運に見離された男の人生!(恋愛バージョン)
〜夏・ 快晴! 僕の心も晴れ晴れしていた。
なぜなら、僕には新しい彼女が出来たからだ。 そして、その彼女との初めてのデートが今日なのだ。
僕の胸は朝、目覚めた時らドキドキしていて、今日着ていく服を選びながら更に僕の胸のドキドキは膨れ上がった。 時間が迫る毎、重圧がかかり逃げたくなってしまう。
みなさんは、うすうすお気付きだろうが、そう僕は女性には慣れてなく、かなりの小心者なのだ。
その小心さから普段の僕が出せないのだ。
それに運にまで見離されていて、その運のなさは生まれた時から始まっていたのだ。
なぜなら僕の生まれた日は
「のび太」
と同じ8月7日だからだ。生まれた時から運は敵なのだ。
だからこそ、今回こそは、絶対成功させたいので、平然を装い自然な僕をアピールしなければならなかった。絶対、絶対、デートを成功させなければならなかった。
なぜなら、やっと出来た彼女であり、こんな綺麗な人は今まで付き合った事がなかったからだ。
神様は、僕にチャンスをくれたのか?
それとも高いハードルを背負わせたのか?
どちらにしても、気合いを入れないと、今読んでくれてる読者の期待どうりの情けない結果に終わってしまう。
そう、結果次第で
「恋愛小説」
か
「コメディ」
かにジャンルが変わってしまう。
うん!頑張らないと! 小心者で運に見離された僕でも頑張れる事を証明してやる! この話は昔ではあるが実話であり、良くも悪くも運命(結果)は既に決まっているが読者のみなさん僕を応援して下さい。 …デート当日、一番お気に入りのジーンズをブーツで合わせ、少し早めに隣町に向かおうと車に乗る。車の扉を開けた
“瞬間”
足の裏に何かイヤ〜な感触を覚えた! …な、何か軟らかいものを踏んでいる… 昔、踏んだ事のあるこの感触は……。 ぼくは、 恐る恐る足元を見た!
「う、うんこ!」
私は顔をしかめながら、ため息をついた。
そして、ゆ〜っくり足を上げた。
こんな[ウン]こそ見離して欲しかった。 7割が上げた靴にシガミ付いてきた。
一気にやる気がなくなる程、嫌な気持ちになったが不幸中の幸いであり、出発前で洗う事が出来たので、まだマシだった。
洗剤で綺麗に洗い、匂いがない事も確認し、気分を入れ替えた僕は出発した。
道中…僕は彼女と何を話そうか?どこへ食事に行こうか?など考えながら走っていて気が付けば、すでに隣町に入っていた。
待ち合わせ時間まで、かなり時間が余ったが、僕は待ち合わせ場所で待つ事にした。
そして待ち合わせ場所に到着し、目の前にある自動販売機でコーヒーを買おうと車から降りた
“瞬間”
いやな感覚が足に伝わった。 しかも、数十分前に感じたばかりの感覚。 今度は体か素早く反応し、片足を上げたが、上げた足をどうしていいのか解らず、僕は片足を上げたまま今日のデートを想像し絶望感から泣きそうになり、
「何で、いつもこんな目にあうんや」
と、声にならない声を吐き捨てた。
まさに‘のひ太’だった。
車に乗る前と降りた時、
出発点と到着点、
両方
「糞」
を踏める奴は僕しかいない。
おそらく宝くじで一等を当てるより難しいと思う。
僕は、すぐこの先に待ち受けている恐怖に気付いた。 …彼女が来る! この姿! この現実! 見られるわけにはいかない。 ぼくは、すぐ靴に付いた糞を地面に何回も擦りつけた。 そして、一旦待ち合わせ場所から5分ぐらい離れた工事の資材が置いてある空き地に移動した。 泥水だが、そこには水溜まりが有ったからだ。とりあえず、いつも車に積んでるサンダルに履きかえ糞付きの靴を持ち車から降りた
“瞬間”
スボボボボーッ! 最初の一歩、 降り立つはずだった地面がない。
車高の高いワンボックス車から、あるはずの地面に身を任せ右足を降ろした勢いは、ワンボックス車に乗せていた左足とを引き裂き、バランスを崩した僕は車から落ちた? 何が起こったのか解らなかった。ただ、僕は右足を股間部分まで泥に浸かっていて倒れていた。
「なんで?なんで?」
その言葉だけを何度も繰り返してた。
なぜ、あんな空き地に直径30センチの底無しの沼があったのか今でもわからない。
周りも同じ様な泥がポツポツと有ったので全く気付かなかった。 ただ、‘のび太’が羨ましく感じた。 そして、足を抜こうとしたが、抜こうにも抜けない。足を回しながら、何とか抜けそうになったが、このまま抜くとサンダルが置き去りに… 少しづつ足の指に引っ掛けながら、ようやくサンダルを引き上げた。
ブーツもダメ!
サンダルもダメ!
ジーパンもダメ! 結局、“今日はどんな服を着ていこう”って悩んでた時点から意味のない行動だったのだ。 僕はジーパンを捲り上げ、積んでいたティッシュでジーパンを拭き、車のシートに何枚も敷いた
“瞬間”
ティッシュが無くなった!ブーツは泥で洗ったが、あまりにクサイ為、袋に入れ車の後ろに積んだので、どうしてもサンダルを履くしかなかった。
しかも待ち合わせ時間が過ぎていて、彼女とは終わりの予感がしていた。今の二人の関係からするとキャンセル〓さようなら程度の薄っぺらい状況だった。
どっちにしても後は無い! 僕は何も出来ないまま、彼女の元へ走った。
聞いてたナンバーの車が既に着ていた。 その時の僕は、恥ずかしさなど消えていた。 無我夢中で車を止め、彼女の元へ走って行った。 僕が彼女の車に近づくと、彼女は窓を半分降ろし、引きつった顔で僕を見た。 舞い上がり、どうしていいかわからなくなった僕は、彼女に言った!
「ティッシュ下さい」
彼女は 「どうしたん?」
と、当然の質問を僕に投げ掛けた。 「ちょっと…」
それしか言えずにいた。 彼女は、黙って車の中のティッシュを僕に渡してくれた。
「ありがとう」
そうは言ったが正直、とても足りなかった。使いきると返せなくなるため、ほんの少しだけ残して彼女に返した。
「ごめん、こんな格好やけどよかったら車、乗る?」
「うん」
彼女は、そう答えると僕の車に乗ってくれた。 完全に緊張など消えていた。僕は嬉しくて沢山、話をした。 普段の様にペラペラ話せていた。
普通に話せる事がこんなに気持ちいいとは思わなかった。
その日は、さすがに泥だらけだった為どこにも行けず車で一時間程話をして帰りった。
自宅に着き、こんな僕を受け入れてくれた彼女が天使に思え、ありがとうの電話をかけた。
すぐに繋がり彼女は こう言った。
「もっと、真面目で人見知りする性格と思ってた。遊んでる人みたいで、私の思ってた方と違った。勝手ばかり言ってゴメン、これで終わりにしたい。ごめんね…」
しゃべり過ぎだった!あんなに話せたと思ってたのに。いつもの静かな僕だったら…
でも、僕は気付いてる。 原因は間抜けな僕の姿って事を…
結局すべてが無かった事だった。 形として残ったのは、泥と糞だけだった。こんな人生を僕はいつも生きている。
だから、この作品のジャンルはコメディとして、みさんに笑ってもらう事になりました。
応援してくれてた人が居たなら申し訳ない結果に終わったが、これが現実なんですね。
でも、僕は平気です。 なぜなら今の自分に満足出来ているからです。
数年後、僕にも幸せが沢山やって来るのです。
最後がジャイ子じゃなかっただけ、僕は運が良かったのです。




