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第143話 ドS王女様は新たな領地を探す

新キャラじゃないけど似たような話。

-王女クリステラ視点-


キャンティまで向こうに戻れなくなりましたの?!


「あたしは元々向こうの管理局のシステムの一部だったのをケイトに無理やり実体化させられた存在だ。だから、いつ関係が切られても不思議じゃないのさ」

「戻れなくていいんですの?」

「そもそも意思を持ったのもケイトのせいだから、責任くらいは取ってもらうぞ」

「責任?!」

「ケイト、耳を貸せ」

「うん」


何を言っているのかしら?


「うん、それでいいなら」

「よし。約束だぞ」


ぴろん


クリス『ケイト、何を約束しましたの?』

ケイト『みんなには内緒なんです。今言うとクリス様が声を上げるでしょう?』

クリス『ケイトに責任を取らせるって、ケイトを自分のものにするとかではないですわよね?』

ケイト『当然です。みんなに迷惑はあまりかからないと思うので』

クリス『あまり・・・?』

ケイト『あとで話しますから』


それなら仕方ないわね。


「それでだな。まずあの世界の魔晶石や子宝魔晶石については、お前たちのスキルから生み出されている」


何ですって?!


「『試験』は王や女王が使えるスキルで、それを受けて翔学生の教科書全ての試験をクリアすると、その場で『子宝魔晶石』の種類を選んで、すぐに手に入れられるようになっているんだ」

「あれって、わたくし自身のスキルでしたのね」


お母様はそれで女の子が生まれる『子宝魔晶石』を4つもらえましたのね。


「じゃあ、男性は何がもらえたんです?」

「『超越召喚』専用の『指定魔晶石』だ」


それって何ですの?


「『超越召喚』は普通はまず成功しない。それを指定した内容のものに限り100%成功させられるものだ」

「すごいけど、俺にはあまり必要ないかな?」

「絶対に失敗しないという意味では貴重だぞ。普通は貴重な魔晶石が大量に失われるんだからな」

「それもそうですね」


つまり、この世界でもお母様がわたくしたちに『試験』を行ってくれれば、わたくし自身のスキルで『子宝魔晶石』が手に入るんですわね!


…って確認したいけど、みんなの前で聞くのは恥ずかしいからあとでこっそりキャンティに確認しますわ。


「それでわかるように、あの世界の全ては管理局がその名の通り管理しているものの、多くの役割を本人のスキルに頼っている。『あの世界への出入り』とか『異世界から来た者の体質を変える』とか『困ったスキルを持っている者のスキルを封じる』とかが管理局の仕事だ」

「そういえば、ケイトのスキルは何でしたの?」

「俺のスキルは…『領域設定者ワールドルーラー』らしい」



-主人公ケイト視点-


このスキル、『領域設定者』なら『エリアセッター』とかなのにルビが『世界支配者』って意味の『ワールドルーラー』なんだよな。


職業クラス職業ジョブではないように、ルビで意味を付加しているタイプね」


さすがマリー。詳しいんだな。


「おそらく、特定の範囲を設定できるけど、その対象がどんなものでもできるからそういう名前になっているのだと思うわ」

「うん。説明に『その領域に自由な設定ができる』ってあるよ」

「最初は狭い範囲で、熟達するとそれこそ世界を支配しかねない能力になるはずよ」

「どうしてそんな能力が俺に?!」

「さあ?もしかすると、前世でどこかの世界の支配者か、それ以上の存在だったのかもね」


それだったらすごいな!


でも、この能力はクリス様のために使うんだ!


「あたしが見る限り、今のケイトではこの家くらいしか設定できないと思うぞ」


そうなのか。


「それでしたら、ここで今までみたいな生活もできますのね!」

「今までって、あの半畳生活とか?」

「そうですわ!だって、あのくらいの広さが一番落ち着きますの!」

「クリス様がそう言われるなら、この部屋をあの世界に遭ったような壁で仕切って半畳で暮らしましょうか?」

「それがいいですわ!」


クリス様がすごく嬉しそうで良かった!


「ねえ、クリス、ケイト。この家は借家だからずっと住む気でいたら駄目よ」

「「あっ」」


そういえばそうだった!


「ケイト、どこか住みやすいところを探しますわよ!」

「はい!」



-女王ディアナ視点-


ケイトが居るといつもいろんなことが一気に起きますわ。


それにケイトが『領域設定者ワールドルーラー』に慣れてきたら、わたくしたちの『●スキル』の調整もしてもらって、感覚を変えたりできますの!


今回の事で知りましたけど、ケイトのアレも本来の機能を持たせられるらしいですわ。


それなら子宝魔晶石とは別の子作りもできますの…ああっ、すごくドキドキしますわ!


ケイトに相談してみようかしら?

でも、まだ早すぎますわね。


とか思いつつ、ついクリスとケイトの部屋の前まで来てしまいましたの。


コンコンコン


…返事がありませんわ?


ガチャ


居ませんわね。


あら?

リュックが部屋の真ん中に置いてありますわ。


まさかその中かしら?


…リュックのフタの所に魔法がかかって中を見えなくしていますわ。

音も聞こえないようにしてあるみたいですわね。


クリスとケイトが二人っきりで久しぶりに半畳生活を楽しんでいるようですから、ここは退散しますわ。



-王女クリステラ視点-


やっぱりこの半畳の広さでケイトの上に座っているのが一番落ち着きますわ。


「キャンティが生まれ変わりたいっていいましたの?!」

「はい」


あの時、元の世界に戻れないから『ケイトに責任を取らせる』ってそう意味でしたのね。


「それで、前みたいに卵を『超越召喚』で作って、『上級学用品召喚』でキャンティの精神だけ移しますのね?」

「はい」

「それで誰と卵を作りますの?」

「俺が誰と作ってもクリス様はいいんですか?」

「ケイトが誰と子作りをしてもかまいませんわ」

「それなら、誰かに頼んできます」

「ええ」


全然うらやましくありませんのよ。


だって、ケイトとわたくしの絆を超えられるなんてありえませんもの!



-主人公ケイト視点-


キャンティだけじゃなくって、他の世界で『実体化』させた『鑑定さん』たちも生まれ変わらせないと不公平だろうな。


キャンティ、メルティ、ファンティって3人の『鑑定さん』が居るけど、キャンティ意外の二人っていつもエメル姉さまやサフィの傍にいるからほとんど話もしてないよな。


ぱたぱたぱた

ぱたぱたぱた

ぱたぱたぱた


噂をすれば3人が飛んできたぞ。


「ねえねえ、おいらたちも生まれ変わらせてくれるって本当?すげーな!」

「拙者もでござるか?」


おい


「キャンティ、どうしてこの二人はこんな言葉遣いなんだ?」

「別にいいだろ?あたしだってそもそも性別がないのに女性化させられたから『あたし』って少し男っぽい口調にしているんだし、こいつらだって『個性』がほしいとかでこの口調になったんだ」


口調や個性よりも全然女性っぽくない一人称に問題があるんだが。

特にメルティの話し方は違う意味で危険だ。


「おいら、ワクワクしてきたぞ!」


それ以上は危険だからやめてくれ!


「キャンティたちが生まれ変わるための卵を作るですって?!」

「二人で作らないといけないから誰かに手伝ってほしいんだけど」

「ボクは手伝いたいな。あっ、でも本当の子供も…」


サフィ、怖いこと言い掛けないで!

よし、それなら…


ぴろん


ケイト『サフィ、俺との子供はどっち・・・で作りたいの?』


「はうっ!」


サフィが真っ赤になってうずくまってしまった。

やりすぎたかな?


ぴろんぴろんぴろん


え?


わああああああっ!


サフィのとても言えないような写真が連投されてきた!


「ふふっ、仕返しだよ」

「すまん、悪かったからやめてくれ」

「二人で何してるのよ」


あきれた目でこっちを見ているエメル姉さま。


「私も興味あるからやろうかしら?別に本当の子供じゃないものね?」


エメル姉さまも手伝ってくれるんだ。


「シェリーはやりたいわよね?」

「え?マリー様は?」

「私は別にいいわ」

「それでしたら私が」


ぴろん


マリー『ケイトとの最初の子供は三つ子って決めているのよ』


なんだそれ!

魔族って好きに産み分けられるの?!


とりあえず順番にやろう。



何だかどっと疲れたな。


あとは声掛けをして早く孵るようにしないとね。


それと…このキャンティたちの精神を取り出した『抜け殻』はどうしよう?

キメラの体みたいに一応異次元箱に入れておくか。



そして数日後。


3つの卵は一斉に孵化した。


3人とも翼の生えた16歳くらいの少女になっている。


もちろん裸だったから服は素早く召喚して着てもらったけど。


「さてと。ケイト」

「何?」

「さっそく責任を取ってもらおうか?」

「え?だってその体にすることが責任を取るってことだよね?」

「今まであたしにどんな仕打ちをしてきたか覚えているか?」


え?

何かひどいことしたっけ?


「部屋にあたしがいるのに、いつもクリス様とエッチなことを…」

「あああっ!」


慌てて手でキャンティの口をふさぐ。


「ケイト、そんなことしてたの?」

「キャンティ、可愛そう…」


ああっ、シェリーとエメル様の目線が冷たいっ!


「私はケイトとなにかする時は外に居てもらったのよ」

「ボクもね」


そんなことまで気を使っていたのか。


「この体にしてもらったから、遠慮なくできるよな?」

「で、でも●のスキルがまだ…」

「この世界で生まれた卵にそれはない。だから王妃たちも体質は変わってないだろ?」


そういえば、『私にもスライムを入れてください』ってジャンヌ王妃に言われてたんだった。

アンリにしてもらってって言っちゃったけど。


「とりあえず、スライムは入れてもらうぞ」

「おいらも」

「拙者も」

「他の二人は関係ないよね?」

「おいらを仲間はずれにするってひでーな!」

「拙者もお願いするでござる」


だから妖精みたいに可愛い顔と姿でその口調おかしいから!


ああもう!


「わかったから!その代わり!」

「ボクにまかせて!」

「カリナにまかせるです!」


みなまで言わなくてもサフィとカリナがささっと寄ってきてくれた。

メルティとファンティは二人に任せよう。



スライムを注入する過程でメルティとファンティが気絶した。

サフィとカリナがちょっと(かなり)いたずらしながらやったせいだな。


「さて、キャンティの番だね」

「せっかくだから3人がかりでしようよ」

「それがいいです!」

「ま、待つんだ!あたしはちょっと興味があっただけで、あんなふうになるまでしてほしいなんて…」

「問答無用だよ」

「大丈夫、優しくするです」

「二人とも甘いよ。キャンティには今までの謝罪も込めてうんと満足・・してもらわないといけないから」


「「「全力で!」」」


「いやあああああんっ!」



初めてキャンティの女の子らしい声を聴いた気がする。

お読みいただきありがとうございます。

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次回は5月16日土曜日18時更新です。

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