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第120話 露出王女は椅子に全てをさらけ出す

新たなる扉

-王女エメラルディ視点-


デスハーピーを殲滅して、冒険者ギルドで報奨金をもらったわ。


いっぱいお金を貯めて、いろんなものを買いたいわね。

この借家もいつか持ち家にしたいわ。


「お疲れさん」

「ねえ、ケイト」

「なあに?」

「私の事、奥さんって言ってたわよね」

「本当は違うけどね」

「じゃあ、何なのよ?」

「同じ日に生まれた、頼れるお姉ちゃんで、可愛らしい妹でもある、大好きな人」

「ふうん。そんなこと言って照れさせる気なんでしょ?」

「あ、バレた?」


そうやって私を赤面させようとして楽しんでいるのね。

逆にこっちが赤面させてやるわ。


「私もね、ケイトのこと大好きよ。愛してるわよ」

「え?え?あ、うん。ありがとう」


ふふっ、赤くなってるわ。


「お兄ちゃん、お風呂お先にいただいたよ」

「マリー様と私はもう入ったから、あとはケイトたちだけだぞ」

「わかったよ。じゃあエメル、入ろうか」


え゛?


「あと俺たちだけだから、一緒に入ろう」

「ま、待って」

「頭洗ってあげるね。体も綺麗にしてあげるよ」

「ど、どうしてそんな話になるのよ!」

「だって愛してるって」

「だからって、急にそんなことできないわよ!」

「そっか、残念だなー」


あっ


ケイトったら、私に仕返しするつもりで言ってるのね。

それなら逆にこっちがからかってやるわ!


「べ、別に一緒に入ってもいいわよ。それより、ケイトの全身を洗ってあげようかしら?」

「え?いいの?」

「へ?」

「嬉しいなあ。じゃあ行こうか」


ひょい


お、お姫様抱っこ?!


「ちがうの、これは、その」

「子供になった時を除けば、マリナやマリーでも全身を洗ってくれたことはないからな。初めて(・・・)がエメルお姉ちゃんって嬉しいな」

「初めてなの?じゃあお姉ちゃんに任せて!」





ふふふ

まあ

あら

わわわ

はうう

あわあわ



「ありがとう、エメルお姉ちゃん」

「よ、喜んでもらえて良かったわ」


やってしまったわ。


つい、お姉ちゃんらしさを見せようとしてやってしまったわね。


タオルで洗ったとはいえ、これって奥さんとか超えてない?


「じゃあ、可愛い妹のエメルはどうしてほしいのかな?」


う゛


そ、そうくるのね。


そうよね。

わたしたちは、姉弟であり兄妹なんだもの。


「お兄ちゃん。エメルを隅々まで綺麗にしてほしいな」

「うん、まかせて」



あうう

はあう

あうあう

ああっ

だめ

そんなところまで洗うの?


「ごめん、やっぱり無理!」

「いいよ、無理しなくて」

「うん、えっとでも…ちょっと見せるだけね」


どうしてこんなことする気になったのかわからないけど…


まさかそのせいでとんでもない発見をするなんて…


その時は思ってもいなかった。


「ど、どう?」

「うん。すごく綺麗だよ」

「ああ、ケイトに見られてる…ケイトに…あ、あああああっ、だめっ!あああんっ!」


!!


…い、今の何?


触れてないのに『みょぎん』の強いのみたいなのが来たわ。


「ケイト、これって…」

「エメル…まさか」


私たちは新しい扉を開いてしまったみたい。



-主人公ケイト視点-


お風呂を出て部屋に戻ってきた。


「ケイト。魔法で音を聞こえないようにしてある?」

「うん、大丈夫だよ」

「じゃあ、試すわよ」


今夜はエメル姉さまと寝るのだけど、その前にさっきの風呂場でのことを確かめることに。


「たぶん、あれが私たちの世界にないはずの『アレ』よね?」

「たぶんね」

「ケイトはマリーさんたちで見てるからわかるでしょう?」


確かにマリーたちの角をあれこれしてあんな風になるけど。

まさか見るだけでなるなんて。


これが『みょぎりんこ』にも『みょぎん』にもならないのは、あの世界のシステムではそういう特殊な性癖は考慮されていないんだな。


「でも、あそこまでしなくていいと思うのよ。ほら、お風呂場だからあんな格好が恥ずかしかったわけだし、部屋ならそこまでしなくても十分恥ずかしがれると思うのよ」


エメル姉さまの考えでは、『恥ずかしさの延長上』に『アレ』があると考えているみたいだ。


「だから、えっと、ほらこうやって」


すすすす


パジャマを上にまくり上げて行き、胸が見える直前くらいで止める。


「恥ずかしい?」

「あ、当たり前でしょ?」

「それでどう?」

「何もないから、もう少しだけ」


すすすす


だんだん胸の膨らみが見えてくる。


「あ、だめ、見ないで。ううん、見て。目をそらさないで…あ、んっ」


ぴくん


「ちょっとだけなった・・・

「そ、そうなんだ」


こっちも相当恥ずかしいんだけどな。

エメル姉さまは大まじめだから。


「ケイト、どうしてだと思う?」

「うーん…『神託の王座オラクルスローン』使う?」

「すごくエッチな事を言われそうで怖いわ」


思いついたことがあるけど…エメル姉さまには言えないよな。


「ケイト、何か思いついたのね?」


エスパー?!


「怒らないからお姉ちゃんに言いなさい」

「もしかしてエメルお姉ちゃんって『露出狂』かも」

「それって何?」



-王女エメラルディ視点-


『露出狂』って他人に裸を見せて喜ぶ性癖の人ですって?!


「違うわよ!私はケイトだから…って何言わせるの!でも、誰にでもってわけじゃないのよ」

「そうだよな。もしそうだったら、エメルお姉ちゃんが全裸で外を歩き回るところだったから」

「そもそもそんな変態行為できないわよ!」

「姿を消す魔法とかあるけどね」


どきん


「ケイト…それならできるかもしれない」

「待って!絶対に外でやるとか駄目だから!いくらエメル姉さまのお願いでも駄目だから!」

「さすがにそれはしないわ。でも、ここでならいいわよね?」

「え?」




ケイトに無色魔法の『姿隠し』をかけてもらって…ケイトにはベッドの上をじっと凝視してもらう。


そして、私はその上で服を1枚ずつ脱ぎ捨てていくの。


ああっ!

ケイトに見られてる!


焦点が合ってないわよね。

だから、本当は見えていないんだわ。


こんなふうとか


ぎしっ


こんなふうとかも


ぎしっ


ほら、ケイトの前でどんな格好をしても反応が無いもの。


ぴろん


メール?

声を出すと魔法が解けて姿が見えるようになるからメールで会話するのね。


ケイト『どう?』

エメル『あんまりわからないわ』

ケイト『違ったみたいだね。ごめん』

エメル『いいのよ』


なんて言いながら、ケイトに向けてさらにこんなポーズをしてみたり。


ケイト『あの…あんまり動くと、シーツのしわとかベッドのへこみでなんとなくわかるというか…』


えっ?うそっ!


ぴくっ


あっ!

い、今、少しだけ来たわ!


やっぱり少しは見られていないと駄目なのかしら?



もうこのくらいにしておきましょう。

かなり恥ずかしくなってきたもの。


ベッドから降りて着替えるわ。


ずるっ


え?


「きゃあああっ!」


どっすん!



逆さまになって…声を上げたから魔法が解けて…ケイトの驚いた顔が見える。


見られたっ!


あ、あああんっ!


(シバラクオマチクダサイ)



「ん…ケイト?」

「気絶していたけど大丈夫?」

「うん。でも、気絶はぶつけたせいじゃなくて『アレ』のせいだから」


ケイトに見られて目標達成・・・・になってしまったのね。


布団をかけてもらってあるけど、とりあえず布団の中でパジャマを着なおすわ。


「疲れたから、このまま寝てもいい?」

「うん」


試したいことがあるから、早く寝るわ。



-主人公ケイト視点-


朝。


夕べは大変だったな。


でも、新発見には違いないか。


エメル姉さま限定かもしれないけど。


「あれ?エメル姉さま?」


隣に居ない?いや、居る。


頭まで布団中に潜ってる。


「朝だよ」

「うーん、もう少し寝させて」

「だーめ」


エメル姉さまにしては珍しいこと言ってるけど、もう7時だから一気に布団をめくって…


バッ!


「え?」

「あっ!あああんっ!」


目の前でエメル姉さまが体を痙攣させて気を失った。


…まさか布団をめくらせるためにあんなこと言ったなんて。

そしてまさかあんなあられもない格好をしているなんて。




「…ケイト、おはよう」

「変態なお姉ちゃん、おはよう」

「ひどい。ケイトだって嬉しかったでしょ?」


そりゃあ、そうだけど。

触れないから生殺しだよ。


「あと、このことは二人の秘密にしない?」

「さすがに教えられないよね」

「絶対内緒よ」



-王女エメラルディ視点-


朝ごはんまでちょっと自室で一人きり。


すごい自己嫌悪だわ。

でも良かったのよね。


ケイトの世界にはこういう性癖の人が居て、ケイトは知っていたのね。

身の回りに居たのかしら?


ううん、たぶん本か何かで見たのね。


本?

もしかして召喚できるかしら?


教科書じゃないから、玩具?日用品よね?


「『日用品召喚』ケイトの世界の露出狂の参考書であんまり変態っぽくないもの」


出ないわ。


たぶん『露出狂』って時点で変態っぽいものしかないのね。


「『日用品召喚』ケイトの世界の露出狂の参考書でそんなにいやらしくないもの」


ぽん!


出たわ!


『はじめてのろしゅつ』


何だか子供向けっぽいのね。

表紙は文字だけだわ。


生身は…はうっ!


ぱたん


こ、これで初心者向け?


ぺら




コンコンコン


「ひゃっ?!」

「え?エメル姉さま、大丈夫なの?」

「マリナ?ごめんなさい。ちょっと持っていたものを落としかけたの」

「大丈夫でした?」

「ええ、セーフだったわ」

「あのね、朝ごはんなの」

「すぐ行くわね」


おもわず読みふけってしまったわ。


…ケイト、こんなことをしたら軽蔑するかしら?

エッチなケイトだから、きっと受け入れてくれるわよね?


とりあえず異次元箱にしまっておきましょう。


それにしても、こんな参考書があるなんて、ケイトの世界って変態が多いのね。

お読みいただきありがとうございます。

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次回も明日、3月12日18時更新です。

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