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第12話 視線

「ねぇ、今日どうしたの?ずっと周りキョロキョロして」

「ああ、ゴメン。ちょっとね」


?と紗愛花は首を傾げる。俺だって首を傾げたい。今日ほぼずっと視線を感じる。だからって周りを見ても普通なのだ。なので困っている。


「ほんとに今日おかしいぞ?ついでにその肉ちょっとくれよ」

「あげない。今日変な視線を感じるんだよな」

「そう?私何も感じないけど」


紗愛花は周りをキョロキョロする。今日は食堂で昼飯を食べている。食堂は毎日混むのでいつもは屋上で食べているんだが、玲太がちょうど4枚、ステーキ定食の食券を手に入れたので食堂で食べることにした。ステーキ定食は月に一日の限定メニューでしかも20食しかないという超貴重なメニューだ。全校生徒約2000人なので、およそ100人に1人しか食べられない。そんなメニューの食券を何故4枚も手に入れれたのか聞いてみると、


「企業秘密ですので」


と回答を断られた。まあそこまで深入りするつもりないし、大体予想はつくからな。


「まあこれだけ食券の争いに来た人がいる中で4人でステーキ定食食ってる奴らは睨まれるわな」

「それもそうなんだが、朝から続いてるからな」

「情報が漏れてたんじゃないの?」

「そうかもな。うーん、美味い」

「そうだろうそうだろう?苦労して4人分集めた甲斐があったぜ」


そう言いながら玲太も肉を頬張り、幸せそうな顔をする。みんながナイフとフォークを進める中でも、俺は視線の方をちらちら見てみる。やっぱりいつもの食堂で、人がごった返している。


「零助、本当にどうしたんだ?フォークが進んでないじゃないか」

「まあな。考えるの後にして今は食うわ」


そう言って俺はナイフとフォークの動かすスピードを上げる。ちらっと女子陣の方を見ると幸せそうな顔をしている。…俺もあんな風なのかな。


「ごちそうさまでした」

「ふう。よく食べた」

「そんじゃな、中庭行ってくるわ」

「おう、六時間目まで待ってるぜ」

「いってらっしゃーい」


そう見送られながら中庭に行き、そして木に登る。ちょっと体を落ち着かせ、思考を開始した…のだが、ある人の言葉によって思考を止めた。


「真都君!真都零助君!何してるんですかそんなところで!」

「ギャーギャーうるさいですね。近所迷惑ですよ?何でそんなに騒ぐんですか?」

「質問を質問で返さない!そして迷惑にはなってない!」

「はいはい。ここで何してるかでしたよね?ただ寝に来ただけですけど」

「寝っ!?授業はどうするの!」

「はい?受けませんけど?」

「んな!?そんな横暴が許されるとでも?!」

「知らなったんですか?!まあ教師は何も言いませんし、僕は高校、大学の学習内容は全部終わらせましたし」

「はぁ?何ふざけたこといってるんですか!?」

「じゃあ一年の教師に聞きに行ったらどうです?」

「そうします!では!」


会長は教員室に早歩きで向かっていった。ったく、面倒だねぇ。

さて、会長のせいで遮られた思考を開始しないと―


「すいません!これ、どう言うことです!?」

「すいません会長、うるさいです」

「うるさいとかじゃなく!何なんですかこれ!?」

「何って、先生に言ってちょっと作ってもらったんですけどどうかしました?」

「…あなた、IQテスト受けたことある?」

「キーンコーンカーンコーン」

「チャイムなりましたよ?戻らないといけないのでは?」

「そうね、じゃあ答えてもらって良いかしら?」

「はいはい、確かインフルエンザひいてるときに測って180でしたね」

「?!」


会長が固まってしまった。


「会長?会長?ダメだこれ、ほっとこ」


と言うものの気になるので保健室に運ぶことにした。…恥ずかしいがお姫様だっこで。会長は150cmぐらいなので簡単にできた。

保健室の近くまで来たとき、会長は意識を取り戻した。


「うわぁ!?ちょっちょっ、離してください!」

「おっ、起きましたか。痛い痛い、暴れないでください、下ろしますから」


俺は暴れる会長をそーっと下ろした。


「何で私をお、お、」

「お?」

「お、お姫様抱っこしてるんですか!」

「しゃーないじゃないですか、会長中庭の真ん中で固まってるんですもん」

「ぐぬぬ」

「会長、さっさと教室戻らないとですよ」

「はっ。くっ、また今度処罰しますからね!」


そう言い放って会長は階段を上がっていった。はぁ、生徒会長さん、面倒くさいね。うーん、そう言えば最近IQ測ってなかったな。中庭に戻りながらそう考える。ちょっとやってみるか。携帯で簡単に受けれるやつを検索っと。…おっ、良いのあんじゃん。【IQ300まで測れます。あの天才と並べるかも!?】か。これで良いや。俺はそのサイトのIQテストを受けてみた。視線のことを考えずに。


…時間の経過を忘れて俺はただ黙々と解きまくっていた。最後の問題が終わると俺は「うーん」と伸びをする。中々楽しかったな。さてさて、肝心のIQは…きもいな。このIQは引くわ。このサイト、間違ってんじゃねぇの?まあ良いや、とりあえず視線のことを考え…


「キーンコーンカーンコーン」


嘘だろ、もうそんな時間かよ。考える時間無いじゃないか。くそっ全部会長のせいだ。今度文句言ってやろ(理不尽)。しゃーない、階段登って授業行くか。

自分でも確認はしておりますが誤字脱字、文章で変なところがあればご報告お願いします。

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