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第119話 双子の姉はすごい演算力を発揮する

今回は普通で、次回がエロいかも。


アイテム名修正。

-双子の妹マリナ視点-


今日は冒険者ギルドに登録して、初めて依頼を受けるつもり。


楽しみなの!


冒険者ギルドの『テンプレ』とかあるのかな?


とか思っていたら、冒険者ギルドの登録をしている間に他の冒険者の女の子がモヒカン頭の男たちに絡まれていたの。


「ヒャッハー!綺麗な白い肌してるじゃねーかよ!」

「な、何ですかあなたたちは?」

「ヒャッハー!薬草集めだって?そんな露出度の高い格好で男でも集めに行くつもりかよお!」

「なんなら俺たちが集まってやるぜ!」

「いや!近づかないでください!」


『テンプレ』は女性だけの新人パーティーを狙ったみたい。


ぴろん


マリナ『お兄ちゃん。そろそろやっつけた方がいいんじゃないの?』

ケイト『別に手も触れてないからいいよ』


え?

お兄ちゃんなら絶対助けると思ったのに。


「これでも喰らいな!」

「いやあっ!」


モヒカン男が殴りかかったの!


思わず魔法を


がしっ


お兄ちゃん?!


「ギルド内で魔法は厳禁だよ」

「でもっ!」


ああっ!やられるの!


ばっ!


「この『ヒヨケレモン』を喰らいな!」

「え?」

「ヒャッハー!屋外では日焼けは大敵だぜ!日除け効果のある護符を買えないうちはこいつに限るぜ!」

「え?え?」

「今回はタダでくれてやるから、今度からは自分で買うんだな!それに冒険者は基本長袖だぜ!ヒャッハー!」

「あ、ありがとうございます…」


な、何なの?


「彼らは『世紀末ヒャッハー』というパーティーで、あんな見た目だけど新人教育に熱心なんだ」

「じゃあ彼女たちの服装が野外探索に向かないから、日焼け防止のアイテムをあげたってことなの?」

「それ以外の何に見えるの?」

「紛らわしすぎるの!」


このギルドではよくある光景で、だから誰も止めなかったらしいの。


マリーさんもシェリーさんもマリナの様子を見て必死に笑いをこらえていたみたい。


ひどいの!


「本当にひどいの!ねえ、エメル姉さま!」

「う、うん。そうなのね。ひどいわね。くすくす」

「もしかして、エメル姉さまは気付いてたの?!」

「だって、回りの雰囲気でわかるわよ」


エメル姉さまは洞察力ありすぎなの!


「おう、ケイト!」


金色のモヒカン男がお兄ちゃんと話始めたの!

まさかの知り合い?!


「やあ、リチャード」


金色のモヒカン男の名前がおかしいの!


ぴろん


ケイト『ちなみに銀色モヒカンはアーサー。赤いモヒカンはジェームズ』


ぷ、ぷくくく


駄目なの。

笑いそうなの。


ケイト『青いモヒカンは女の子でアリスだ』


「ぷっ!」

「マリナ、どうしたの?」

「エメル姉さま、何でもないの!」


あれで女の子なの?!あっ、少し胸がある!


お兄ちゃん、あと少しで大爆笑だったの!


「ヒャッハー!女性メンバーの追加か!お盛んだな!」

「そちらこそ、新しいメンバー増えるらしいじゃないか」

「おう!二人目の女性だぜ!今、モヒカンにしている最中だから楽しみにしてな!ヒャッハー!」


モヒカンが増えるの?しかも女性?!


ぴろん


ケイト『こう見えてこいつら貴族出身だぞ。しかもBランク冒険者』


うそっ!

だからあんな立派な名前なのね。


強くて世話焼きで家柄いいとか、外見と言動以外はいい人なの。


「ヒャッハー!美人ばかりで嫉妬深い奴に闇討ちされるなよ!困ったら俺達に声かけな!」

「ヒャッハー!遠慮は要らないぜ!」

「ああ。ありがとうな」


本当にいい人たちなの!



-王女エメラルディ視点-


冒険者ギルドで初めて受ける依頼には制限があって、まず採集とかを勧められるのよね。


でも私たちはケイトやマリーさんが一緒だから初心者扱いにはならないみたい。


だから私の興味のある依頼を受けさせてもらえたわ。



『デスハーピーの退治』


ホリック村にデスハーピーの群れが襲来しており、農作物の被害が甚大であるため退治を依頼したい。



ハーピーって手が翼になっている鳥人間みたいなモンスターだけど、デスハーピーはそれの凶悪種。


凶暴で攻撃力も高いけど、草食だから実際に被害が出るのは農作物と、戦おうとした人だけ。


空を飛ぶから依頼を受ける人を選ぶのよね。

その分報酬も高いけど。


でも、私の作った『銃』のテストをするにはもってこいだわ!


それに全員飛び道具や魔法で攻撃はできるから、私だけが戦うわけじゃないものね。





と言うわけでホリック村に着いたわ。


「うわ、すげえべっぴんさんばっかのパーテー・・・・だな!」

「ずら!おらとこさ、よめっこ、こねーか?」


す、すごい訛りね。


「それでデスハーピーはどこに?」

「そだば、そろそろ来るなもし」


ケイト、さっきの話はスルーするのね。


べ、別にケイトに『エメルは俺の大切なひとだから』なんて言われるのを期待していたんじゃないわよ!


「じゃあ、案内してくれるか」

「へいだべさ」

「それと、うちのメンバーは全員俺の奥さんだから勘弁してくれ」


結局言うの?しかも『奥さん』?!


ぴろん


エメル『ケイト、いつから私がケイトの奥さんになったの?』

ケイト『ごめん。きちんと説明するとややこしくなるから、いつもそう言ってるんだ』


そうなのね。

だからマリーさんとシェリーさんは平然としているわけだわ。


それで初めて聞いたマリナは真っ赤になってるわけね。


私は別に平気よ。

どうせ言葉の綾だもの。


ケイト『でも、エメルは奥さんと同じくらい大切だからね』


ぼんっ


馬鹿っ!私まで赤くしなくていいのよ!



-魔族シェリー視点-


「来たみたいね」


向こうからデスハーピーの群れが来たわ。


数は30匹。

たいしたことないわね。


「じゃあ、やるわよ」


エメルが銃身の長い銃を構えてるわ。


パーン!


…当たらなかったわね。


パーン!


…難しいのかしら?


パーン!パーン!パーン!


ちょっと待って!

当たらないのはともかく、その銃ってどうしてそんなに連射できるの?!


私が見たことのある『ライフル銃』は弾丸をリロードしないと撃てないはずよ。


わかった!魔法の銃ね!

ってまったく魔力を感じないわ。


パーン!


撃ったら薬莢は飛び出しているわね。

どういうこと?


「エメル、それどうなってるのよ?!」

「思ったより銃の調整って手間がかかるのよ」

「そうじゃなくて、どうして連射できるの?!」

「異次元箱から直接装填しているのよ」


何それ!便利すぎるわよ!


「シェリー。ディアナ様が矢を連射していた時にも異次元箱から取り出しながらだったろ?」


ケイトの言う通りだけど、それでも直接弓の所に出すんじゃなくて、ケースに入れていたわよ。


だって、矢がどちら向きに出るかわからないから出たものをすぐにつがえる訳にいかないもの。


「弾丸が逆向きに装填されたりしないの?」

「弾丸がセットされる部分の形状をその向きにしか入らないように作ってあるのよ」


そういうことなのね。


それにしても当たらないものね。


そろそろ私が攻撃しようかしら?


「誤差のチェックは終わったわ。『銃身調整』!」


ギギギギギ


銃のきしむ音がする。

え?この場でスキルを使って調整してるの?


パーン!

パーン!

パーン!


「ギャアアアア!」

「ギャ!」

「ギャウ!」


うそ、全弾命中だわ。


パーン!

パーン!

パーン!


「ギャア!」

「ギャン!」

「ギャフ!」


これ、エメルだけで終わりそうね…ってこともないわね。


もうデスハーピーの一部が近くまできちゃったわ。


「それで、さっきからマリー様は何をしていらっしゃるんですか?」


まるでクリスのように、四つん這いになったケイトの上に座っているマリー様。


「ケイトの『戦乙女の椅子バルキリーカタパルト』の特殊機能を使ってみたいのよ」


特殊機能?


「『戦乙女の椅子バルキリーカタパルト』は座っている女性の戦闘能力を強化するだけじゃなくて、その名の通り、『射出カタパルト機能』があるのよ」


え?

「ケイト、いいわよ!」

「『射出』!」


マリー様がケイトの背から立ち上がった瞬間にすごいスピードで射出されたわ!


「はああっ!」


そして両手に持った剣を翼のように広げ、それを回転させてデスハーピーを切り裂いていく!


すごい!思わず見とれてしまうわ!


「ケイト、ところでどうやって降りるの?」

「普通に飛行呪文で戻ってくると思うよ」


つまり着陸できない人には使えない機能なのね。


「ケイト、私もいいかしら?」

「いいけど、さっきみたいな速さで射出するには最低でも1分は座ってないと」

「じゃあ、次回にするわ」


楽しそうだけど仕方ないわね。


「『重力嵐グラビティストーム』!」


グオンッ!


私は無色魔法を使い、重力の枷をデスハーピーに向けて解き放つ。


範囲内に入ったデスハーピーは重力魔法で数十倍の体重になって落下していく。


どがっ、ばきっ、ぐきっ


頭から地面にたたきつけられてピクリとも動かなくなったわね。


「私もやってみるの!『重力嵐グラビティストーム』」


同じ無色魔法が使えるマリナが私を真似て魔法を使うけど…


ちまっ


嵐と言うよりつむじ風かしら?


範囲内に入った1匹のデスハーピーの体重が5割増しになった程度ね。


「マリナ、最初はそんなものよ」

「うう、早く強くなりたいの!」

「すぐに強く離れないから、できる範囲で工夫するところから始めるといいわ」

「工夫…範囲が狭くてこの威力…いっそもっと範囲を絞って、それで…」


範囲を絞って威力を増そうとするのはいい発想ね。


でも『重力嵐グラビティストーム』は範囲を狭くすると重力が弱くなるのよ。


「えっと、『重力嵐グラビティストーム』の『魔法詳細』が…」


ちょっと待ってよ。


色魔法は魔法ごとに『魔法詳細』っていうその魔法の成り立ちを知識として伝達されるけど、難しい用語や良くわからない数字の羅列でできてるのよ。


それがわからなくても魔法は使えるから、『魔法詳細』は研究者くらいしか見ないのよね。


「…は…だから、『色魔法開発者用言語魔法クリエイターズアセンブル』を起動して、…を…に書き換えて」


な、何やってるの?!

開発者用言語魔法クリエイターズアセンブル』って何?!


「できたの!『重力嵐2(グラビティストーム・セカンド)』!」


ふおん


すごく細い『重力嵐グラビティストーム』が発生して、デスハーピーの翼に命中する。


バシュッ


「ハギャッ?!」


翼に穴が開いた?!

そうじゃないわ。

あそこに重力の塊が出来てる?!


ギュウウウウン


ま、まさか『禁呪:重力洞ブラックホール』を作ったとでも言うの?!


しゅうううん


「あ、失敗なの。ブラックホールになるにはエネルギーが足りないの」

「マリナ!それは駄目だから!禁呪よ!」

「だって、自力で作るのはいいのよね?」

「失敗したら世界が亡ぶわよ!」

「一応安全装置も付けたの」

「どうしてそんなことできるの?」

「内緒なの」


どうなってるの?!



-双子の妹マリナ視点-


エメル様が銃を作っている間、マリナも色魔法の研究をしていたの。


色魔法は『魔法詳細』を解読すれば『開発者用言語魔法クリエイターズアセンブル』の使い方が出てくるの。


でも『魔法詳細』はとっても難しくて解読に時間がかかるから、『内蔵品超電子頭脳』っていう『スパコン』を飲み込んで演算処理させてるの。


『内蔵品超電子頭脳』はすごく大きくて飲み込めない大きさだったから…エメル姉さまから『変化の魔道具』を借りて、こっそり巨人になって飲み込んだの!


元の大きさに戻ってもそれが体内に定着したから大丈夫だったけど、もし排出されるなら、マリナのお尻が大変なことになったかもしれないの。


これはお兄ちゃんやカリナにも内緒の、マリナだけのオリジナルなの。

そのうち教えて、お兄ちゃんにいっぱい褒めてもらうけど。


ふふっ、楽しみなの!

お読みいただきありがとうございます。

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次回も明日、3月11日18時更新です。

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