美人だから。
偏見と期待を持って書きました。
「ど、どういう事だ?」
光はそんな事を言いつつ口角が上がっている。
まあ、勇者勇者言われてもなにもした訳じゃないしね。
けどさ、被害に有った人の気持ちを考えて?
と、思うよ。
「魔王は何体居るんだ?教えてくれ!」
「ちょ、ちょっと待ってください。あっちの部屋でちゃんとお話させていただきますので。」
「は、早く案内してくれ!」
人が変わったと思うくらいにはしゃいでいる光に、皆驚きながら面白そうだと喜んでいる。
もっかい言うけど被害に有った(中略)
「は、はい。こちらです。」
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「ここにお座りください。」
案内されたのは、ちょうど全員が座れる数の椅子と、それに準じた数のテーブルだった。
皆警戒もせず座っている。
いや、委員長と女勇者パーティーは椅子やテーブルを調べているけど。
僕は最後に委員長と勇者パーティーに挟まれるように座った。
僕は皆から嫉妬の視線を喰らった。(巫女(仮)達と神父(仮)からも。)
酷いや!僕に女運が無いだけなんだよ!なんでこうなった。美人に挟まれても良いことは無い!
「あの~、すいません。」
「え?何か?」
僕が答えた。
「いや、あの、他の人達は皆ステータス見てますよ?」
「は?ステータス?」
「そうです。ステータスです。《ステータス》と言えばひらきますよ。」
「あ、はい。じゃあ、《ステータス》。」
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名前:山茶花実也 種族:人
職業:ギャンブラー(元勇者) Lv.1
HP:5/925(-920)
MP:5/720(-715)
攻撃:120(-115)
防御:120(-115)
魔力:120(-115)
精神:120(-115)
器用:120(-115)
運:120(+2210)(女運に関しては0)
《スキル》
《ユニークスキル》
《極振り:運》《スキル反転》
《称号》
⚫女運0
《加護》
⚫創造神のお目付け
Lv.上昇率+50%の補正。
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「ファッ!」
「えっ!ど、どうかしましたか?」
「いえあの、ステータスが可笑しいんですけど。」
「はい?」
「運以外全部5なんですけど。」
「え?」
「何故か、ステータスが運に振られている?と言うか、本当はHP920MP720で、他の能力はオール120なんですけど、残り5だけ残して、全部運に振られているんですよ。」
「運以外全部、ですか?」
「はい、そうです。」
「そ、そうですか。」
「う~ん。君がお荷物になるとはね(笑)。」
聞こえたのは勇者パーティーの光からだった。一番言っちゃいけないやつが言った!
「オール120と聞いて少しびっくりしたんだけどさ。全ての能力が5か。あ、何かしら理由が有るのかな?」
あ、最後だけは心配してくれた。
いや、心配したのか?
まあ、嬉しくはないけど。
美人だから。
美人とは僕にとって最悪の人の事を表す。
「えぇっと、《極振り:運》のせいかな?」
「それは、《ユニークスキル》?」
「うん。そうだけど?」
「極振りっていうんだし運はどれくらい?」
「えっと、2330、だけど?」
「え?」
「いや、だから、2330、なんだって!」
「いやいやいやいや、無い無い無い無い。並外れてるよ。有ったら、だけど、ね?」
うわぁ、味方にいらっとするぅ~。
まあここで怒るくらいバカじゃあないんだけど。
ていうか、こいつ多分職業勇者だな。勇者って事に酔ってるな!
凄い気持ち悪い。
顔は美人だから余計に!
「ハイハイ、そーですね。」
いらっとを抑えて言う。
「むっ!きみは、何がしたいのかな?もしかして戦いたいとか?」
「え?んなわけないじゃん!」
「じゃあなんで?」
「そりゃあ怒らせてお前らのパーティーにはいらないためだよ。って言っちゃった(笑)!」
「け、けっ、決闘だ~!私と決闘しろ!」
「え?良いけど!」
「負けるのが目に見えているぞ!」
「いや負けるわけ無いじゃん。」
「は?」
「いやだって、僕の運2330もあるんだよ。君の攻撃は当たるわけ無いじゃん。」
さぁここで乗るか乗らないか、どっちだ?
「もう一回言うぞ。私と決闘しろ!」
「うん。良いよ。何時が良い?どこでやる?」
「一週間後、勝った方は相手を奴隷にする。どうだ!降参する気になったか?」
「なるわけ無いじゃん。」
あんれ~?バカになってきてるよね?
「だったら!ここで一時間後だ!もう後悔しても知らん!」
「あーい、分かった。じゃあね、一時間後。」
僕は直ぐに部屋から出ていって、
「すいません。空いている部屋有りませんか?有ったら貸してもらえませんか?」
と尋ねた。
有った。
それじゃあ、自分の性能チェックしますかね。