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第40話 監禁・朝

誤字脱字、文章で変なことがあればご報告よろしくお願いします。

「さあ、朝ごはんだよ」


紗愛花は片手で皿を持っている。しかし、その上にあるものは俺の居る位置から見えない。


「ありがとう紗愛花」

「…」


紗愛花はニコッと笑ったままだ。あれ、ミスったかな?そう思った瞬間、皿を持っていない手が動いた。そして俺の顔に何かが当たる。痛い。


「…鞭か?」

「正解。よくわかったね」


暗くてよく見えないが、当たった感触と距離と動きで考えると鞭だと予測できた。


「ふふふふ」

「ッ!」


痛い。ただただ痛い。何発も鞭で打たれる。これは零が出てきた時よりも痛い。


「よく一言も声に出さずに耐えましたね。偉い偉い」


紗愛花は俺の頭を撫でる。その時の笑顔がどれだけ俺の癒しになったか。あれか、飴と鞭か。この場合は本当に鞭で打たれてるけどな。


「さあ、今度こそ朝ごはんだね」


鞭を持っていた手で皿の上にあるものを掴む。サンドイッチか。紗愛花はしゃがみ、俺の前に来る。そしてサンドイッチを俺の前に出してきた。


「はい、あーん」


俺は前方に出されたサンドイッチを食べるために首を伸ばしてかぶりつこうとした。しかし、噛みつこうとした瞬間にそれは紗愛花の下へ戻された。


「!?」

「ふふっ、いただきます」


そう言うと俺の前に出したサンドイッチを一口食べた。拷問か?なんだよこれ。早く食べたい。腹が減ってるんだ。


「もぐもぐ」

「…ゴクッ」

「・・・(ニヤリ)」


俺が唾を飲み込んで紗愛花を見ているのを確認すると不適に笑う。そして紗愛花は咀嚼して飲み込んでないのに俺に口付けする。


「!?!?んー!んー!」

「…ぷはっ」


紗愛花の口の中に有ったものは、全て俺の口の中に移された。ああ、こうやってって食べろってことね。


「もぐもぐもぐもぐ」


パンの味と、卵と、ハムの味と、レタスのシャキシャキ感が微妙に残ってるな。まだ普通に美味し…


「んぐッ!?」

「…ふふふっ」


変な味がする。それも特大の、とても強い…苦味か?言葉で表現できないその味が口の中に広がった瞬間吐き気が込み上げてくる。


「んー!んー!」


ただ、ここで吐くと紗愛花にとても怒られそうだし、俺は必死て飲み込んだ。


「ゴクン。はぁ、はぁ、はぁ―!?!」


紗愛花がまた口付けしてくる。そして咀嚼されたサンドイッチがまた俺の口の中に入ってくる。


「ッー!!!」

「あははは」


俺は泣きそうになる。手を口に当てれない。さっき朝ごはんの下りの前に鎖を縮められて腕が固定されているからだ。


「んー!んー!んー!」


俺は胃の内容物が逆流してくる。今にも吐きそうだ。


「あらあら、もう限界なの?仕方ないね。はむっ」

「!?!?!?!?」


紗愛花はサンドイッチの残りを口に含み、数回咀嚼するとまた口付けしてきて俺の口の中に無理やり押し込んでくる。


「んんー!!!!」


俺はそれにも悶えながらも押し込まれるサンドイッチだったものに抵抗できないので、それごと胃に流し込んだ。


「ゲホッ、ゲホゲホ。はぁ…はぁ…はぁ…」

「零助君、お水あるけど」

「あ…ああ…欲しい」

「わかったわ」


そう言って部屋の端にあった水の入っているペットボトルを開けて紗愛花はそれを口に含む。嘘だろそれも口移しなのかよ!?


「んっ」


口に流れ込んでくる水に溺れそうになる。そしてまた変な味がする。俺の舌はイカれたのか?つらい。そして紗愛花は口付けをまだ止めない。


「んー!」

「んーんー(ニッコリ)」


飲み込むまで口付けを止めてくれないのか?くそっ、吐き出すことができないのか。ならさっさと飲まないと…また逆流してくる!


「ん!ん!ん!」


必死に飲む。紗愛花は俺の口の中に水が無くなったのを確認すると口を離す。


「ゴホッゴホゴホゴホ。ふう…ふう…ふう…」

「零助君、どうだった?私の力作の朝ごはんは」

「美味しかったy―!?」


あれ?考えがまとまらない。目の前も歪む。どうしたんだ俺!まさか…何か入ってたのか!?くそっ、呂律も上手く回らない。


「さ、紗愛花」

「どうしたの?零助君」

「俺の携帯渡してくれないか?お前がもってるんだろ?」

「いやよ。助けを呼ぶかもしれないじゃない」

「そんなことはしない。神に誓うよ」

「…わかったわ」


紗愛花はズボンのポケットから携帯を取り出し、固定されている俺の右手に持たせる。俺は必死にそっちの方を見て、落とさないように携帯を操作する。


「何するの?」

「玲太にメールだよ」

「!!やっぱりここから逃げようするための仲間を呼ぼうとしてるじゃない!」


そう言って紗愛花は俺から携帯を取り上げようとする。そして俺は必死に否定する。


「違う!なんなら送る前に紗愛花に見せても良いから!」

「…わかったよ零助君」


俺は片手で必死に文字を打った。


『玲太、今日は一人にしてくれ。家に訪ねてきても出ないぞ』


ふぅ、なんとか打ち終えた。


「確認してくれ」

「…したわ。けどなんで玲太君に?」

「あいつ、勘は鋭いんだよ。このメール送れば俺がどんな状況か大体掴むんだ」

「!?じゃあダメじゃない!」

「違う。もしあいつが家を訪ねてきた時、俺が居なかったら怪しんで本気で捜索を開始するだろう。警察を使ってな。そしたら紗愛花は捕まってしまう。それは嫌だ。だからあえて理解してもらうんだ」


俺が玲太のことをよく理解しているからこその行動だ。絶対あいつは警察と連携して俺を捜索するからな。


「…良いよ。送って」

「ありがとう」


俺は送信ボタンを押した。


「はい。紗愛花」

「…うん」


紗愛花は携帯を受けとると出したポケットに入れた。あああ、頭がぐるんぐるん回る。紗愛花、綺麗だなぁ。はっ!意識をしっかり保て!それができるだろ!

ここだけのトーク


零「俺の出番無いんだけどどういう事?」


玲太「仕方ないだろ。今監禁されてるところなんだから」


零「いや、そう言うことじゃなくて俺と戦うやつが出てこないって言ってるんだよ」


玲太「知るか。更新停滞中の亀野郎に言え」


零「よし、じゃあ殴ってくる」


――――――――――――――――――


亀野郎「え!?ちょ、零君、ストップ!待って、待ってって!待っ―グフッ!」


零「ふぅ、これで気は晴れた」


玲太「……えー、第40話『監禁・朝』を読んでいただき、ありがとうございました」


亀野郎「ごめんなさいごめんなさい。ちゃんと更新しますからぁ!」

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