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第124話 搾乳王女と血の繋がった妹は理想の夢を見る

夢は欲望の園

-主人公ケイト視点-


サキュバスに変身した写真を撮られたせいで、夢の中に行けるという能力を教えることになった。


「マリナはあまり夢を見ないの。いつも熟睡するせいかも。エメル姉さまは?」

「私は夢を見て『これは夢ね』ってわかった時に好きなことをしようとするのだけど、あまりうまくいかないわね」

「そうなの?夢って結構好き勝手出来るのに。ねえ、シェリー」

「マリー様の言われるとおりですが、きっと魔族の精神力が強いせいかと思います」


そうなのか。


「でも、お兄ちゃんが夢の中に来てくれるなら嬉しいの」

「私は別に…でも、ケイトが居れば何か楽しいことができるかもしれないわね」


今夜はシェリーと寝る日だから、やるとしたら明日かな?


「1週間ここにいられるから、1日くらい冒険を休んでもいいよね?」

「エメル姉さま、賛成なの!」


というわけで、まさかの朝寝継続。


「朝ごはんの支度するから待ってて」


そう言ってエプロンを纏って台所に立つマリー。


「食べてすぐ寝ると牛になるって言うけどいいのかな?」

「えっ?本当なの、ケイト?」

「エメル姉さま、それは迷信なの」

「そうよね。牛になったら怖いもの…そういえば牛ってどういうものなのかしら?」


え?エメル姉さま知らないの?

今度牧場に連れていこうかな。





食事が終わって、まずマリナの夢に入ることに。


「眠れるように『睡眠』の魔法をかけるね」

「お願いするの。ねえ、お兄ちゃん」

「何?」

「あのね、夢の中であったことは絶対に誰にも言わないでね」

「わかってるよ」


マリナの夢がどんな夢か楽しみだな。


もしかして俺と夫婦になってる夢とか。


普通にありえそうだよな。




ここは教会の中?


目の前に花嫁衣裳のマリナが居る。


「汝、健やかなるときも病める時も…」


これって結婚式だ!


あれ?おかしいぞ。


参列者が誰も居ない。

カリナすらいない。


どういうこと?


「はい、誓います」

「誓います」


誓いの言葉が終わって、二人はキスをする。


「次はカリナの番です」


といきなり牧師さんの姿と声がカリナに変わってる?!

さすが夢。何でもありだ。


そしてマリナは花嫁衣裳のまま、牧師の役をするみたいだ。


「誓います」

「誓うです」


それにしてもなんで3人だけ?

異世界に来てからの結婚式だから?


ひゅんっ


急に場面が変わって、どこかの部屋。


目の前にすごく大きなベッドがあって、花嫁衣裳のままのマリナとカリナが待っている。


待て待て。


これって初夜だよな?

マリナ、今回の夢に俺が来るってわかってこの場面選んだの?

それとも無意識?


もう少しだけ付き合ってあげよう。


「お兄ちゃん、結婚してくれてありがとうなの!」

実の兄妹・・・・だから親戚にも友達にも反対されたけど、誰にもカリナたちを止めることなんてできないです!」


『実の兄妹』って設定だから誰も居ない結婚式だったのか。


「お兄ちゃん…実の兄妹でも、子供ができなければエッチしていいの」

「おにい、カリナとマリナはまだきてないから・・・・・・・・大丈夫です」


見た目は今と変わらないけど、いったい何歳の設定なの?!


「お兄ちゃん」

「おにい」


いつの間にかベッドに寝させられて、半裸の花嫁衣装になったマリナとカリナがのしかかってくる。


「ここまで!」


ここでストップかけないとね。



-双子の妹マリナ視点-


お兄ちゃん、やっとひとつになれるの。


実の兄妹・・・・でも結ばれることができるの!


マリナはカリナと一緒にお兄ちゃんの上にのしかかって…


「ここまで!」

「きゃっ!」


お兄ちゃんの大きな声で横に居たカリナが消えたの!

どうして?


…あっ!


これって夢なの!


すると…本物のお兄ちゃん?


「さすがにここまでにしないとね」

「お、お兄ちゃん。あのね、その」

「うん、さすがにこの設定は驚いたけど」

「あのね、これってマリナが子供のころから良く見ていた夢なの」

「え?」

「この世界に来るまではずっと実の兄妹だと思っていたから、せめて夢の中だけはって。でも、実の兄妹じゃないってわかってもこの夢を見るの」

「どうして?」


どうしてって…う、ううう。


「実の兄妹じゃないからお兄ちゃんと結ばれることができるのは嬉しいけど、本当は実の兄妹でそれをしたかったの!マリナはいけない子なの!」


ああ、お兄ちゃんに軽蔑されるの。

きっと馬鹿だって思われるの。


ぎし


え?


いつの間にか体制が逆になってマリナがお兄ちゃんにのしかかられているの。


「夢の中では実の兄妹だよな?」

「うん」

「じゃあ、結ばれようか」

「え?」

「その代わり、途中までだからな」


お兄ちゃん…マリナの夢をかなえてくれるの?!


「お兄ちゃん大好き!愛してる!血がつながっているけど、マリナを愛して!」

「ああ、血のつながっているマリナをいっぱい愛してあげるよ」





はう。

途中までとはいえ、色々やってしまったの。

で、でもそんなにものすごくエッチなことはしてないから!


でも夢の中には『みょぎりんこ』が無いから危険すぎるの。


だから自重するの。

…たまにはしたいかも。



-主人公ケイト視点-


「ん?うーん」

「ケイト、目が覚めた?」

「あっ、エメル姉さま」

「じゃあ、次は私ね」

「マリナは?」

「先に起きて真っ赤になって逃げて行ったわ。何をしたの…って聞かないけど」


うん、赤くもなるよな。

最後までしてなくても、とてもエメル姉さまには言えないよ。


「じゃあ、眠るわね…すやあ」


眠るのはやっ!

それに朝なのに魔法もいらないの?


よし、このまま続けて夢の中に行くぞ!



-王女エメラルディ視点-


いつも何かを作ろうとする夢なのよね。


今日は…『牛』がたくさんいるわね。

するとここが『牧場』なのね。


牧場の管理者さんが来たわ。


「エメル様!ここの牛のミルクを絞る機械を作ってください!」

「任せて!」


マリナに『牧場ってところにたくさんの牛が居て、そこから手や機械でミルクを絞ったものが本来の牛乳』って教わったのよね。

それが私の夢に反映しているんだわ。


それにケイトが寝たら牛になるなんて言うからこんな夢になったのかも。




「できたわ!『ハンディ搾乳機』よ!」


ハンディと言っても手で持ち運べる大きさって意味だけじゃなくて、機械自体が手の形になっていて、牛の乳を自動で絞ってくれるのよ。


さっそく牛のおっぱいに付けるわね。


きゅっきゅっきゅっ

ぴゅ、ぴゅぅ


ちょっと出が悪いわね。

調整が必要だわ。



-主人公ケイト視点-


ここって何?


『壁』に囲まれた所にたくさんの上半身裸の女性が居る。


みんな角が生えていて白黒まだらって…まさか乳牛?!


みんなその巨乳に色々な機械を付けている。


機械の手で絞られる牛人間。

機械の口で吸いだされる牛人間。

ローラーみたいなもので胸を圧迫されてミルクを飛び散らせている牛人間。


他にも色々。


「どれが一番うまくいったかしら?」


全部エメル姉さまが作ったんだな。

夢では何でもできるとはいえ、色々なアイディアを出せるのってすごいな。


「あら、ケイトちゃん」


ん?ケイトちゃん?


ああっ!俺の体が6歳児に!


「見て。色々ミルクを絞る機械を作ったのよ」

「わあ、お姉ちゃんすごい!」


あれ?体が思うように動かない?

それに言葉が幼児みたいだし、勝手に話すぞ。


「でも、どれも納得できないのよ」

「そうなの?」

「やっぱり実際に絞られて・・・・・・・みないと・・・・わからないと思うの」


え゛?

実際にってまさか…


「だから、ケイトちゃんに手伝ってほしいの」

「うん」

「まず手で絞って。それから口で吸ってもらうわ」


わ、ま、待って!


「うんっ」


『うん』じゃないよ、俺!


エメル姉さま、もしかしてマリナの時みたいに無意識の夢なのか?


何とか抵抗して(むにゅ)夢の中なのにやわらかっ!


ああっ、だめ!

やめるんだ俺っ!




うう…一通りやってしまった。

というかやらされてしまった。


牛人間相手に・・・・・・


エメル様相手かと思ったけど、まあ牛人間ならいいか。



-王女エメラルディ視点-


もみっもみっ


はう、ううっ。


ちゅう、ちゅう


はう、ああ、ケイトちゃんっ。


本物のケイト相手に暴走するところだったけど、私の姿(・・・)でやるのを思いとどまって良かったわ。


ケイトもまさか牛の中身(・・)が私だったとは気づいていないようね。


そこにいるエメルはただの『飾り』なのよ。


ぼんっ


あっ!ケイトが本来の大きさになったわ!


「やっと自由に体が動かせるな。なあ、エメルそろそろ終わっていいか?」

「…」

「あれ?反応が無い?」


そっちの私は意識が無いからよ!早く戻らないと!


…え?うまく戻れない?


「どうしたんだろ?それにしても、夢の中とはいえ、裸の女性ばかりとか…早く戻りたいんだけどな」


あっ…ケイトの息が胸に当たってる…。


もにゅ。


「ん?胸を顔に押し付けてきて、もしかしてまだ飲めっていうのか?まったくどういう夢なんだよ。それならエメルが試せばいいじゃないか」

「うん」


え?ちょっと待って!

どうして『中身が居ないはずの私』が返事をして動くの?!


「自分で…試す」


もみっ


「ああっ!」

「この牛人間、角が生えているけど顔はなんとなくエメル姉さまに似ているんだよな。声も似ているような?」


ちゅうっ、ちゅうっ


「だめっ、そんなに強く吸わないで!」

「エメル、牛さんが困ってるぞ」

「ケイトも手伝う」

「「え?」」


な、な、何言ってるの?!

待って、夢って自分の深層下で考えていることが出るとか言うわよね。


まさかこれって私が望んでるの?!


「ケイト、手伝わないと駄目」

「仕方ないなあ。まあ、一応牛だからいいか」


良くないわよ!

でも『私が本物のエメルよ!』って言ったら、ケイトちゃんにさっきさせていたことがバレてしまうわ!


ああっ、ケイトの手が!口が!


「やめてっ!」


ぴたっ


「まさかこっちがエメル?」

「あ、うん。その、なぜか『たった今』こっちに乗り移ったみたいなの」

「そうか、気づいてよかった。じゃあ戻ろうか」

「うん」


うまくごまかせた…わよね?



「…あら?私とケイトだけ?」


マリーさんたちが居ないわ。


「…」

「ケイトったらまだ寝ているのね」


サキュバスになったケイトって私より胸がでかいわね。

さっきの夢の牛くらいあるわ。


ケイトに吸われたお返しをするべきかしら?


ぺろん


この服って簡単に胸をはだけさせられるのね。


…誰も見ていないからいいわよね?


ちゅ…


コンコンコン


「ひゃわっ!あ、どうぞ!」


ささっ、とケイトの胸を隠すわ。


あぶなかったわ。

とんでもないことをするところだったわね。


「シェリーさん。おはようございます」

「エメルは起きたのね。ケイトはまだ寝ているのか」

「ええ。目が覚めたのは私だけみたいで」

「ケイト、ケイト!…まさか?」

「どうしたの?」

「どうやら、ケイトが夢に取り残されているらしい」

「ええっ?!」

お読みいただきありがとうございます。

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次回も明日、3月16日18時更新です。

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