第38話 会長と玲太
誤字脱字、文章でおかしなところがあればご報告よろしくお願いします。
「ねぇねぇ零助君、その子誰?」
「誰なんでしょうか」
紗愛花の目が光る。いや本心なんですって!こんな小さな子いつ出会ったんだ?
「あのさ、俺たちどこで会ったんだ?」
「忘れもしない。私が体育館裏でいじめられてたのを助けてくれたじゃない」
「…あれかぁ」
頭を抱え、座れそうなところに座る。マジかよ。あんときの記憶うろ覚え過ぎて全然覚えてない。やったことは覚えてるけど人の顔とか覚えてねぇ。
「紗愛花様。すいません。確かに俺この人と会ってます」
「…詳しく説明を」
「はい」
俺はそのときの出来事を覚えてる限り全て話す。確か女子高生3人に囲まれてたところを俺が目撃して、「殺す」とか言ったからなんやかんやあって交戦してたんだよな。そのうちに囲まれてた女子に逃げてもらった。違うっけ。
「それで、何でその事を喋らなかったの?」
「あのとき、結構寝不足だっただろ?あーいうとき、意識はあっても零が出た時みたいに好戦的になるんだよ。それで記憶はぼんやりとしか覚えれないんだ。正直どうでも良いと思って話しませんでした」
「ねーねー!王子様!さっさと行こうよ!」
「あのな、俺はこの紗愛花と一緒に来てんだよ。お前とは行けない」
むー!と頬を膨らませる。そして紗愛花に一言放った。
「こんなのより私の方が魅力的だもん!」
「…おい」
「ふふふ、同級生かよくわからないけどちょっと黙らせないとね」
「ちょっ、紗愛花、ストップ!」
紗愛花の目にはこの女子しか見えてない。不味いぞ。この状態の紗愛花には力で勝てない。抑えるだけで精一杯だ。
「フフフフフフフフ」
「まっ、待てって紗愛花!」
俺が必死に抑えていると、紗愛花の頭の上に手が見えた。その手は紗愛花の頭を叩いた。
「あうう」
「なーにやってんの紗愛花」
「島坂さん!」
「華樹ちゃん?何で止めるの?この女は私達の関係を…」
「はいはい。とりあえず昼前だから昼飯食べないと。この時間から行かないと混むよ」
「でも…」
「ほらっ!行く!」
さすが島坂さん。あの状態の紗愛花をレストランに行くように促し、ほんとに行くことにするとは。
「ほら、あんたも行く!」
「はい!」
「…そこのあんたはどうする?」
「行って良いの?私が行くとごちゃごちゃになりそうだけど」
「むしろ行って。問題を解決させるにはあんたが居るから」
「そ、じゃあ行くわ。王子様~」
――――――藤ヶ原会長――――――
「なんであんな修羅場目撃するんだろ」
学校1の問題児であり天才、真都零助とその彼女、橋上紗愛花のデートに偶然遭遇してしまった私。何で私が遊園地に来てるかって?…良いじゃない。テスト終わったんだから。私だって羽目を外したいのよ。一人だけどね。
「にしても何?あの子、ちょっと小さ過ぎない?警察に補導されるんじゃ」
身長は見た感じ155㎝、もしかしたらもっと低いかもしれない。けど、真都君がロリコンに見えるには十分な材料。必死に彼女の橋上さんに弁明してる。私は隠れながら見ているわ。ひょっとしたら私の姿の方がヤバイかもしれないわね。
「なにやってるんですか?」
「ひゃう!?」
私の後ろから声をかけられ思わず変な声を出してしまう。後ろを振り替えると問題児の真都君といつも一緒にいる神山君がいた。名前を何で知ってるかって?疑問が多いわね。まあ答えてあげるわ。彼と真都君は全国で成績を残すほどの強豪だったうちのサッカー部に入って、いきなりスタメンに入った生徒だからよ。さすがに生徒会長としては耳にするわ。
「あ、えっとね」
「会長。いつも零助がお世話になってます」
「へ?」
いきなり年下の男子から頭を下げられた。ど、どどどどどういうこと?
「いつも零助のことを気にかけていただいてますから」
「親目線!?」
思わず突っ込んでしまう。でもほんとになんなのこの子。私、気配を感じるのとかそう言うのには疎いけど、背後に居たのに気付かなかった。怖いも一周回って凄いわ。
「ん?あー、零助の修羅場を見かけたんですね」
「え、ええまぁ」
理解する速度も早いわね。しかし友人、いや関係的には親友かしら。なのに助けにはいかないのね。
「ええ。親友でも手伝わないといけない場面と手伝ってはいけない場面があるので」
「何で心が読めるの?!」
「え?いや、そういう顔してましたし」
「そういう顔って…」
今わかった。真都君は化け物なのは知ってるけど、神山君は別の種類の化け物だわ。なんかこう、ね?わかるでしょ?化け物って。
「化け物とは酷いですね」
「心読みすぎね?」
はあ、なんか神山君と話してると疲れてくるわ。考えることすらも考えなくてはいけないというよくわからない状況になるし。
「確かに、それはよくわかりませんね」
ほら。なんなら私は口を開かなくても会話できるんじゃない?
「…すいません、何してるんですか?」
「いや、心読めよ!」
「なははは、あっ、零助達行ったっぽいんで俺も行きますね。今後も零助を気にかけてやってください」
またペコリとお辞儀をして走っていった。本当に何しにきたのよ。
profile
名前 藤ヶ原夏姫
性別 女性
年齢 17歳
職業 高校生、生徒会長
趣味 可愛いもの集め
部活 バレー部(会長職のせいで休み気味)
彼氏 いない
親友 いない
IQ 128
ここだけのトーク
藤ヶ原「私、本編でも久々の登場な気がするんだけど」
玲太「そうですね。確かに久々です」
零助「うん。それで俺は紗愛花を抑えるので精一杯だから帰って良いかい?」
紗愛花「零助君が私以外の女子のコーナーに出演、零助君が私以外の女子のコーナーに出演、零助君が...」
玲太「うん。帰った方が良いな」
星宝「代わりに俺が出ることになりました」
藤ヶ原「そんなことより!あの本編の子誰なの!?まさか本当に法に触れたの...?」
玲太「そんなことないですよ。それは次の話で紹介されますので」
星宝「な、何の話?」
藤ヶ原「そう。それじゃこのコーナー締めましょうか」
藤ヶ原・星宝・玲太
「第38話『会長と玲太』を読んでいただき、ありがとうございます!」
星宝「いや、ほんとに誰のこと?」