第33話 玲太の強み
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「それでどんなゲームなんだ?」
「えっとですね…」
「はいはいはい!先生も食い付いてないで、SHRやりますよ!」
「ああ、すまんな。お前ら机戻して自分の席戻れー。あとBのやつらさっさと戻れよー」
「あーい」「わかりました」「それじゃ紗愛花戻ろっか」
様々な声が飛び交い、全員机を元に戻して席についた。ちなみにSHRを始めようと声をかけたのは学級委員の芦屋 高実だ。学級委員ってことで芦屋はクラス全員とメアド交換をして、連絡が一応全員に行き届くようにしている結構仕事熱心なやつ。ま、俺はSHRなんて全部聞き流すけどね。だって、意識しなくてもすぐ終わるんだもん。今もそうだ。挨拶までいつの間にか終わってる。
「零助君」
「お?どうした?」
星宝君が俺を訪ねてきた。玲太だと思った俺はため口になった。
「さっきの勝負、手を抜いていたんじゃないか?じゃないと僕が君みたいな超天才には勝てないよ」
「・・・」
俺はどうあがいても越えれない高い壁であり、そんな高い壁に比べて自分はちっぽけな存在である。と星宝君は思っているのか?
「どうしたんだい?なんで何も話さないんだ?」
「…俺は手加減なんてしてない。しっかりと星宝君、君に負かされたんだよ」
「……嘘だろ??」
「本当だよ。勝負になると俺は負けたくないんでな。手加減なんてしないさ」
「っ!!やっっ………た!!!!勝った!!!」
星宝君は、手を上に挙げてそう叫んだ。俺に勝ったのがそんなに嬉しいのか?俺は結構悔しいけど。
「よっしゃ!!!秀才でも天才に―」
「あのさ、星宝君。言いにくいんだけど」
「??なんだ?」
「こういうゲームでは、俺より玲太の方が強いぞ」
「はい!?嘘だよな?さっきボコボコにしてたじゃないか」
「数十回程度したら、俺は負けるさ。あいつは自分のものにした力は最大限で使いこなせるから、コツさえを掴むと俺は善戦するけど負けるほどに強くなるからな」
星宝君は絶句する。そりゃそうだろう。最強だと思ってたラスボスにはさらに先があった!みたいなものだからな。だけど、俺は手加減をしてないし、新ルールとなったこれを数十回やれば俺なんかより玲太は強くなる。さっき言った通りだ。
「なんか呼んだか?」
「うぉっ、相変わらずだな」
にゅっと出てきた玲太に俺は驚く。神出鬼没なのだ。昔、忍者教室かなにかで学んだ歩行方法を使って、全然足音がしないのに近くに来ている。忍び寄ってくるとはまさにこの事。
「玲太、今日お前ん家行って良いか?あのゲームを思いっきり遊びたいから」
「じゃあ、僕も行って良いですか?」
「あぁー、良いぞ。来たきゃ来てくれ」
そんな会話をしていると紗愛花と華樹さんが来る。
「零助君、私の荷物あるんだけど…」
「そっか。悪い、今が1時40分だから…大体2時半頃に俺んち来てくれ」
「りょ」
「わかりました」
俺たちはそれぞれ家に帰った。紗愛花は俺の家に帰った。
「ねぇ零助君。今日も泊まっちゃダメかな?」
「良いぞ。むしろ大歓迎だ。一人ほど寂しいものは無いんでな」
「ありがとう」
俺は紗愛花がもう一泊するのを簡単に許可する。それが後々、面倒なことになるとは思わずに。
――――――――――――――――――
「うっしじゃあやろう!星宝君!」
「ディーラーは?」
「零助~。ディーラーよろしく~」
「ハイハイ。それは冷蔵庫の上から二段目の棚、そっちは三段目…」
「はーやーくー」
「あいあい。それじゃ紗愛花、あとは頼んだ」
「了解です」
「それじゃあ星宝君が天使、玲太が悪魔な?」
「大丈夫です」
「俺もそれでOKだせ」
「じゃ、配るな」
俺は悪魔2枚と天使3枚、ピエロを1枚のセットを星宝君に、悪魔を3枚と天使を2枚、人を1枚のセットを玲太に渡す。
「それでは、一枚目を伏せてください」
その言葉を聞くと星宝君はすぐに伏せて前に出す。対して玲太は首を傾げて迷っている。
「一枚目を伏せてください」
「ディーラー、急かすなよ。決めた!これにする!」
玲太は札を伏せて前に出す。
「それでは…」
俺は伏せられたカードを表向きにする。表になったのはピエロと悪魔。星宝君の勝ちだ。
「だぁぁあ!!くそっもう一回!」
「良いよ。ディーラー、また頼めますか?」
「もちろん」
結果、12戦して玲太は全敗。こりゃまた続くぞ。多分時間ギリギリまでやり続けるパターンだな。ま、それでも俺はディーラーやるけどな。
profile
名前 島坂〈しまさか〉 華樹〈はなき〉
性別 女性
年齢 16歳
職業 高校生
趣味 勉強
部活 陸上
彼氏 いない
親友 橋上紗愛花
IQ 140以上
ここだけのトーク
華樹「ぶっちゃけここだけの話なんだけどさ」
紗愛花「うんうん。どうしたの?華樹ちゃん」
華樹「紗愛花、最近病んでなくない?」
紗愛花「それはね、零助君ができるだけ女子とかに関わらないようにしているからだよ。ああ、なんて優しいんだろう。そんな零助君を壊してみたい。想像するだけでゾクゾク...」
華樹「ハイハイそこまで。病んでる方がいつも通りかと思ったら、そうでもなかったね」
紗愛花「そうだよ~。それじゃあ、そろそろ...」
華樹「うん」
華樹・紗愛花「第33話『玲太の強み』を読んでいただき、ありがとうございます!」
華樹「なーんかこのタイトルを言うとあのバカを誉めてるみたいで嫌なんだけど」
玲太「俺のこと呼んだ?」
華樹「呼んでない!さっさと帰れ!」




