表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

不登校

作者: 榛李梓

 最近のわたしは不登校気味だ。一カ月に一回あれば良い方で、気が向いた時に登校するんだけど、気が向かないんだからしょうがない。



 誰かの心ない言葉に傷付いてとか、人間関係に疲れてとか、頑張ってるのに成績が伸びなくてとかで登校しなくなるっていう話は、結構よく聞く。ただわたしの場合はそういう深刻な事情なんて全然ないから、安心してほしい。(誰に言ってるんだろう)



 たしかに成績は良くない。でも別に気にしてないし、今のままでもいいかなって思ってる。そんなこと言ったら「精神的に向上心のないものは馬鹿だ(※)」とか言われるのかな? まあ現状に不満はないから、とにかくこれでいいのだ。

 それに人間関係に疲れるほど友達もいないわけだけど、これも気にしてないんだから、いいよね。そりゃあ、みんなとワイワイお喋りしてる人とか見たら、楽しそうだなって思うけど。羨ましいかと言われたら、うーん、どうなんだろう。



 こんな感じだから、わたしってすごく存在感が無い。このまま不登校を続けたら透明人間になっちゃうって、時々ある集団登校の時くらいは頑張ろうと思うんだけど、やっぱり駄目で、キラキラしてるみんなを見送るだけだった。

 わたしにとって登校するのは、結構気合いがいるっていうか、気分がノってる時じゃないと難しいから、毎日登校してる人は本当に尊敬する。



 もういっそやめてしまってもいいのかもしれない。でもやめずにいるのは、たまに登校した時に、気付いてくれる人がいたりするから。こんな地味で目立たない、ちっぽけなわたしのことを。

 どうして見つけてくれたんだろうって、不思議に思う。それから、すっごくすっごく嬉しくなる。

 見つけてくれてありがとうって、心の底からそう言いたい。だって、誰にも気づかれないんじゃないかと思ってたんだ。私にとって、これって本当に奇跡みたいなこと。



 だから、たった一人でいい、誰かに見つけてもらえる奇跡に出会いたくて、こうしてまた登校してみる。

※夏目漱石『こころ』より引用


 時々、単なる誤変換なのかスラング的表現なのか、本来なら「投稿」とするところを「登校」と書いた文章を見かけます。そこから着想しました。

 最近は時々投稿するといっても、検索除外で投稿だから、「保健室登校」くらいな感じかもしれません。

 「集団登校」は企画の時など、みんな一斉に投稿することを表しています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ