第101話 ドS王女様は背徳行為で楽しむ
異世界冒険じゃなくてこういうのがメイン。
-主人公ケイト視点-
お風呂を出たクリス様が元の姿に戻って、夕食の時間だ。
「クリス様、夕食はまかせていただいていいですか?」
「何かいいものがありますの?」
「実は、異世界でおいしいものを見つけたので、お土産に持ってきました」
「本当ですの?!」
クリス様、嬉しそうだな。
「それって、この体勢で食べられますの?テーブルとか出しますの?」
「このままで大丈夫ですよ」
俺が四つん這いの椅子になっているのがデフォルトなんだから。
たまに座椅子モードもいいけどね。
「『マンガニックビーフの焼肉小さめ1本出て!』」
出てきたのはいわゆる『まんが肉』と呼ばれる、まんがっぽい骨付き肉だ。
変化の魔道具を取りに行った世界にあったんだよな。
しかもマンガニックビーフって名前もマンガ肉だし。
特殊な骨格と肉付きをしている牛らしくて、常識ではありえないまんが肉が取れる。
これを片手に酒を飲むのが獣人たちでは1日の仕事を終えた定番らしい。
味はまんま牛肉だけど、一番気に入ったお店で焼かれたものをそのまま異次元箱に格納してきた。
「すごいですわ!こんな立派なお肉、見たことありませんの!」
そう言ってるけど、あれ、子供用なんだよな。
本物はもっとずっと大きいから。
クリス様ってきっと残さず食べようとするからね。
「おいしいですわ!肉汁があふれて…ああっもったいないですわ!」
あっ、肉汁がクリス様の足に…。
「ケイト」
「はい」
「綺麗にしなさい」
「はい」
『はい』と言いつつ、ちょっと待って。
綺麗にしなさいって普通なら拭くんだけど、舐めさせれる可能性もあるんだよな。
でも、今回は俺に任されたから俺の好きなやり方でいいんだよな?
-王女クリステラ視点-
肉汁がすごくて、足にかけてしまいましたの。
いつもならケイトに舐め取らせるところですけど、あえてこう言いますわ。
「ケイト」
「はい」
「綺麗にしなさい」
「はい」
具体的に言わなければ、ケイトはどうするのかしら?
あっ
またこぼしてしまいましたわ。
早くどうするか決めてほしいですわ。
「まだこぼれそうなので、これを使いますね。『夕食召喚』!きめ細かな柔らかいパン!」
え?パンを出しますの?
まさかそれで拭き取りますの?
パンをちぎって…わたくしのこぼした足に付けましたわ!
ぱく
ああっ!食べていますの!
ケイトが、わたくしの足にかかった肉汁を、パンに付けておいしそうに食べていますわっ!
「ケイト、どうしてそんなやり方をしますの?」
「まだこぼれそうですし、舐めようにもこの体勢では届かないから、柔らかいパンで拭き取って食べることにしたんです」
わたくしの肌に傷つけないよう、こんな綿のような食パンに肉汁を吸わせて、舐める代わりに食べることにしたのですわね。
ふふっ。
ケイトったらわたくしが喜ぶことをよくわかっていますの。
それでもあえて聞きますわ。
「ケイト、どうしてタオルで拭きませんの?」
「クリス様の足にかかった肉汁を捨てるなんてもったいないです!」
「肉汁くらいもったいなくありませんわよ」
「いえ、クリス様の足にかかった時点で、その肉汁は捨てられなくなりました」
まあ!
嬉しいですわ!
ぺしっ!
片手でケイトのお尻を叩いてあげますの。
「ケイトは本当に変態ですわね!それなら存分に食べなさい。でも、食べるたびにお尻を叩きますわよ」
「はい!」
叩かれているのに、何て嬉しそうなのかしら?
ふふっ、やっぱりわたくしたちは最高の関係ですのね。
おいしかったですわ。
でも、指も手も肉汁だらけですのよ。
「こんなに手が汚れる食べ物をよく食べさせる気になりましたわね!」
「すみません!」
「おいしかったから、ゆるしてさしあげますわ。そのかわり、わかっていますわね?」
わたくしは手をケイトの顔に近づけますの。
「はい」
ぺろぺろ、ちゅっ、ちゅっ
ふふふ。
ケイトに舐められると…んっ、『みょぎりんこ』ですわね。
でも表情には出しませんわ。
んっ、あっ、ううん、なかなか、当たりが…
『みょぎん』
「あふんっ」
「クリス様?」
「もうちょっと心を込めて舐めなさい」
「はい、すみません」
あやうく気持ちよくなったのがバレるところでしたわ。
それにしてもどうしてかしら?
こんなに『みょぎりんこ』で不快なのに、ケイトに舐めてもらっていると思うと、そのくらい我慢できますの。
『みょぎん』
はあんっ!来ましたわっ!
も、もう充分ですわ。
これ以上はケイトに気づかれてしまいますわ。
「洗面所に行ってきますわ」
「はい」
肉汁のかかった手や足を綺麗にしないといけませんわね。
まず足をタオルで拭いて。
次に手を洗って…これって、ケイトが舐めた指ですわよね。
べとべとですわ。
ぺろ
ピリイッ!
な、何ですの?
今、全身に電気が走ったように感じましたの!
も、もう一回試しますわ。
ぺろ
何ともありませんわね?
ぺろ、ぺろ、ちゅうぅ
「あうんっ!」
な、何ですの?
どうして自分の指を舐めて『みょぎん』が来ますの?!
もしかして、下僕の舐めた部分を舐めるという行為がこんな感じにさせますの?
面白いですわっ!
あっ、やっ、はああんっ。
何これ、『みょぎん』ばかりで、『みょぎりんこ』が来ませんの!
あっ、やっ、はあっ!
も、もうやめないといけませんわ。
だ、駄目ですわ…腰が抜けて立てませんの。
-主人公ケイト視点-
クリス様、遅いなあ。
ぴろん
クリス『洗面所に来なさい』
どうしたのかな?
ガラッ
クリス様が座り込んでいらっしゃる?!
「クリス様、大丈夫ですか?」
「ケイト、急に動けなくなりましたの。もう寝ますから、抱いていきなさい」
「はい!キャンティ、クリス様大丈夫かな?」
「ん?ああ、それならなんかの拍子に腰が抜けただけだから、寝れば治るぞ」
鑑定能力でわかっているはずなのに『なんかの拍子に』なんて漠然としたこというんだな。
きっと何か分かっているけど、うっかり転んだとか恥ずかしいことだから教えないようにしてくれてるんだな。
キャンティっていい子だなあ。
「それじゃあ、おやすみなさい」
「待ってケイト」
「はい」
「今夜はここに右手を置きなさい」
クリス様はいつもおなかの位置に回している両手のうち、右手だけを自分の首の所に持っていった。
「うん、これでいいわ。おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
何だろう?このほうが落ち着くのかな?
-王女クリステラ視点-
…
…
ケイトの寝息が聞こえるわ。
よく眠っているみたいですわね。
顔のすぐ近くにケイトの手がありますの。
ちょっと顔とケイトの手を動かせば…ケイトの指に口が届きますわ。
ぺろ
ぺろ、ちゅ
ケイトはわたくしの『物』ですから、こんなことしても問題ありませんのよ。
ぺろ、ちゅ、ちゅう
ケイトの指を舐めてもさっきみたいに感じないですわ。
もしかして…ケイトが舐めたものじゃないと駄目なのかしら?
そうっと反対を向きますの。
ケイトの顔が…ちょっと遠いですわ。
この前辛いものを食べさせた時みたいに、舌を舐めてみようかと思いましたのに。
そもそも、ケイトは寝ているから舌なんか出ませんわ。
でも、少し口が開いていますの。
つぷ
わたくしの指をケイトの口に入れてみますわ。
くちゅくちゅ
ケイトの舌と…唾液ですわね。
少し指が濡れましたわ。
…ぺろ
『みょぎん』
ああっ!これですわっ!
ぺろ
あら?なりませんわ?
もう一度濡らしますの。
…ぺろ
『みょぎん』
はうっ!
ああ、これは楽しいですわ。
ケイトが寝ている間に、もう少しだけ遊びますの。
下僕の唾液でこんな気分になるなんて…背徳的でゾクゾクしますわ!
-主人公ケイト視点-
ん?
え?
何か口の中に入ってきてる?
嫌な予感がするので内蔵型スマホの自撮りカメラでチェックして…
ぶっ
クリス様、何をしているんですか?!
俺の口に指を入れて…それを舐めてる?!
しかも、何だかすごく気持ちよさそうな表情してるけど!
あっ、また口の中に指を…
それを舐めて、また気持ちよさそうにしてる。
まさか…『みょぎん』を見つけたとか?
でも、やってることって、ハチの巣に手を入れて、手に付いたハチミツをねぶるクマみたいなんだけど。
クマさんみたいでかわいいな。
…そうとでも思ってないと、こんな異常事態に平静でいられないって。
クリス様、なんてことを…ああ、でもクリス様があんな蕩けるような表情をして…。
それにしてもこの内蔵型スマホのカメラってこんなに暗いのに見えるんだな。
あっ、うっかり撮影しちゃった。
うん。いつもの永久保存箱へ。
…やっとやめてくれたな。
「ケイト…」
ぎゅ
え?こっち向きのまま寝るの?
…胸がやわらかで…ああっ、寝付けなくなる!
-王女クリステラ視点-
そろそろ朝ですわ。
ケイトはまだ寝息を立てていますの。
朝5時ですもの、当然ですわね。
夕べはすごく刺激的でしたわ。
ケイトの唾液にあれほどの効果があるなんて、思いませんでしたの。
自分の唾液って自然と飲んでしまうものですわよね?
それなら飲物扱いになるのかしら?
「(小声で)『飲物召喚』ケイトの…」
もしこれでたくさん出たら、ケイトの口の中が乾燥してしまいますわ。
そもそも、どこに出しますの?
やっぱり手のひらですわよね。
こぼれない程度が理想的ですわ。
…
…
そうですわ!
魔晶石を2つ用意して、
「(小声で)『飲物召喚』ケイトの口の中にケイトの唾液を。『飲物召喚』私の口の中にさっきのケイトの唾液を全部」
こぷっ!
ああっ、うっかり場所を言い間違えましたわ!
口の中がいっぱいですの!
『みょぎん』になりませんわね。
もしかして、直接ではだめですの?
でも、これを手に出してから舐めればいいのですわ。
…ん?
え?
何かしら?
体がすごく熱いですの。
息が苦しいから、半分くらい飲みますわ。
こくん
はあっ!
あ、熱いですわ!
どうして体がこんなに火照るんですの?
顔も熱くなってますの!
ケイトの唾液って、どうしてこんなに面白いんですの?
「ん?…うううん」
「あっ」
ごくん
ケイトの声が聞こえたからつい全部飲んでしまいましたわ!
きゅうううん
今度は胸が苦しくなってきましたの。
でも、何だか心地いい苦しさですわ。
不思議な気分ですの。
ケイトがさらわれて戻ってきたときの気持ちに似ていますわね。
もっと試したいけど、ケイトが起きるといけないから、また今度にしますわ。
もう少し、寝ましょう…。
-主人公ケイト視点-
ん?
何だろ?
さっき、何かちょっと苦しくなったような?
クリス様はこっちを向いたままだし。
まあ、何もなかったならいいか。
でも目が覚めると押し付けられている胸が気になって寝れないっ!
早く朝になって!
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次回も明日、2月23日18時更新です。




