詳細設定
世界設定
舞台は19世紀後半〜20世紀初頭のヨーロッパをイメージしていますが、架空の国です。作品内に実在の都市の名前が登場したりしますが、なんら関係ありません。架空のものです。
吸血鬼、狼人、人間そしてデミの四種族おり、それぞれが個々の文化を築き、混じり合い、対立しながらこの三種族は暮らしています。
語句説明
吸血鬼
人間に近しい姿をしながら鋭い牙を持ち、人間の血を喰らう種族。寿命は700ほど。力の強いものは魔術の心得があるものが多い。「サロン」(後述)と呼ばれる集団で主に行動する。日光に当たることは特に問題無いが主に夜行性。
狼人
人間に近しい姿に化けることができる 狼の種族。寿命は人間と同じくらい。独自の文化や言葉を話す。人間の森林進出とともに街で暮らすものも出てきたが、差別のため一時人間の奴隷化。のちに解放されたが、差別や貧困問題などは無くなっていない。
デミ
主に吸血鬼と魔術契約を結んだ(無理やり結ばれた)人間のこと。その者は契約者の人外と運命共同体となる。契約後は人外の力の強さや特性に合わせ、特殊な能力を持ったり、逆にミイラのような姿になり、理性を失うものもいる。一般人が主に「吸血鬼」と認識している者の正体は理性を失ったデミであることが多い。
サロン
吸血鬼特有の集団のこと。有力な吸血鬼はここに所属していることが多い。近年の理性を失ったデミ増加に関係しているのではないかと言われている。
血族
狼人特有の集団。親類関係をもとに形成される5〜8世帯ほどの小さな集団。
一匹狼
血族から何らかの要因で離れた狼人のこと。その多くは街に出て暮らしているが、差別や貧困に苦しめられている者も多い。
地名
バーベン村
アネルとイヴァンナの故郷。周りを山や森に囲まれており、今だに昔ながらの文化が残っていた。理性を失ったデミたちによる襲撃事件により村民のほとんどが死に絶え、デミたちの住処となってしまった。
シュフィルツェン
バーベンから一山ほど離れた旧王国時代の首都。この国の文化の中心。今も活気溢れる大都市でありながら、何処か落ち着いた雰囲気をかもし出している。周りは堅固な城壁で囲まれているが、様々な闇を抱えている。
吸血鬼街
シュフィルツェン内にある歓楽街近くの一帯。どこからともなくやってきた吸血鬼たちがサロンの館を立て、サロン街になっているという噂があり、あまり一般人は立ち寄らなかったが、最近新たな流行の発信地となり、若者がよく立ち入る。サロン「ロゼ」はここにある。
登場人物
アネル(16)
臆病で、やや要領が悪いが心優しい少年。病弱の母が居り、従姉のイヴァンナに家事などの手伝いをしてもらっている。村の襲撃事件によりシュフィルツェンに逃げ込んだ。コーネリウスの時計店でかくまってもらうことになり、後にA・Aの吸血鬼狩りの仕事を手伝うことになる。
イヴァンナ(18)
気立てが良く、村で評判の美人。早くに両親を亡くしている。故郷の村の襲撃事件の混乱に紛れてサロン「ロゼ」に囚われたところをアンネに目をつけられる。多くの吸血鬼のデミとなることでサロン内での権力を得て、サロンの「女王」となる。
アンネ(見た目年齢17くらい)
サロン「ロゼ」の吸血鬼。有力な吸血鬼であるが、女であることを理由にサロン内での地位は低い。聡明であり、行動力がある。行き過ぎた能力主義の吸血鬼の社会を憂い、改革のためにイヴァンナを利用する。
A・A(17)
幼い頃に森で自分の血族とはぐれ、一匹狼となっていたところをコーネリウスに助けられた狼人。狼人の例にもれず警戒心が強い。コーネリウスへの信頼は厚く、基本的にコーネリウスしか信用していない。時計店の経営を守るために、吸血鬼狩りの仕事をしている。
コーネリウス(55)
アネルとA・Aが居候している時計店の店主。警察官の息子がいるが、妻には既に先立たれている。実はあまり時計店の経営はうまくいっていない。