表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/147

第25話 ドS王女様の必殺技はそれにふさわしく

やっと必殺技が出せます。


令和2年1月5日

言い回し等の微修正。

-主人公ケイト視点-


いよいよだ。


いよいよ、疾風の女戦士スピカの必殺技スペシャルが拝める。


まず、試しにレオパルドタンクマンの必殺技スペシャルを使ってみよう。


「『必殺技スペシャル』!やりなさい!」


『やる』が『殺る』じゃないあたりがクリス様の優しさだよな。


「ブオオオ!『地獄の砲撃ヘルズキャノン』!」


背負った砲塔の先端から飛び出した真っ赤に焼けた弾が分裂し、ガンガンザーの体に降り注ぎ、弾き飛ばした。


「すごいですわ!」


はじきとばした必殺技スペシャルもすごいけど、それで傷一つないガンガンザーもすごいな。


「次はスピカの出番ですわ!」


クリス様は駒箱トイボックスから疾風の女戦士スピカをガンガンザー(起こし済み)の前に出現させて、指輪を小指にはめる。


「え?それって特級の指令環コマンドリングじゃないですか?」

「そうよ!だって、わたくしが自ら体験したいですもの!」



-王女クリステラ視点-


丈夫な「的」であることがわかったから、心置きなくスピカの必殺技スペシャルを試せますわ。


わたくしはスピカを配置して、特級の指令環コマンドリングを取り出して小指にはめますの。


「え?それって特級の指令環コマンドリングじゃないですか?」

「そうよ!だって、わたくしが自ら体験したいですもの!」


舞闘会じゃなくても駒に乗り移ることは可能ですのよ。


「『起動スタート』!」


わたくしの視界が切り替わり、目の前にガンガンザーが立ちはだかっていますわ。


ふふふ。

わたくしの必殺技スペシャルで沈めてあげましてよ!


「『必殺技スペシャル』!出なさい!」


しーん


あら?出ませんわ?


「『必殺技スペシャル』!行きますわよ!」


しーん


ど、どうして出ませんの?!



「クリス様」


大きなケイトがわたくしをじっと見つめています。


「もしかして、指令環コマンドリングを使わない場合は、技名が要るんじゃないですか?」


はっ?!


そうですわ!

さっきのレオパルドタンクマンも自分で技名を叫んでいましたわ。


でも、技名なんてわかりませんの。


「クリス様、とりあえず、元に戻って」

「駄目なのよ」

「え?」


舞闘会はやられるか、勝利すれば元に戻れますわ。

時間切れでも戻りますけど、たいてい勝負がつきますの。


「わたくしがやられるか、舞闘会でない場合は30分待たないといけませんの」

「それなら、待ちましょう」


そうですわ。

やられるのは結構痛いですもの。

待つしかありませんわ。


でも、時間が惜しいですの。

そろそろ夕食時ですわ。


「クリス様、必殺技スペシャルを俺が調べましょうか?」


わたくしがそわそわしているのに気付いたのか、ケイトがわたくしの顔をのぞきこんできましたわ。


「わかりますの?」

「おそらく、『鑑定』でできるかと」


それは名案ですわ!



-主人公ケイト視点-


クリス様、うろうろしているな。

きっと30分待つのがつらいんだろうな。


うーーーーーーーん

うーーーーーーーん

ん?思いついた!


「クリス様、必殺技スペシャルを俺が調べましょうか?」

「わかりますの?」

「おそらく、『鑑定』でできるかと」


普通の物じゃないから上級魔法が必要かもしれないけど、それでも必殺技名だけでもわかればいい。


いつもみたいに、問いかけてみれば大丈夫だろう。


「では、クリス様。俺の手の上に乗ってください」

「の、乗りにくいですわ」


俺の手の平に胸がこぼれそうな女戦士姿のクリス様がっ!

フィギュア好きな人の気持ちが少しわかった気がする。


「魔晶石はあとで渡しますわ」

「はい。では、『上級鑑定』!必殺技スペシャルの名前とか色々教えて!」


『クリステラin疾風の女戦士スピカ』

パワーがあり、特にスピードに優れた女戦士。

必殺技スペシャルは『十字斬撃クロススラッシュ』で、一閃で十字の斬撃を放つことが出来る。攻撃範囲は前方の至近~近距離。敵をある程度倒すと、『百花繚乱斬ハンドレッドスラッシュ』という必殺技スペシャルを発動することもできる。これは一閃で周囲に百の斬撃を放つ技である。攻撃範囲は周囲の至近~中距離。

色々って何知りたいの?そうだな、女戦士の胸は83だけどクリス様はもっと大きいから、実は胸の先までは隠れていないぞ。駒だから乳首は無いけどな。

そのかわりほくろが2つ並んでいるのは見えるだろ?それはクリス様のほくろだからな。


「うん、確かに」


胸の先の辺りにほくろが2つ並んでいるな。


って、待てー!

ほくろも本人と同じ位置に現れるってこと?


(鑑定の続き)

そうだよ。他にもお尻


「やめてー!どうして会話が成立してるんだよっ!」

「ケイト、どうしましたの?」


あっ、まずい。


クリス様に何て説明しよう?



-王女クリステラ視点-


「うん、確かに」


え?何を感心しているのかしら?

それにわたくしをじっと見ていますわ。


きっと鑑定で何かわかったのね。


「やめてー!どうして会話が成立してるんだよっ!」


ケイトが急に叫びました。

目をつぶって、首をぶんぶんと振っています。


いったい何があったのかしら?


「ケイト、どうしましたの?」

「クリス様。その、あの、」


すごく言いにくそうにしていますわね。


「鑑定で何が分かったのかしら?」

「はい。実は」


まあ、必殺技スペシャルが二つも?!

きっとSRスーパーレアだからですわね。


それにとても強そうな技ですわ!


「それと…」


あら、まだ何かあるのかしら?


「すみませんっ!鑑定が変なことを教えてきました!え?黙っていたらわからないだろって?そんなこと言っても!」


ちょっと、何と話していますのよ?


「実は、鑑定がまだ、続いていて」

「え?」


上級の鑑定ってそんなふうなのかしら?


「『鑑定』と会話をしている感じなんです」


まあ、それはすごいですわ!


「それなら答えてもらったことにまた質問ができますわね!」

「そうなんですけど、変なことも勝手に教えてきて…ああっだから、もうそういう情報はいらないからっ!」


何だか嫌な予感がしますわ。


「『ケイト、何を聞いたか全て話しなさい』」

「はい!」



-主人公ケイト視点-


ああっ、やっぱり怒られるよな!


「『ケイト、何を聞いたか全て話しなさい』」

「はい!」

ああ、『命令』されて勝手に口が!でも、元々話すつもりだったけど!




俺の報告を聞いて、クリス様の表情が曇っていくのがわかる。

こんな小さいのに、すごい怒りを感じる。


必殺技スペシャルの的はケイトに決定ですわね」

「ええっ?!」


舞闘会じゃないのに剣で切られたら、大けがするかもしれないよ!


「鑑定の魔法って、まだ効いてるかしら?『わたくしが武器を持ち換えることは可能かしら?って聞きなさい』」



(鑑定の続き)

問題ないぜ!そうだな、このボウヤのお尻にビシビシと技を繰り出せるように、鞭とかいいんじゃないか?駒用の武器は『舞闘会用駒召喚』の魔法で武器の種類を言うと出せるから試してみな!


「クリス様の言葉を伝えなくても聞こえているらしくて、俺が言わなくても返事がきました。……だそうです」

「ケイト、『鞭を召喚しなさい』」


ですよねー!



-王女クリステラ視点-


『上級鑑定』でまさか『鑑定』の魔法と会話ができるとは思いませんでしたわ。


でも、わたくしのほくろの位置とかを教えるのは感心しませんわね。


これからケイトが鑑定するときには、そういうことを教えないように、鑑定するときに言ってもらいますわ。



「『舞闘会用駒召喚』!女戦士の仕える武器で鞭とか色々出て!」


あら?鞭以外も出すつもりですわね。

確かに、駒ひとつ出すのに比べれば、魔晶石ひとつで武器ひとつはつりあいませんわね。


お仕置きされるってわかっているときでも、そうやって考えて行動するのがケイトの良いところですわ。


それでもエッチなのは良くないところですわ。


鑑定が勝手に言ったかもしれませんけど、その魔法を使ったのはケイトですから、お仕置きは決定ですのよ。


素直に言わなければ…いいえ、隠し事をしないなんて、素晴らしい下僕いすですのよ。


「クリス様、どうぞ」


わたくしの目の前にケイトの手が拡げられて、そこには鞭の他に、色々な武器が載っていますの。


「これが槍で、これがフレイル、これはショートソードと楯です」

「鑑定が教えてくれましたの?」

「いえ、これは俺自身の知識です。あと、『鑑定』が「ではさらば」って言ってました」


あら『鑑定さん』は帰ってしまったのね。


さて、鞭を持って、ケイトのお尻の前に行きますわよ。


「ケイト、もっとお尻を下げないと当たりませんわ」

「お、お手柔らかにお願いします」


ぴしっ!


「うっ!」

椅子ケイトにそれを決める権利はありませんのよ!」


さあ、いよいよですわ。


まずは『十字斬撃クロススラッシュ』ですわね。


「『必殺技スペシャル』!『十字斬撃クロススラッシュ』よ!」


わたくしの体が勝手に動いて、ケイトのお尻めがけて鞭を振り下ろしましたの。


ビシイッ!!

「あうっ!」


すごいいい音がしましたわ!

ズボンに十字型のへこみが出来て、この技がちゃんと一閃で十字の技が出るってわかりましたわ。


「クリス様。必殺技スペシャルって言わなくていいのでは?」


そう言えば、レオパルドタンクマンも言ってませんわね。


「『十字斬撃クロススラッシュ』よ!」


ビシイッ!!

「くうっ!」


出ますわね。


「『十字斬撃クロススラッシュ』!そして『十字斬撃クロススラッシュ』よ!」


ビシイッ!!

「あうっ!」


あら?連続では出ませんのね。


どのくらい時間があけばいいのかしら?



-主人公ケイト視点-


クリス様は時間を計りながら俺のお尻をひたすら鞭打ち始めた。

いわゆるクールタイムってやつだよな。


うん、たぶん20秒くらいだ。

結構連続使用できるんだな。


「あら?」


ん?どうしたのかな?」


「ケイト、『もう一つの必殺技スペシャルが使える予感』がしたわ」

「え?」


クリス様を見るけど、からだが光ったりとか、特に違いは見つからない。


「いきますわ!『百花繚乱斬ハンドレットスラッシュ』!」


シュババババババッ!

シュババババババッ!

シュババババババッ!


「いだだだだだだっ!」


あかん、これは痛い!

服の上からなのに、お尻の皮がむけそうだ。


「結構効いたかしら?きゃっ?!」


あれ?どうしたのかな?



-王女クリステラ視点-


シュババババババッ!

シュババババババッ!

シュババババババッ!


すごいですわ!

わたくしの周囲で、鞭が舞い踊っているようですの!


ケイトのお尻にも何十発もの鞭が当たっていますわ。


「結構効いたかしら?きゃっ?!」


ケイトのズボンが破れて、おそらくその下の下着も破れて、すこしですけど、お尻がみえていますの!


ほんの少しですけど、ケイトのお尻ですわ。

思わず目を覆いますの。

でも、ちょっとだけ指の間から見ますわ。


見事に破れてますわね。


怪我とかはしていないようですけど、赤くなっていますわ。


「ケイト、ズボンとか下着をやぶってしまったみたいですわ」

「えっ?ああ、ちょっとなら大丈夫です。針と糸を出して直します」


針と糸で直すって、『翔学生の家庭』で見ましたけど、難しそうでしたわ。


「良くやってましたから、楽勝ですよ」


ケイトは有能ですわね。

お仕置きはもうこの辺でいいですわ。


「ケイト、そろそろ片づけて夕食にしますわ」


ぽん!


わたくしは突然元に戻って、領地の隅に立っていましたわ。

ちょうど元に戻る時間でしたのね。


ケイトはそれに気づいて椅子の状態になっていますから、わたくしは腰を下ろしますの。


いい運動でしたわ。


「ケイト。ズボンは少しの破れですから、直すのはあとにして、夕食からしますわよ」

「はい」


さあ、今日の夕食はケイトに何を出してもらおうかしら?

お読みいただきありがとうございました。

ブックマークとか感想とかいただけると嬉しいです(^ー^)♪


次回も明日、12月13日18時更新です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ