第7話 紗愛花の過去
忘れもしない。小学生3年のころ、私はいじめられていた。理由は調子に乗っていたかららしい。普通に過ごしていたので、理不尽だと思っていた。その日もいつも通り、いじめられていた。きもいだの、調子に乗るなだの罵られながら、蹴られたり、髪を引っ張られたりされていた。
「おい!やめろよ!可哀想だろ!」
そう言って私を助けてくれたのは、1人の男子だった。イケメンと言えるかと聞かれれば、そこまでだったが、私からはかっこよく見えた。学年一、いや学校一ぐらいかっこよかった。彼はいじめっ子達を私から離して、
「大丈夫?怪我とかない?」
と声をかけてくれた。
私は「大丈夫です」と答える。
「そっか。酷いよね、あいつら」
いじめてた人はクラスの中心にいた人物で、誰も私を助けてくれなかったのに、彼は私を助けてくれた。それが嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
「あの!」
「ん?なに?」
「今日、一緒に帰りませんか?」
「俺、二丁目だけど大丈夫?」
「はい!」
私は彼と一緒に帰った。手を繋ぐとどう思われるのか知らなかった私は普通に手を繋いで帰っていた。次の日から、私は積極的に彼と接した。毎日毎日、今考えると飽きないのかと思うぐらいに。
そんな毎日を続けていたある日、私は彼に告白した。彼はOKを出してくれた。そして彼との関係は親密になった。
1年が過ぎて四年生になった頃、私と彼は合わなくなってきた。正確に言うと私の意見に彼が合わなくなってきた。それで、彼と私が一緒にいる時間は少なくなってきた。休日はいつも一緒にいたのに、その頃は一緒にいることが一時間もなくなっていた。
「うざいんだよお前」
そう彼は私は言う。それでも私はくじけなかった。彼の理想になろうとした。けれどそのたびにうざいだのと罵られた。ずっと頑張った。一ヶ月ぐらい。
だけど夏休みに私が町にある大型ショッピングモールに買い物をしに行っていた時、女子と一緒に歩いている彼を見つけた。仲良さそうに喋っている。そのとき、私の何かが壊れた。…私はいつの間にかカッターを買っていた。そしてカッターの封を開け、刃を出して後ろから彼を刺しに行く。しかし、あと少しのところで彼は後ろを振り返ってしまい、避けてしまう。
「何してんだよ!」
「だってあなたが私以外の女といるんだもん」
「はぁ?これは友達!最近知り合った趣味の合う友達だよ!」
「私をほっといてそんな女と遊んでたんだね」
私はカッター握りなおし、彼に突き刺そうとする。だけど近くにいた警備員が私の手を掴んで止めた。
「離して!」
そのまま警備員にずっと拘束されていた。そして警察がきて、私を連れていった。何か色んなことをしたあと、私は児童相談所に連れていかれた。そこにいる先生が私がしたことを聞いてきた。聞き終わると、先生は誰かに連絡していた。
それから何日かしたあと、今度は児童福祉施設に入った。私はそこで確か二年間ぐらい生活して、学校に戻った。だけれど学校に彼の姿はなかった。後で聞いたが私の帰ってくる半年前に転校したらしい。私は彼のことを聞こうと思ったがみんなが距離を置くため、聞けなかった。彼がいない学校なんて楽しくない。そんな理由で私は不登校になった。
小学校を卒業し、中学校になると私はちゃんと学校に行った。その時に一人、友人ができた。それが華樹ちゃん。けれども私はまた不登校なってしまった。しかし、華樹ちゃんの説得もあり、三年生の頃に登校し始めた。私は不登校の時も勉強はしていたので、置いていかれることはなかった。けれども私は心が揺らぐことがあり、スクールカウンセラーを受けていた。そんな中でも、私は授業をしっかりと受けて受験勉強を頑張った。そして私は県立砂川高校に入学することができた。そして今に至る。