第117話 ドS王女様は下僕と唇を重ねる
ついに!でも恋人のキスではありません。
あくまでご奉仕なのです。
-王女クリステラ視点-
異世界から戻って、テストの結果を見たらほとんど満点ですの!
今は魔晶石を管理局から『特別手当』として支給されたり『通信売買』でたくさん手に入れたりできますけど、やっぱりテストの結果でもらえる毎週の俸禄は格別ですわ。
また増えたらケイトにご褒美を上げたいですわね。
もう魔晶石では喜ばないかしら?
それならこの前のようなご褒美を…あれはやりすぎでしたわ!
わたくしの高貴な胸を直接下僕に押し付けるなんてやりすぎですの。
やっぱりケイトの一番好きな『わたくしのミルク』かしら?
とりあえずその時に考えることにしますわ。
異世界から戻ってきて、その時の買い物で買った『部屋着』を着ていますの。
王女ドレスよりもずっと可愛しくて動きやすいですわ。
「なあ、クリス様、ケイト」
ぱたぱたと鑑定妖精のキャンティが飛んできましたわ。
「いつもそうやってケイトの上に座っているけど、『戦乙女の椅子』がずっと発動しているのに気付いているのか?」
「え?」
そういえばケイトの職業『最高の椅子』のスキルの一つに『戦乙女の椅子』というのがあって、ケイトが四つん這いになってそこに座った女性の戦闘能力を、座っている時間に比例してあげるのでしたわね。
「戦闘に関わるスキルとか魔法はこの世界では発動しないのではありませんの?」
「攻撃的なものはな。だが防御力、抵抗力、速度、動体視力、情報処理能力とかは上がるぞ」
「そうすると今日のテストに影響ありましたの?」
「クリス様、大丈夫です。テストの前の食事は座椅子状態でしたから。この能力上昇は1時間持ちませんから夕べの効果は残ってないです」
そういえばケイトが『今朝は座椅子状態で、テーブルで朝定食にしましょう』って言っていたわ!
「ケイトは知っていましたの?」
「はい。自分の能力ですから」
「それならわたくしにもきちんと説明しておきなさい!おしおきですわ!」
さっそく『新しいベルト』を取り出しますの。
これは買い物で買ってきた細いベルトで、おしゃれなだけじゃなくて、ケイトを叩くのにもってこいですのよ。
ピシッ!
ピシッ!
「この前ダンジョンができたときみたいに、何かが襲ってきてもクリス様に万が一の事が無いようにと、こっそりやろうと思っていたんです!」
「それでも黙っている必要はありませんわ!」
ピシッ!
ピシッ!
「勉強の時に頭の回転が速くなるって知ったら、もう座ってもらえないかと思ったので」
ぴたっ。
「そうでしたの?」
「はい」
それは別にズルではないですわよね。
でも…。
「それならわたくしだけが独占するのは姉さまたちに悪いですわ」
「いえ、俺はクリス様の椅子ですから!それに勉強をたくさんしたいなら、時間の早さの違う異世界に行ってくる方法もありますし」
「それはそうですわね」
「それに、俺はクリス様のお尻が一番ですから!」
「馬鹿っ!」
ピシッ!
ピシッ!
ピシッ!
ピシッ!
ケイトったら、わたくしが叩くのをやめたからわざとそういうエッチなことを言いましたのね。
感心な下僕ですわ!
もっと、もっと叩いてあげますの!
ピシッ!
ピシッ!
「わかりましたわ。これからも今まで通りにしますわ。でもテストの時は『戦乙女の椅子』を使いませんわよ」
「はい」
それにしてもケイトはそんなにわたくしのお尻が好きですのね。
そういえば、前にも『ケイトにとってわたくしの最高と思う場所はお尻』なんて言ってましたわね。
ご褒美って胸よりもお尻のほうが喜ぶかもしれませんの。
でも、どうしたらいいのかわかりませんわ。
-妄想中-
「ケイト」
「はい」
「テストの成績が上がったのはケイトのおかげですの。そのご褒美を差し上げますわ」
「はい、ありがとうございます」
「わたくしのお尻を触っていいですわ」
「え?」
「さあ、好きなだけ触りなさい!」
-妄想終了-
これではわたくしが変態みたいですわ!
-妄想中-
(前略)
「ご褒美を差し上げますから、シャツを脱いで四つん這いになって眼をつぶりなさい」
「え?はい」
しゅるしゅる
脱ぎ脱ぎ
ぺとぅん
「クリス様、これって?」
「わたくしのお尻で直接ケイトの背中に座っていますの」
「えええっ?!」
-妄想終了-
これは刺激が強すぎますわ!
-妄想中-
(前略)
「ケイトの好きなところにわたくしのお尻をくっつけてあげますわ!」
「それなら…顔で」
寝そべったケイトの顔の上に服を着たまま座りますわ。
「ああクリス様!(すんすんすん)」
「においをかぐとか変態ですの?!」
-妄想終了-
駄目ですわ!
ケイトが変態になってしまいますの!
いい方法が思いつきませんわ。
お尻はやめて、もっと別のご褒美にしますわ。
そういえば、わたくしはいつもケイトにもらってばかりで、ケイトには魔晶石以外何も渡したことがありませんの。
この前のわたくしのミルクの入ったカフェオレくらいですわね。
服とかアクセサリーのようなものを渡したいですわ。
「ケイト」
「はい」
「ルビィアの様子を見てきなさい」
「じゃあ、お風呂までに戻りますね」
「呼ぶまで戻らなくていいですわ」
行きましたわね。
「『日用品召喚』!ケイトが喜びそうな物!」
しーん
「何も出ませんわ。キャンティ、どうしてかしら?」
「それはさすがに漠然としすぎているからな。頑張れば出るけど、ケイトに座ってないと『魔法の成功率アップ』の恩恵は受けられないからな」
そうでしたの?!
「少しでも具体的に言えば出やすくなるぞ」
具体的にですのね。
「『日用品召喚』!ケイトが楽しめるようなものを!」
出ませんわね。
「楽しめるなら玩具のほうじゃないか?それにもっと具体的に」
「そうですわね!『玩具召喚』!ケイトが楽しく遊べて、ご褒美にもなりそうな物!」
ぽんっ!
出ましたわっ!
-主人公ケイト視点-
クリス様が何か一人でしたいらしくて、ディアナ様の領地に来たけど、今夜はサフィがルビィアをお風呂に入れる手伝いをする日だったからサフィも居る。
それで…俺は何を見せられているんだ。
ちゅーちゅーちゅー
「ふふっ。ルビィアってかわいいよね」
「う、うん。そうだねサフィ」
「ボクたちの子供が出来たら、こうやってミルクをあげることになるんだね」
「う、うん」
「駄目だよ、目を背けないで。ほら、ボクが授乳しているところをちゃんと見て」
「ごめん、やっぱり戻る!」
「もう、恥ずかしがりなんだからあ。ね、お母様」
「ふふっ、ケイトったら。でも、クリスが呼ぶまで戻れないのでしょう?」
「そうですけど」
ぴろん
クリス『戻ってきなさい』
「呼ばれました!」
助かった!
がらっ
「クリス様!あれ?その格好は?」
体操服とブルマ?
運動するの?
「少しだけ汗をかいてからお風呂に入ろうと思いますの」
「何をするんですか?」
「これですわ!」
クリス様が見せてくれたのは『ツイスターゲーム』の箱。
え?
どうしてこんなものが?
「ルールは把握しましたわ。準備しますわよ」
「はい」
半畳では1畳くらいの広さのあるマットが敷ききれないな。
壁て折れてU字型になってる。
これじゃあ立体ツイスターになるな。
できるのかな?
「そういえば指示は?」
「キャンティに頼みましたわ」
「じゃあやるぞ…右手赤で、左足青だ」
初めてだけど…うん楽勝。
クリス様と二人でやるとすごくドキドキするな。
「次は左手緑で、右足が黄色」
うんうん。
「それから…」
-王女クリステラ視点-
これってすごく楽しいですわ!
体の柔軟性と、無理な姿勢でも耐える筋力が鍛えられそうですわ!
「次は左手黄色で、右足が赤色」
そ、それはちょっと難しいですわ。
右足を赤にするにはケイトを跨ぐしかありませんの。
むにゅん
「あっ」
「ケイト、わたくしを支えるのですわ!」
「はい!」
ケイトの顔の上を跨いでいる形になりましたわ。
偶然にも『顔にお尻のご褒美』になってますの。
「クリス様。俺はこれから右手を動かすんですけど、どう考えてもクリス様を押し上げてしまいますけど」
「ゲームですのよ。かまいませんわ」
「じゃあ、失礼します」
ぐい、むにゅ
足が広がって、もっとケイトの顔にお尻が食い込んでいますわ!
ケイトって苦しくないかしら?
それとも喜んでいるかしら?
『領主の命令』で聞けばわかりますけど、それで『すごく気持ちいいです』『嬉しいです』なんて言われたら、もうそこでやめてお仕置きすることになりますの。
もう少しだけ続けたいですわ。
あっ
そんなっ
ちょっとこの体勢はっ
あああっ!
だめですわっ!
二人とも力尽きましたの…。
「ケイト、疲れましたわ」
「はい。でも、楽しかったです」
楽しかったなら良かったですわ。
ケイトのためにやったことですもの。
「これはケイトに、今回のテストがすごく良かったご褒美としてさしあげますわ」
「ありがとうございます!」
「ケイト。わたくしすごく汗をかいてしまいましたわ」
「お風呂に入りましょうか」
「しばらくこのままで休みたいですの」
「じゃあ、座椅子状態に…」
「このままがいいですわ」
「はい」
ケイトと絡み合った状態でじっとしていると、ケイトの汗のにおいがしますの。
きっとケイトにもわたくしの汗のにおいがわかるはずですわ。
「ケイト、わたくしが汗臭いならすぐお風呂にしますわよ」
「クリス様の汗の香りは香水より好きです」
「『正直に答えなさい』」
ここで領主の命令ですわ。
「『クリス様の汗の香りは最高です。こうやって顔に太ももが押し付けられていて、そこに滴る汗を舐めたくなります』ああっ、お許しください」
「舐めなさい」
「え?」
-主人公ケイト視点-
クリス様、いつもとんでもないところで領主の命令を使わないで!
「『クリス様の汗の香りは最高です。こうやって顔に太ももが押し付けられていて、そこに滴る汗を舐めたくなります』ああっ、お許しください」
「舐めなさい」
「え?」
今なんて?
「疲れて汗を拭けないから、ケイトが舌で汗を拭き取るのですわ」
「は い」
ロボットのように感情の無い返事をしてしまった。
ぺろ、ぺろ
「ケイト、ここもですわ」
服がめくれ上がって見えているおなかを指さすクリス様。
ぺろ、ぺろ
「ここもですの」
ぺろ、ぺろ
「もっと上ですわ…もっと、もっとですわよ」
それ以上行くと胸に…
ふにゅ
やわらかい胸の下の部分を舌で押してしまう。
舐めるのがちょっと怖くて、舌でつついた程度になってしまった。
このまま押したら、舌が全部吸い込まれそうな柔らかさだ。
「もういいですわ。あごの所から汗が滴っていますの」
「じゃあそちらに」
ほっとして位置を変えてクリス様のあごから滴る汗を舐める。
「もっと上ですわ。もっと、そう…ケイト、唇が渇いてきましたわ。ついでに舐めなさい」
ええっ!
っと、心の中で叫ぶ。
「はい」
ぺろ。ぺろ。ぺろ。
クリス様の唇全体が湿るように舌で舐めていく。
キスじゃないから。
これはご奉仕だから。
ご奉仕だってば。
「これでいいですか?」
「ええ。疲れも取れましたからお風呂に入りますわよ」
「はい」
クリス様、これもいつものお遊びなんでしょうか?
-王女クリステラ視点-
いつものように、目隠しをしてケイトに髪を洗ってもらいますわ。
さっきのはすごく楽しくって、そのあとは…すごくドキドキしましたわ。
わたくし、胸とかだけじゃなくて唇まで舐めさせて…。
体を舐めさせると『みょぎりんこ』が邪魔しますけど、やっぱり唇は許されていますのね。
「ケイト」
「はい」
「あんなことさせるご主人様を変だとは思いませんの?」
「いえ、全然」
「それならこれからは下僕としてわたくしが『心地よくなる手伝い』をしなさい」
「え?…あっ、はい」
-主人公ケイト視点-
クリス様の雰囲気がなんだかいつもと違う。
何だろ?とか思いながらクリス様の頭を洗い終えて、一緒に湯船に入る。
「ケイト」
「はい」
「あんなことさせるご主人様を変だとは思いませんの?」
「いえ、全然」
「それならこれからは下僕としてわたくしが『心地よくなる手伝い』をしなさい」
「え?…あっ、はい」
はいっていったけど、それってどういうこと?
「わたくし、自分で色々試しましたのよ。それで、ケイトにエッチなことをされるとたまに『みょぎりんこ』ってなりますの」
やっぱり気づいていたんですね。
「この世界ではエッチなことが許されていないのですわ。でも、抜け道を見つけましたの」
まさか『みょぎん』?
「唇や舌なら『みょぎりんこ』になりませんの。だからケイト、わたくしの唇を舐めて、わたくしを心地よくしなさい」
「はい」
舌でさっきみたいに、ぺろぺろと唇を舐める。
「そうじゃなくて、こうですわ!」
ちゅっ
え?
ちゅう、ちゅぱ、ちゅう
クリス様が俺の唇を吸っている?
「こうやりますの。わたくしを心地よくさせるための『奉仕』ですからしっかり覚えなさい!」
そうか。奉仕なんだよな。
「さあ、やりなさい!」
「はい」
ちゅ、ちゅっ、
ちゅ、れろ
クリス様が舌を出して絡めてきて…
キスじゃないんだ。これは奉仕だから。
クリス様をうんと心地よくさせないと。
「ケイト」
「はい」
「ケイトの唾液も飲みたいですわ。主人に飲み物を出すのも下僕の仕事ですわ」
うん。そうだよね。
もう、何も考えられなくなってきた。
口に唾液をためて、口移しで送り込む。
送り込む前に、吸い出してくるクリス様。
ああ、もう。
こんなご奉仕許されるの?
クリス様が喜んでくれているからいいんだよね。
-王女クリステラ視点-
夜になって、頭がいっぺんに冷えましたわ。
わたくし、もう戻れませんの。
ケイトに、キス…いえ、ご奉仕のぺろぺろとか唾液を提供させたりしてしましましたの。
恥ずかしいはずなのに、すごく嬉しいですわ。
「ケイト」
「はい」
「寝るときに唇が渇きますの」
「はい」
ぺろ
「そうじゃありませんわ」
「こうですか?」
ちゅ、ちゅぱ
「んっ、そうですわ。朝もそうやって起こしなさい」
「はい」
すごく心地よくなって寝られますの。
ケイトの『ご奉仕』のおかげですわ…。
お読みいただきありがとうございます。
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次回も明日、3月9日18時更新です。




