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第106話  魔族たちは角で戯れる

ダンジョン探検もエローライフのために。

-女王ディアナ視点-


この世界に来て18日目。


とうとうケイトが『変化の魔道具』を見つけてきてくれましたわ!


今回見つかったのはブレスレット型ですのね。


「ケイト、ありがとう。さっそく使いますわ」


アバター製作アプリで調べた、わたくしが一番似合うと娘たちに言われた身長168センチの女性になりますの。


「…」

「…」

「…」


3人とも黙ってしまったわ。


やっぱりわたくしがこんなに背が高いのは他の世界の人にとっては変ですのね。


「ケイト、身長変わるだけでこうも印象が違うのね」

「クリス様もそうでしたけど、それどころじゃないです」

「これはもう連れ歩けないわね」


やっぱりどこかおかしいのですわ!


「シェリー。そんな言い方するからディアナ女王が勘違いして悲しそうな顔をされているわよ」

「ああっ!すみません!そういう意味ではないんです!」

「ディアナ様が女神様みたいに美しいので、連れ歩くととんでもないことになりそうって思ったんです」


まあっ!

何て嬉しいことを言ってくれますの!


「大丈夫ですわ。ケイトが守ってくれるのでしょう?」

「もちろんです。でも、うーん」

「ケイト、もう腹をくくりましょう。私たちもなるべくディアナ女王のそばに居ればいいのよ」

「シェリー、ケイト。こう見えてもディアナ女王は結構強いわよ」

「「え?」」


あらあら、そんな大したことないですわ。


「いい機会ね。今日から一緒にダンジョンに行きましょう」

「大丈夫なのか、マリー?」

「ディアナ女王は毎日ダンジョンのランクを上げられるくらいだったのよ」

「す、すごいのね」

「それなら一緒に行きましょう!」

「ケイト、わたくしが守ってあげますわ」

「ディアナ様、それじゃあ逆です」

「ふふっ。じゃあ、頼みますわね」



-主人公ケイト視点-


いつものAランク冒険者向けダンジョンに入ってすぐにディアナ様の凄さがわかった。


縦ロールの長い髪は編んで頭の上にまとめ、三節棍を自在に使いこなし、飛び道具や2色の色魔法も組み合わせて戦っている。


その攻撃方法は多彩で的確。

これって俺の助けなんか要る?ってレベルだ。


舞闘会の大きな大会で優勝するくらいの腕前ってことだけど、本当に凄いな。


それに…凄く戦い方が絵になる。

惚れ直しちゃうな。


三節棍だから敵は惨殺されてるけどねっ。


「どうかしら、ケイト?」

「ディアナ様、凄いです!」

「ふふっ、今はパーティーメンバーのディアナですわ」

「凄いよディアナ!」

「ありがとうですわ。でも、ケイトも凄いですわよ。その多重薄刃剣(カミソリブレード)に色々な魔法を載せて、ほとんどの敵を一撃で仕留めていますもの」

「今までに出た敵なら弱点とかわかっているからね」

「いえ、ケイトが本当に凄いのはその冷静さですわ」

「そうなのよ!かわすのが主体の戦闘スタイルなのに、ここぞというときには相手を引き付けてカウンターで急所を貫くのよ!」

「ふふっ。シェリーさんったら、自分のことのように自慢するのですわね」

「え、だ、だって、私が教えた以上にやってくれるから、だから」

「うん。俺が強くなれたのはマリーとシェリーのお陰だからね。ありがとう」



-元魔王ブラッディマリー視点-


本当にケイトは強くなったわ。


体を作るために闇シチューとかの特別な料理を出したせいもあるけど、すごくいい動きができるようになったわ。


でも、その一番の要因は精神力の強さなのよね。


きっとクリスたちを守らないといけないっていう使命感が彼を強くしているのだわ。


「うん。俺が強くなれたのはマリーとシェリーのお陰だからね。ありがとう」


ぼっ


「わ、私は大したことしてないわ。それに、最近はシェリーがケイトを鍛えていたみたいだから」


もう、そんなこと言われると嬉しいけど恥ずかしくなるじゃないの。


「わ、わ、私は何もしてないから。ケイトに指示していただけだから」

「でも、シェリーが家に帰ってからも色々なモンスターの攻略法も一緒に考えてくれたから」

「そ、そ、そんなことより、早く行きましょう」


シェリーがあまりに誉められて動揺してるから、私が冷静になっちゃったわ。



-主人公ケイト視点-


さて、ボスはパターンによっては俺一人では辛いけど、今回はどうかな?


「シャアアアアッ!」


あの声は!


「広範囲攻撃型です!ディアナはマリーの後ろに隠れて!」


攻撃の密度が高過ぎてかわしきれないから、マリーかシェリーに魔法で防御してもらって、攻撃が収まったときに急所を狙うパターンだな。


「ケイト、あの赤い部分が弱点ですの?」

「はい。でも、この攻撃が収まらないと」

「このくらい平気ですわよ」


え?


ディアナ様、じゃなかった。ディアナは降り注ぐ攻撃を華麗な足裁きでかわし、弓を射かける。


どうしてあんなギリギリでかわせるの?!

弾幕ゲームの上級者みたいな避け方してる!


「矢が通らないわね。ケイト、これに魔法をお願いしますわ」


渡された矢筒には矢が11本入っている。

これって、色魔法全ての強化をしろってことだよね。

でも、同時に命中しないと威力はかなり減るんだけど。


「『超色武器強化(スペリオルカラー・エンチャント)おお』!」


語尾を伸ばすのもあと少しでなんとかなるんだけどなあ。


「ディアナ!」

「ケイト、ありがとうですわ」


ディアナは弾幕を潜りながら矢を次々に射かけて、


ドッ!


11本の矢の命中音はたった1つ。


「グギャアアアッ!!」


ボスはあっさり沈黙した。




「ディアナ。さっきの矢って別々に()ったのに同時に命中したよね?」

「同時に命中するように、速さと軌道を変えただけですわ」

「そんなこと動いている相手に普通できないわよ!」

「ケイト、シェリー、これでわかったでしょう?」


確かにマリーの言うとおり、ディアナはすごく強いよな。


「でも、誘導弾とかもあるかもしれないから、あんまり無茶はしないでよ」

「あら、ケイト。追いかけてくる弾の方がコントロールしやすくて反撃が楽ですのよ」


なにそれ。

ぜひ俺の世界で弾幕ゲームの鬼畜モードをやってもらいたいものだ。



-元魔王ブラッディマリー視点-


今日は初めての4人パーティでしたけど、とてもうまくいったわね。


ただ、ディアナ女王は舞闘会では一人で戦っていたせいで連携がいまいちね。

それでもここに居る間にすぐに慣れていきそうだけど。


「ふんふんふふーん」


料理も初めてのはずなのにどんどん覚えていくし、手先も器用なのよね。

私、あっと言う間に料理の腕が追い抜かれないかしら?


「ねえ、マリーさん」

「なんでしょうか?」

「今日の冒険でわたくしは連携が苦手ってわかりましたの」

「そうですね。でも、きっとすぐに慣れると思いますよ」

「それで、ケイトとシェリーさんがしている勉強会にわたくしも参加して、どう行動したらいいか勉強したいのですわ」

「それはいいですわね」

「それと、4人の呼吸を合わせるには、もっと親しくならないといけないと思いますの」


え?


「だから、今夜からお風呂とベッドは4人で一緒にしません?」


ええっ?!


「ベッドでは日替わりでケイトの両側とケイトの上をローテーションすればいいですわ。ケイトもたまにそうやって娘たちと寝ているみたいですの」


ケイトの上って…


「無理にとは言いませんわ。でも、きっとそのほうがもっと仲良くなれると思いますの」


そんな太陽みたいな笑顔で言われたら断れないわ。


「わかりました。シェリーにも言っておきますわ」

「嬉しいですわ!」





4人で食事をしてダンジョン攻略の勉強会をして、それからお風呂。


「マリーさん、何か浮かない顔をしていますわね」

「ええ。4人でお風呂というのはちょっと…」

「狭いとか恥ずかしいとかかしら?」

「どちらもというか…そうよね。ケイトのことを好きになった時点で、こういうこともあるって覚悟は要ったわよね」

「それなら『若さ召喚』で小さくなりません?」


え?何その呪文?


「その魔法を使うと、少しだけ若くなれますの。小さくなれば恥ずかしさも狭さも感じませんわよ」

「何歳くらいがいいかしら?」

「10歳以下なら体も小さくなって、胸も無くなるから見られても平気ですわよ」


それもそうね。


そういえば、ケイトと初めて会った時も6歳くらいの姿だったわ。


「私は6歳くらいになりたいわ」

「誤差が出ることがあるけど、そのくらいになるようにしますわね」

「いえ、私は自分の能力で見た目の年齢を変えれますわ」

「それはいつでも戻れますの?」

「ええ」

「便利ですわね。『若さ召喚』では戻れるだいたいの時間しかわかりませんのよ」




あとから来たシェリーも私と同じ能力があるので、ケイトと初めて会った時の10歳くらいの外見になった。


この能力は自分限定なので、ディアナ女王はそのままになったわ。

なにしろ、最長で12時間くらい戻らないそうだから、明日のダンジョンに行く時間が送れそうですもの。



お風呂に4人で入っていると、ケイトとディアナ女王の夫婦の子供になった気分だわ。


ディアナ女王はシェリーの頭を洗ってくれて、私の頭をケイトが洗ってくれている。


相変わらず頭を洗うのが上手ね。


「ケイト、いつものように、その、あそこ・・・も…」


幼い見た目になったのに、はしたないことをお願いしてしまう。


「うん」


こりこりこり

かりかりかり


「あ、あう…ん、んっ」


我慢しても声が出てしまうわ。

を爪先でいてもらうとすごく気持ちいいの。


「あっ、マリー様ずるいです!ケイト、私にも!」


あら、シェリーに見つかってしまったわ。


「はいはい」


私の頭を洗ってからシェリーの所に行ってしまったわ。

せっかく体も洗ってもらおうと思ったのに。


「ねえ、マリーさん」

「何でしょう?」

「その角、触ると気持ちいいんですの?」

「はい」

「もしかして『みょぎりんこ』とか来ない気持ち良さだったりします?」


そういえばそうね。


頭を洗う時にしかしてもらってなかったけど、単に気持ちいいだけだったわ。


「わたくしの世界では角のある人は居ないから、もしかするとそうかもしれないと思ったのですわ」


もしかするとこれが突破口になるかしら?


そういえば魔族の10歳の姿は性的に大人扱いだから、今のシェリーならいいかしらね。


「ケイト、シェリーの角を舐めてみて」

「「えっ?」」


ケイトとシェリーの声が綺麗にハモったわ。


「大切なことなのよ」

「マリー様、そういうことをするのは恋人や夫婦くらいです」

「シェリーは恋人じゃないのかしら?ケイト、シェリーのことどう思ってるかしら?」

「この状況で聞きます?ごまかすつもりは無いから言いますけど、シェリーは俺の大好きな人だよ。こんな俺で良ければ恋人になってほしい」

「ええっ?!あ、えっと、その、待って」


しゅんっ


シェリーが本来の姿に戻ったわ。


「よろしくお願いします」


元の姿に戻って正座してお願いするとか、シェリーって真面目ね。

でも、その格好は恥ずかしくないのかしら?


「良かったわ。じゃあ、さっそく舐めてみて」

「マリー様、どうしてですか?」

「あの世界に角のある人は居ないでしょう?だから、もしかすると『みょぎりんこ』や『みょぎん』にならないと思うのよ」

「試してもいいですけど…その、ケイトと二人っきりにしてほしいです」


それもそうね。



-魔族シェリー視点-


私は再び10歳くらいの大きさになって、4人でゆっくりお風呂に浸かってから、今は部屋でケイトと二人っきり。


姿はまた元に戻ってる。


声が漏れないように音を消す魔法をかけてもらってあるけど…いきなりこんなことをするなんて。


だって魔族である私の角を舐めさせるって、すごくいやらしいことなのよ。


でもマリー様の命令なら仕方ないわ。


ううん、本当はケイトにしてもらえるから嬉しいだけ。


「私の角なんか、舐めたくないよね?」

「この艶やかな角を舐めていいなら、喜んで」

「もうっ。褒めても何も出ないわよ!」

「じゃあ、いくよ」

「初めてだから、その、優しくしてね」


ぺろ


「ひゃうんっ」

「大丈夫?」

「う、うん」


何これ、触られるのと全然違うわ!



(シバラクオマチクダサイ)



「はう、はああう」


これって、その…イクってやつよね。


『みょぎりんこ』も『みょぎん』、も無かったから、うまくいったってことかしら?


「シェリー、大丈夫?」

「ケイト、お願いがあるの」

「何?」

「マリー様でも試してほしいの。だって、私だけこんな目に遭うとか、マリー様ずるいもの」

「マリーがいいって言ったらね」

「言わなくてもしてほしいの」

「じゃあ、頼んでみる」



-主人公ケイト視点-


「マリー」

「あら、ケイト。シェリーは?」

「伸びてる」

「するとうまくいったのね?」

「シェリー自身、そういうことは初めてだからわからないって」

「そうなの?」

「だから、マリーにも試してもらったらいいって」

「え゛?」


真っ赤になって後づさりするマリー。


「嫌なの?」

「あ、あの。心の準備が、それにほら、今6歳の姿だからそういうの無理だから、ねっ」

「無理なの?」

「そうよ」

「じゃあ、試してみて駄目だったらそれでいいよね」

「ええっ?!」


がしっ


逃げようとしたマリーをしっかり捕まえる。


「可愛い角だね」

「いや、ああん。だめだから」

「それなら元の姿に戻ってくれる?」

「ううう」

「じゃあ、するね」


かぷ


「はひゅっ」



-元魔王ブラッディマリー視点-


問答無用で角にかぶりつかれたわ!


しかも何この舐め方?!

すごく気持ちがいい…ううん、それ以上?


「だめ、ああっ」


腰が抜けて動けない…ああっ、あああっ!


「ま、待って!やめて!」

「声なら聞こえないようにしてあるよ」

「そうじゃなくて、あ、あああああっ!いやあああっ!」


しゃあああああ


「あっ」

「だから、待ってって言ったのにぃ」


またケイトの前で粗相をしてしまったわ…。


かぷ


「待って、着替えを!」

「どうせ綺麗な水みたいなものだから、あとでいいよね?」

「うそっ」

「だって、逃げるでしょう?」

「うっ」


図星だわ。


「わかったから、せめて元の姿で!」

「いいよ」




(シバラクオマチクダサイ)


あああ。

初めての体験だったわ。


これは完全に体質とは関係ないみたいね。


でも、私やシェリーだけできてもしかたないわよね。


「ねえ、マリー。前にみんなを魔族にできるって言ってたけど、そうすれば少なくとも角でさっきみたいなことはできるよね?」

「魔族になるのに抵抗なければよ。それよりも変化の魔法で姿を変えたらどうかしら?」

「魔族に変化すればいいのか」

「そうよ。でも、魔族に限らなくても、普通の人間じゃなければいいかもしれないわ」

「そっか。じゃあ、『変化の魔道具』が出てきたら試そうか」

「ディアナ様はもう持ってるわよね?」

「そうじゃなくて、マリーやシェリーの分も。あと、俺やマリナやカリナは物扱いだから違う魔道具がいるかも」

「私が変身する意味あるのかしら?」

「一緒に試してみたくならない?」


それはすごく興味はあるわね。


「わかったわ。それならケイト、『神託の王座オラクルスローン』でケイト向けの変化の魔道具を探しましょう」

「そうだね」


エッチなことなのにこんなに普通に話せるようになっちゃって、私もますますエッチになったのかしら?

お読みいただきありがとうございます。

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次回も明日、2月27日18時更新です。

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