魔王 ノーダメ クリア した
「雄輝!大丈夫か!」
「いたたた…うん。大丈夫。」
僕が叩いたせいで壁際までぶっ飛んだ。
自分がやった事だけど大丈夫な気がしない。割とマジで。
「ふむ、お前の力の源は、《スキル反転》か。」
「はぁ、そうですが。何ですか?老人さん。」
ヤバそうな老人が動いた。
警戒しておいて損は無いので警戒しておく。
「ふむ、警戒してても防げん物は防げんぞ?」
「へ?」
「そろそろ四大都市にあつまったじゃろ。」
「四大都市?」
「ふむ、まだ知らんのか。四大都市とは、王国、皇国、帝国、魔国。この四つの国の首都を表す。」
「つまり?」
「ふむ、自己紹介させてもらおう。わしは、`強奪´の魔王ヤガン。」
「やかん?」
「ヤカンとはなんぞ?」
「え?いや、ヤカンってのは…」
「さっきまで警戒していたのに隙だらけじゃ。《スキルテイカー》!」
「うわっ!」
僕を黒い光が襲った。
けど…
「あれ?何ともないけど?」
「ふむ、《スキル反転》は《ユニークスキル》だったようじゃの」
「「ようじゃの」じゃねぇよ!魔王なら討伐する!」
「剣がないのにか?」
「あ…」
さっきの戦いの後、雄輝が倒れて剣を放り投げていた。
「やっべ!剣、剣、これで!」
「それは、勇者の!」
「何言ってるかあんまり聞こえないけど、これで止めだ!」
「う、ぐ、ぅぇぅぅぅぅ。」
「うわ、きも!」
老人の皮が溶けていく。血も内臓も、ドロドロになった。
僕は返り血とかは浴びてない。
つまり、無事!
魔王相手にノーダメクリア!
「おっ……しゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁおぁぁぁぁあああぁぁあぁあぁああぁおおいおおあぁぁぁぁぁぁお!」