。
忘れれないけど、忘れたことにしよう。
気を取り直して、2つ目!
今度はあんぱんだ!
「『昼食召喚』!あんぱんを!」
「あら?あんぱんなら知っていますわよ」
「あるんですかーっ!」
しまった、確認してなかった。
あれ?
俺の手に握られているのは、見るからに白くて丸いもの。
あんまんだ。
「すみません、また違うものが出てしまったみたいです」
「中があんパンかもしれませんわよ。割ってごらんなさい」
「はい」
ぱかっ。
ああっ!
「クリス様!これは『揚げあんぱんまん』です!」
違う言い方なら『あんドーナツまん』。
ともかくクリス様に献上してと。
はむっ
「これはおいしいですわ!でも、皮が多すぎますわ」
「それでしたら、その白い皮だけ剥いて俺に下さい」
「わかりましたわ」
俺は割った半分と、「まん」の部分全部をもらって食べる。
うん、おいしい。
クリス様と一緒ならなんでもおいしいな。
トゥルル、トゥルル
あれ?『内線通話』?
-王女サファイラ視点-
知恵の輪と格闘していたらもうお昼になりましたわ。
今日は何にしましょうかしら?
…
もしかして、クリスはお昼ご飯も珍しいものを食べているのかしら?
『内線通話』で聞いてみましょう。
「はい、サフィ姉さま。なんですの?」
「お昼は食べたかしら?」
「ちょうど食べているところですわ」
「きっと、珍しいものを食べているのでしょう?」
「ふふっ、内緒ですわ」
それって、珍しいものを食べているって言っているも同然よ!
分けてほしいけど、あんまり頼むと姉としての威厳が…。
そうだわ!
「クリス、あなた、ケーキが食べたいって前に言ってましたわよね?」
「ええ、『上級菓子召喚』でも難しかったですもの」
「それを私が召喚してあげるから、何か珍しいものもらえるかしら?」
「たぶん今のわたくしでしたら、ケーキくらいは出せますのよ」
えっ、どういうこと?!
そんなに召喚の腕を上げたってことかしら?
「じゃあ切りますわね」
「あっ、ちょっと…切れたわね」
ケーキでも釣れないなら、どうしましょうか?
せっかくおやつの時間に何か珍しいお菓子をもらおうとしましたのに。
そうだわ!
今度の舞闘会の賭けは『クリスが知っている召喚の秘密』で決まりね!
-王女クリステラ視点-
おなかがいっぱいですわ。
それに、また眠くなってきましたの。
ケイトが教えてくれた『昼寝』をしたい気分ですわ。
「ケイト、布団モードですわ」
「布団モード?ああ、座椅子っぽく座るのですね」
「それと、あのふかふかした服に着替えてきなさい」
「着ぐるみパジャマですね。わかりました」
ケイトは洗面所に移動して、ふかふかの着ぐるみパジャマに着替えてきましたわ。
そして、壁にもたれるように座りましたの。
斜めになっているお布団って感じですわ。
わたくしはそこに座ると、そっと、頭をケイトの胸のあたりに載せますの。
「心地いいですわ。今から2時間眠りますわよ。昼寝をして、頭をすっきりさせてから午後の勉強ですわ」
「はい」
ふふ、いい寝心地ですわ。
ふわ…眠い。
-主人公ケイト視点-
クリス様、よっぽどこの着ぐるみを気に入ってくれたんだな。
すーすー
もう寝てるし。
クリス様の寝顔、かわいいなあ。
もそ
ん?
もそもそ
すりすり
あっ、横を向いて毛にすりすりしてる。
この着ぐるみパジャマの毛並み気持ちいいからなあ。
もそもそ
あれ?
うつぶせになったぞ。
ぎゅううっ
すりすりすりっ
ちょっ!クリス様!
抱きついてこないでください!
俺は抱き枕じゃないです!
そ、それに、それに、
その大きな胸が押し付けられて、つらいですっ!
着ぐるみっぽくてもパジャマですから、そんなに押し付けられるとだめですーっ!!
ぎゅううう
むにゅうう
はわわわわ
眠れないよー!
ちなみに最初の執筆ではサフィ姉さまが食べ物の名前だけを聞いて、揚げあんぱん◯んを召喚してしまうという話だったのですが、調べたら揚げアンパン◯ンあるみたいなので没になりました(^o^;)
お読みいただきありがとうございました。
ブックマークとか感想とかいただけると嬉しいです(^ー^)♪
次回も明日、12月25日18時更新です。




