第17話 ドS王女様は○○○をしません。そういう世界なの?
『舞闘会』説明用の資料回を入れたいけど、結構長いんですよね。
スロー(エロー)ライフメインだから、資料回は無くしたいし…。
舞闘会がメイン化する予定はありませんが、舞闘会がエロくなる可能性はあります(*^^*)
令和2年1月5日
言い回しを微修正。
-主人公ケイト視点-
運動後ということで、ちょっと休憩。
その時間を利用して、教科書を読んでいる。
と言っても、クリス様の椅子の状態でだけど。
魔法の教科書も読んでいきたいけど、気になったことがあるから、それを先に探している。
うーん、目次で探して見つからないから、一応全体を速読もしたけど見つからないな。
でも、クリス様には聞けないよなあ。
きっとこれから暮らしていけばわかることだろうけど…。
俺が調べたかったことは『お○ら』だ。
クリス様は俺の背中にずっと座っているにもかかわらず、一度もしていない。
ヒロインだから『○なら』はしないかもしれないと思ったが、実は俺も出ない。
出そうと思っても出ない。
そもそも、『うん○』も出ない。
食事は少なくても毎朝出ていたのに?
『おしっ○』は出るんだよな。
なんでだろう?
あと、洗面所に歯ブラシが無かった。
虫歯にならず、常に口が清潔になるってこと?
自分ではわかりにくいけど、食べた後に口から食べ物の匂いがしないような気がする。
もしかして、この世界は狭すぎるせいで、『垢』とか『小さなゴミ』とか出ないのでは?
でないと、こんなに畳に塵ひとつ無いのはおかしいよな。
たぶん、毛も抜けないんだ。
まてよ、石けんにはクリス様の毛が付いていたな。
抜けることは抜けるのか。
じゃあ、床に着く前に消える?
もしかすると『目く○』や『鼻○そ』とかも無いかも。
ほじって確かめる手もあるけど、それはトイレの時にしよう。
シャンプーは無かったけど、石けんで頭や体を洗っていたから、汚れはあるんだよな。
それとも『洗う』っていう行為自体が習慣になっているのか?
異世界ってアニメみたいな世界だから、そもそもそういう細かな異物は存在しないのかもしれないな。
うーん、ウォシュレットを召喚してクリス様を驚かせるってことは出来ないかもしれないな。
いや、確か女性用の『びで』っていう洗浄ボタンあったよな。
あれは使ったことないけど、多分女性の前用だから、クリス様に使ってもらえるかもしれないな。
あっ、でもそんなものを勧めたら『大変態ですわ!』って怒られるかも。
おっ?社会の教科書に面白いことが書いてあるぞ。
『世界史。この世界の始まり』
この世界はあまりにも多くの人々が住んでいた。
差別が顕著であり、それが元の争いも多かった。
そして『神』は全ての人にこう言った。
『汝ら全て、王であるべし』
そして差別は無くなった。
また、全ての者は与えられた領地に住むこととなり、必要な物は召喚により呼び出せるようになった。
それは人口増で狭くなった世界で人が生きていくために必要なことであり、人同士が出会うことが無くなったため、争いも起きなくなった。
『舞闘会』のみ、ルールに則った戦いの場として、人々から完全に戦う力を完全には奪わないようにした。
この世界の成り立ちがまるで神話のように書かれている。
そうか。それで、こんな世界になったのか。
俺の居た世界、人口増えて戦争が増えたらこうなるのかな?
いや、神様が居ないから、こうはならないか。
それに神様が作った世界なら『うん○』ができなくなっても不思議はないか。
もし『うん○』を召喚したら、何が起こるんだろ?
いや、もしかしたら禁呪かもしれない。
怖いから試すのはやめておこう。
-王女クリステラ視点-
ケイトがすごく熱心に教科書を読んでいるわ。
そう言えばケイトは『椅子』ですから、わたくしのテストの時には一緒に居るのですわね。
難しい問題の答えとか教えてもらえるかもしれませんわ。
いいえ、そんな卑怯なことはいけませんの。
いえいえ、椅子であり下僕であるケイトはわたくしの一部も同然だから、やっぱり問題ないはずですわ。
テストはこの場所で教科書やノートを封じられた状態で行われますのよ。
もし、ノートではない紙に答えを書いておいても、テスト中は消えてしまいますわ。
どこに行くのかわかりませんけど、テスト終わったら戻ってきますのよね。
もしかすると、ケイトもテスト中に消えるのかしら?
それでも戻って来るなら問題ありませんけど。
やっぱり、わたくしがきちんと勉強すべきですわね。
テストでよい成績をとって、ケイトに必要な分の魔晶石を稼がないといけませんもの。
稼ぐ…そうですわ。
ケイトも何か、稼ぐことが出来るんじゃありませんの?
ケイトがエメル姉さまみたいに何か作って、『通信売買』で売ったりしたらどうかしら?
「ねえ、ケイト」
わたくしが声をかけると、ケイトは教科書を読む手を止めて、顔をあげましたわ。
「あなた、何か物づくりとかできますの?」
「物づくり?」
「『通信売買』で売るものを何か作れないかしら?」
「うーん…」
あら、考え込んでいますわね。
「男がするのは恥ずかしいんですが、売り物になりそうなのは、毛糸編みくらいですね」
「『ケイトアミ』ですの?ケイトの網?」
「いえ、編み物です。毛糸のセーターとか知りません?」
-主人公ケイト視点-
売れそうなものを作れないか?
うーん…物づくりって大したものしてないよな。
プラモ作るくるいならできるけど。
あと、料理とか。
あっ、あれがあったか。
あれはちょっと気が乗らないけど、クリス様のためならやってもいいかな。
「男がするって言うのは恥ずかしいんですけど、毛糸編みくらいですね」
「『ケイトアミ』ですの?ケイトの網?」
うわっ、やっぱり「毛糸=ケイト」って浮かぶよな。
俺の母親が毛糸編みが得意なせいで「敬人」って名づけられたんだよな。
この字をあてたのは父親で、「敬天愛人」って言葉から取ったらしいけど。
小さいころから母親の趣味に付き合っていたせいで、毛糸編みはかなりできるんだよなあ。
『ケイトが毛糸編みしてるんかw』
って友達に笑われてからは人前で言わなくなったけど、妹たちのセーターとか良く編んでいたものなあ。
「いえ、編み物です。毛糸のセーターとか知りません?」
「知りませんわ」
季節ってないのかな?
それでいつも王女様らしい服を着ているのかな?
とりあえず、もらった魔晶石で毛糸のセーターでも出して…いやいや、どうせクリス様に着てもらうなら、手編みにしたいな。
「クリス様、試しに作るので、時間頂けますか?」
「どのくらいかかるのかしら?」
「空いている時間に作るので…簡単な物なら合計40時間もあれば」
「そんなにかかりますの?!」
驚くクリス様。
いや、セーターなら結構速い方だと思うよ。
空いている時間だと、寝る時間も少し削って…あっ、ここは暗くなるからあんまり夜更かしできないんだ。
うーん2週間くらいあれば十分かな?
「どんなものか興味ありますわね」
クリス様は魔晶石を5つ取り出されます。
「これで必要な物は揃えられるかしら?」
必要なセーターの玉の数は編み始めないとわからないけど、妹たちのを作った経験からして…あっ、胸の大きさが違いすぎるか。
そうだ、先に背もたれのクッションカバー作ろう。
椅子に背もたれが無いせいで、クリス様、ずっと壁にもたれているものな。
とりあえず、毛糸玉は6玉か8玉くらいかな。
でも、片手で召喚するには多すぎるよな。
いや、ジュースを大きな瓶に召喚したときみたいに、入れ物があれば魔晶石1つでも沢山の毛糸が出せるかもしれないな。
でも失敗して不揃いの毛糸になったりすると困るし…上級魔法ならいい材料をたくさん出せたりするかな?
「わかりました。やってみます」
一応、着替え用にもらった魔晶石が3つ余っているから、いざとなればそれで追加の毛糸玉を出そう。
魔法の勉強をして、たくさん出せる方法を探したいな。
そもそも『日用品召喚』じゃないだろうし。
あと、早く編める魔法が見つかればいいな。
夜なべ用に明るくする魔法は寝ているクリス様の迷惑だから、暗くても見える魔法がほしいよな。
よーし!目標が出来てきたぞ!
あっ、そういえばセーターを作る時は採寸いるよな。
クリス様のサイズ、測らせてもらえるのかな?
無理だろうけど、せめて教えてもらえないかな?
それまでに、クリス様ともっと関係が深まっているといいな。
お読みいただきありがとうございました。
次回も明日、12月5日更新です。




