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第17話 零の誕生その1

文章やら色々おかしいかもしれません。

零助君は救急車で運ばれていった。林崎君は警察に拘束されてパトカーで連れていかれた。私と玲太君は事情聴取を終えると歩いて病院に向かう。その歩いている時に玲太君は話してくれた。


「零助の別の人格見たろ?」

「う、うん」

「あいつを俺は(れい)と呼んでいる。零助の字から助ける等の優しい感情を抜く、つまり助けると言う字を抜いて零だ。どうだ?うまいだろ?」

「…」

「ええ、ノーコメント?まあつけたの小学校の頃だからなんとも言えないんだけどね」

「その、零君のこと教えてくれない?」

「君なんかつけるやつじゃないよ。あいつはね」


そう言うと玲太君は一息ついて


「零助は解離性同一性障害、多重人格と呼ばれていたことのある病気なんだ」

「まあ、あれだけの変貌を見せられたらわかるよ」

「零助の体は、脳のリミッターを自由に外せるんだ。零助はできないが零には何故かできる。零助が戻ってきてすぐ苦しみだしたのは零が脳のリミッターを外して動き回ってたからだよ。リミッターを外して動き回ったせいで体が壊れていたんだ」

「じゃあ零助君の体はボロボロに…」

「ああ、そうだよ。多分両足は骨折しているだろうな」


背筋がぞっとする。零助君が当分車椅子の生活になると思うと。


「でも、何でその、零は痛がらなかったの?」

「簡単な話だよ。あいつには痛覚がない。正確に言うと多分あいつに切り替わったとき、痛みの電気信号を脳が受け取らないんだ」

「それってつまり」

「そう、零は絶対に痛がらない。俺の予想だと他の電気信号も受け取っていないだろうけどね」


ゴクッ、と唾を飲み込む。まさか零助君にそんな人格があったなんて。


「この人格が出来るきっかけは零助と俺の昔話をしないといけないんだ。聞くかい?」

「う、うん」

「そう、それじゃあ始めるね」


玲太君はそう言うと零が出てくるまでのことを話してくれた。


――――――――――――――――――


零助は昔っから頭が良かった。頭も良いし運動もできた。すごいやつだったよ。だけど、それを嫌うやつも居たんだ。


小二の頃の零助のクラスにはガキ大将と呼ばれることのある、ガタイがよくて力の強いやつが三人もいた。ま、俺も同じクラスだったけどな。そいつらは零助の成績を見て、調子に乗っているとか言い始めて零助をいじめ始めた。すごいだろ?小二でいじめが起きてたんだぜ。すごくはないか。


まあ、そいつらは先生も生徒も見ていない、目の届かない時に色々していたらしい。先生はその噂を聞いてその3人と零助に事情を聞いた。しかし、誰もいじめがあったとは言わなかったそうだ。零助を含めてな。俺もその噂を聞いていたものの、先生がいじめはなかったと言ったので気にしなかった。そうして数ヶ月たったとき、俺は放課後少し居残っていたため帰るのが遅れた。その時、トイレで声が聞こえたのでちょっと見に行ってみた。そこでは噂のされていた3人のやつらに囲まれている零助が見えた。


「おいおい、零助。点数下げろって言ったよな?」

「でも、点数を100を40以下に下げろなんて怪しまれるよぉ」

「ごちゃごちゃうるせえんだよ!てめぇは俺ら言うことを聞いとけば良いんだよ!」

「は、はいぃ」

「やっぱりこいつ面白いよなぁ。こうやって脅したらほんとに言うこと聞くんだから」

「このままずっとそうして遊ぼうぜ」

「そうだな」

「てめぇら!なにしてんだよ!」


会話を聞いていた俺は飛び出してしまった。


「あ?なんだよお前」

「聞いていたぞ!やっぱりてめぇら真都をいじめてたんだな!」

「だったらどうした?証拠出してみろよ証拠」

「出せねぇよなハハハ!」

「今から先生に言いに行ってやる」

「なあ零助君、俺たち仲の良い友達だよな?」

「えっ、」

「な!」

「う、うん」

「零助君もそう言ってるんだから証拠何てないんだよなぁ!バーカ」

「このっ、クソヤロウどもがぁ!」


俺は三人に殴りかかった。しかし、正義感が強いだけで力は強くなかった俺が力の強い三人に勝てるわけもなく、俺は案の定ボコられた。


「クッ、クソッ!」

「ざっこ、こいつ雑魚過ぎるだろ」


そう言って倒れた俺を蹴ってくる。


「も、もうやめようよ」

「なんだぁ?お前俺たちに指図するのか?」

「い、いや、そういうわけじゃ」

「てめぇふざけんじゃねぇよ!」


一人が零助の方に行き、零助をボコる。


「あーあ、キレちゃったよ。まあ、いいか。とりあえずこいつボコるか」

「うっ、あ゛っ!」


そうして俺たちがボコられていたとき、


「いたっ!!!」


と声が聞こえた。零助のほうから聞こえてたので、俺も俺をボコっていたやつも零助のほうを見る。するとそこには零助の姿と倒れているガキ大将の姿があった。


「台ちゃん!?」

「ったくよぉ、何で俺が生まれんのかねぇ。仕方ねぇ、暴れさせてもらうか」

「てめぇだだじゃおかねぇ!」


そう言ってガキ大将二人が零助の方に向かう。しかし、そいつらを殴ったり蹴ったりしてあっさり倒した。さっきまでのいじめられていたの時と全く雰囲気が違う。


「あァ、終わっちまったよ。おかしいなぁ。こんなおもんないなんて。おい、お前名前は?」

「か、神山玲太だ」

「そうか、立てるか?」

「あ、ああなんとかな。お前、誰だ?」

「俺は零助だよ。だが零助だけど零助じゃない。俺にちゃんとした名前はない」

「そうか、じゃあ零でどうだ?」

「そう呼びたきゃ呼べ」

「何でお前が出てきたんだ?」

「違うぜ、俺は出てきたんじゃなくて()()()()()()()()()()()


一瞬どういうことかわからなかったが、すぐに理解した。


「つまり今生まれた人格なんだな」

「そういうことなんじゃないか?」

「へぇ」

「じゃあ玲太だっけ?後処理よろしくな」

「ちょ、どういう」


ガクンと零助が倒れる。次の瞬間零助はパチッと目を開ける。大丈夫かと声をかけようとした瞬間、


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」

「?!真都!?」


叫ぶと零助はバタンと倒れる。さっきの零助の叫びを聞いた先生がすぐに来る。そしてこの状況を確認し、絶句する。


「せ、先生どうしよう、真都君が急に叫びだして…」

「と、とりあえず救急車ね!」


先生は救急車を呼ぶ。すると他の先生もよってくる。


「どうしたんだこの状況!」

「先生、怖かったですぅ。うわぁぁぁぁぁぁあ」


俺は泣いた。怖かったのと痛いのと。そして救急車が来て俺と零助と3人のガキ大将は救急車で病院に運ばれた。

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