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四章 再びの旅立ち(上)



 イシスと話した後、自室へ戻って直ぐにアルバートがやってきた。

 部屋に入るなり、初対面と同じようにピンク色の法衣を着たアルバートが挨拶を始める。



「また会えて光栄です。どうやらレオさんとは縁があるようで、半神様と縁があるとは大変嬉しい限りです。きっと女神様の思し召しですね」



 あれだけ自分勝手なことをしたと言うのに、まるで記憶を失ったかのように再開の挨拶をするアルバートにレオが閉口していると、調子に乗ったアルバートがどこまでも話し続ける。


「しかし、話を聞くと色々と大変だったようですね。

 ホワイトパールの悪党に無理矢理こちらの世界に連れてこらられ、仲間の命を助けてヒーローになったと思いきや、エルフだというだけで踏んだり蹴ったりの扱いを受けて、魔物の将軍を暗殺してくる羽目になるとは……しかしまぁ、そんな状況で本当に暗殺を成功させて帰ってくるなんて、末恐ろしいと言いますか、その力を完全に使いこなせるようになれば、一体どれほどの事が──」


「今の俺は、お前の情報収集能力が一番恐ろしいよ……」


 頼むから俺のストーカーにはならないでくれ。と心の底から祈りを捧げ、アルバートの話を区切る。



「って言うか、その情報は何処から手に入れたんだ。まさか、この国まで噂が広まっているのか?」


 だとしたら、非常にまずい事になる。

 教国はレオに手を出してほしくないから匿っているが、他の国の者がレオの力を知れば、なんとしても引き込んで戦力にしようとするだろう。


「まさか。この国まで真っ直ぐ来たあなた方より早く正確な情報が伝わる訳がないでしょう。

 今の話は、迎えに来た担当者に女神様の近況について子一時間程問い詰めたのですが、何も教えてくれないので、代わりに教えてもらった事ですよ」


 噂が広まっていない事に安堵すべきなのだろうが、レオは目の前にいる変質者のことを考えると、どうしても不安にならざるを得なかった。

 しかしこの国の危機管理能力は大丈夫なのだろうか、異世界に関連するレオの情報は一応最重要機密事項ではないのか。


「よく教えてもらえたもんだな……まぁ、俺の教育担当になったから教えてもらえたのかもしれないが」


「そんな訳無いでしょう、レオさんの情報は最重要機密ですよ──ただ、私の場合はこの国の殆どの高官の弱みを掴んでいるので、今回はその中の一つを使ったまでです」


 とんでもない事をさらっと流すように言ったアルバートに、レオは一歩身を引いた。

 彼が言った言葉は、直訳すると『ちょっと脅して吐かせた』というものだからだ。


「ち、ちなみに、何で弱みなんて集めたんだ?」


 なにやら、魔物とはまた違った恐怖を感じたレオが逃げ腰でたずねると、思い切り悪い顔で哂ったアルバートが答える。


「昔大聖堂を追い出された後、何としても戻りたくて、ありとあらゆる手段を講じたのですよ。

 しかし……ククッまさかあの気の弱い財務次官が、入り婿の身で愛人を三人も……おっと、これは秘密なんでした」


「あー、うん。この話は終わりにしようか」


 これ以上聞くと、ただでさえ嫌だったアルバートとの対話が今以上に嫌になるだろう。

 愛人を囲った財務次官のAさんの青ざめた顔が浮かび、コイツにだけは弱みを握られたくないと思うレオだった。



「では本題に。転移魔法について尋ねたいらしいですね」


「あ、ああ……俺は魔法には詳しくないからな。一緒に旅してるリサって子に基本的な部分は教わったけど、流石にリサも異世界への転移となると知らないだろうし」


 いくら魔術の適正が高いと言っても、所詮はリサも一般人だ。

 適正があるために上位に位置する魔法も使えるが、逆に言えばそれ以外の高度な魔法は分からないという事になる。


「ここまで来ておいて言うのもなんですが、予め言っておくと、私とて治癒を主とする司祭の端くれ……無論知識があるのでここに居る訳ですが、転移魔法に関してはどうやっても本職のホワイトパールには及びません。

 ある程度学もありそうなレオさんは分かっているでしょうが、専門家の立てた計画を、知識を持っているだけの私が何とかできるとは思わないように」


 過度な期待はするなと釘を刺すアルバートに、頷きで答えたレオは、困り顔で頭を掻いた。


「可能性が低い事は解ってるさ。正直に言えば、単に自分で納得するまで調べたいだけだ」


「なるほど。確かに、自分が納得出来るかどうかは大事ですね。

 私も自分が納得するまでは、愛し合う私と女神様を引き剥がした高官達を許す気は無いですし」


「いや、それは許してやってくれ……」


 恐らくアルバートが納得するのは、相手が死ぬときくらいになるだろう。

 冤罪で終わりのない責め苦を負わされる高官の為に、勇気を出して言ったレオの一言はしかし、アルバートに「考えておきます」と言わせる程度の効果しかなかった。



 それから四日ほど図書館へ篭り、他の全てを脇に置いて転移魔法を調べつくした

 話し好きなアルバートは休憩中の話こそ面倒だったが、講師としては優秀で、それぞれの魔法の仕組みや制御について、とても解りやすく説明してくれた。

 レオはどちらかと言うと飲み込みが早いほうではないのだが、アルバートのお陰で転移魔法の詳しい発動の仕組みについても多少解ってきた。

 しかしこの場合、理解が深まる程に変えようの無い結論に行き着いてしまう。


 即ち、行き先が解れば飛べる。


 大規模魔方陣に使う杭もあるし、適した土地も近くにある。

 だが、燃料があろうが飛行機があろうが、行き先が無ければ手の打ちようが無い。


 異界を覗く装置も試して見たが、結果は無残なものだった。


 まず、視点を人間が見える位置まで操作するだけでも大変なのだ。

 その上見えたとしても、鎧を着ていたり、どう見ても黒人ばかりだったり、元の世界かどうか以前に、視点を日本に合わせるだけでも不可能に思えた程である。

 これで近い並行世界までもが無限に近くあると言うのだから、宝くじを百回当てる運を持っていても見つける事は出来ないだろう。


 何とか元の肉体に戻れないかと、アルバートに聞いてみた事もあるが──




「今からまた肉体を変える──と言うのならば、答えは一つ。『不可能』です。

 詳しく調べてみて解ったのですが、レオさんの今の肉体は、かなり無茶苦茶な造りになっているのですよ。


 例を挙げるならば、まず、ハイエルフとしての特性が全く発揮されていません。

 元が霊木であるハイエルフは、山や森の一部であったと言う理由から、少なくとも発生地点の植物について深い知識を持って産まれる筈なのですが、レオさんは薬草など何も知らなかった。


 さらにエルフなら誰でも出来る筈の動物との意思疎通にも不備があったり、通常のハイエルフとは精神の構造までもが全くの別物。


 これらは恐らく、ハイエルフと言う素体の上から強引に半神の特性を上書きした為に起こった事で、元居た世界で『スキル』として設定されていた能力以外の才能が全て0になっているという、デタラメな状態が原因です。


 この状態で《原始の海》から無事に肉体を持って抜け出せた事自体、奇跡に近い訳ですが──これが成功したのは純粋に自身を想像できた精神面に加え、現在の体に関して、ある程度明確な数値が設定されていた事も、大きな要因の一つだったようなのです……。

 さて、ではここで質問ですが、レオさんは元の……『近藤零夜』と、いいましたかね。当時の肉体の機能を、何か一つでも創造できますか?」




 レオは何も言い返せなかった。自分がどれだけ頭が良かったか、病気や打撃に対する耐性がどの位あるのか、そんな事はわかる訳が無い。



 黙り込んだレオの心中を察したのか、アルバートも頷いて続ける。


「そう、そんな事はわかる訳が無い。

 ただ、ひょっとしたら、何か抜け道があるかもしれません。──と言っても、少なくとも神様にすら解らない抜け道ですからね。簡単に見つかる事は無いとだけ言っておきますよ」


「だろうな……」


 レオが口元を隠して考え込んでいると、禁書室の扉をノックする音が聞こえた。

 幾つかの資料を机に広げていたレオに代わり、傍に立っていたアルバートが扉を開けると、飲み物を盆に載せたカークスが訪れていた。


 二三会話をして盆を渡すと、カークスはレオに会釈して来た道を戻っていく。

 アルバートは手馴れた手つきで紅茶のような飲み物を用意し、机に座るレオに差し出した。


「どうぞ、それとまた『レオ様に神界の話を』と言われましたが──」


「もう勘弁してくれ……」


 呆れたようなレオの声に、アルバートも肩を竦める。


「神々の言いなりであるこの国の上層部としては、点数稼ぎの為にもレオさんには何とか頷いて欲しいのですよ」


「そう言や、お前も大司教だろ。何だか寧ろ止めてくれてるようだけど、大司教としては問題ないのか?」


 いくら高官達の弱みを握っているとは言え、何をしても許される訳ではないだろう。

 解説役のアルバートが来てからは、殆ど図書館に篭っているレオだったが、それ以外の食堂や庭等で出会った者達は、ある程度話すと必ず『神の世界』への勧誘のような事を言ってくる。

 しつこく言う訳ではないので、強要されている訳ではないだろう。けれどだからこそ、それが教国の総意であるように感じられた。


「別に、反対派が皆無と言うわけではないですよ。今来ていたカークスも、建前上はレオさんの霊体化を推してますが、本音を言えば知人のホワイトパールが命を賭けて行った計画を台無しにされるのですから、心中穏やかではないでしょう」


「へぇ、俺の前じゃ全く動じた様子は無かったけど……まぁ、よく考えたら当たり前か」


 そこでふと、同じく専門家であったリスィの事を思い出した。


「ホワイトパールの話で思い出したんだけど、弟子にリスィって居るだろ。あいつを呼ぶ事は出来ないのか」


「おや、よく知っていますね。無論彼の自宅にもホワイトパールが旅立って直ぐに、教国から念のため詳細を伏せた召集の手紙を送ったそうですが、今のところ連絡はありませんね。彼は魔軍の脅威を知らせる為に、世界各国を廻っている筈ですから無理もないかと。

 それに例え見つかったとしても、彼は弟子になってまだ間もないので、恐らく知識は私より少ないと思いますよ」


 つまりは、当てにするだけ無駄だと言う事だ。

 これ以上何かできることは無いかと考え込むレオを余所に、アルバートは茶葉が入った容器をずらし、下から小さなメモを取り出した。

 ちらりと目を通すと、それをそのままレオに渡す。


「転移魔法も重要ですが、このような情報にも目を通してみては?」


 紙には、『魔術帝国2教国1共和国2公国×』と書かれていた。


「何だこれ」


「近頃また、魔物の動きが活発になっていましてね。公国については距離的に判りませんが、知人に頼んでこの国の近くで襲撃のあった村の数を調べてもらったのですよ」


「魔物が……」


 裏が取れたのが五箇所と言う事は、実際には数倍の場所が襲われているだろう。

 とは言え、これはある程度予想できていた事だ。


 レオが見て来た限り、魔界はひどい有様だった。

 向こうでも政治的な混乱があったかもしれないが、彼らとて好きで混乱している訳ではないのだ。元々他に選択肢が無いのだから、混乱が収まり次第再度攻撃を仕掛けてくるだろう。


「現在は、少数の精鋭部隊がほぼ無軌道に農村を襲っているようです。

 といっても、今回の魔神は脳が筋肉で出来ている性質と聞きますから、何らかの謀略と言うより高位魔族の実力を見る為に、『手柄を立てた奴を将軍にする』とか言ったんじゃないかと思いますがね」


 魔軍の話も気にはなるが、今のレオが気がかりなのはダールの街だ。

 現在の傾向を考えれば、城壁のある大きな街は対象外のようだが、いつまでこのままかは分からない。

 横目でアルバートを見ると、事情を知っている為にレオの考えを読めたようで、頷いて答えた。


「どうも、レオさんの言動を鑑みるに、現状での結論は既に出している様子なのでね。差し出がましい事ですが、ならば今は決断を急ぐべき時ではないかと」


 レオはそれには答えず、手に持ったメモに視線を落とす。

 そのまま数分考え込んだ後、口を開いた。


「アルバート、一応聞くが、これは間違いない情報なんだな」


 いつもとは違う声色のレオにも動じず、アルバートは肩を竦めて答えた。


「私はこんな低レベルな嘘はつきません。女神イシス様に誓って本当ですよ」


 地下であるために時間の感覚は狂いがちだが、恐らく昼を少し過ぎたくらいだろう。

 レオは立ち上がると、机の上に広げていた本や羊皮紙を片付け始めた。


「少し……考えたい。今日はこの位にしておこう」


 返事の代わりに、判っていたとばかりに本を持って去っていくアルバートに、レオが後ろから声をかける。


「悪いが、明日も無しだ。次の予定は、こっちから連絡する」


 振り返ったアルバートは、妖しく微笑みながら頷いた。


「勿論、構いませんとも」


 アルバートの顔を見て、何故だか得体の知れない寒気を覚えたレオはポツリと呟いた。



「アイツって確か、魔法の解説に来ただけだよな……?」



 だが、誰も居ない禁書室で呟かれた言葉は、答えを得る事無く消えていく。

 なんで解説に来ただけのアルバートに、ここまで踊らされるのだろうかと思うレオだったが、その理由は数日後、手遅れになった頃に気づくのだった。






 部屋に戻ったレオは、禁書室での一件以来、食事も取らず数時間ベッドに寝転んでいた。

 あの後魔物の動向について数人に尋ねてみたのだが、誤魔化そうとした者を除けば、答えは概ねアルバートが渡してきたメモと同じ内容だった。


 窓の向こうが赤く染まる頃、ようやくのそのそと起き上がり、一度机の上に置かれた手紙の用紙を見たが、直ぐに目を背けて部屋を見渡す。

 必要以上に豪華な客室には、装飾や置物が多数置かれている。


 ふと、部屋の片隅に置かれた、黒い収納袋がレオの目に留まった。

 ゆっくりと収納袋に歩み寄り、中から防具と一緒に仕舞ってあった《天羽々斬り》を取り出す。

 見た目は《グラビティワールド》で手に入れた時と同じ、美しい黒刀のままだが、この刀はここに来るまでの数ヶ月で多くの血を吸ってきた。


 狼やら巨人やら、果てには魔物の将軍や人間まで、立ち止まって考える暇が無かった位、慌しい日々だった。

 その上、ようやく落ち着いて考える機会が与えられたと思ったら時間制限付きだと言うのだから、冗談にしても笑えない。


「この世界に来るまでは、なるべくのんびりを心情に生きてきたんだけどなぁ」


 やれやれと重い腰を上げて窓の外をみると、夕暮れの平野に日が沈もうとしていた。

 周りの風景はまるで違うけれど、それだけは元の世界と同じだなと、レオはどこかぼんやりとした頭のままで沈む日を眺め続けた。






 ◆◇◆◇◆





 リサ達と再会する日、レオはもう一度イシスに会いに来ていた。

 滞在していた期間こそ短いものの、色々と権利等融通してもらった事もあるし、報告がてら礼をする為にも、会う事にしたのだ。

 ちなみに前日、世話にもなっているし。と、作法についてカークスに聞いたのだが、どうもイシスの方から半神であるレオは自分達と対等だからという理由で、そのままで良いと言われているらしい。

 本音を言えば、前任者を尊敬している部分があるイシスとしては、彼と似た所があるらしいレオとは親しみを持って話したいと思っているのだろう。


 そんな訳で、あえて無造作に謁見の間へ入ったのだが、相変わらず国王や側近は置物のようにイシスとレオを見守っている。

 謁見の間へ入ると、既に話を通してあった為か、イシスの方から本題について聞いてきた。


「話は聞きました。この後、城を出るそうですね」


「ああ、旅の準備もあるし、行き先も少し話し合わないといけないからな」


レオ個人としては目的地は決まっているが、辿るルートや途中で別れる場合等、色々と話し合いたい事がある。

仲間達がどう答えるにせよ、一度話し合わなければ始まらないだろう。


「本当に、もう決めてしまったのですか」


 どこか無念そうに言うイシスに、肩を竦めたレオが何でもない事のように言う。


「元の世界に戻るのは、完全に諦めた訳じゃないさ。けど、聞いた話じゃ魔軍の方も、徐々に動き始めているらしいからな。

 ここに来る前、公国のダールって街でかなり世話になったんだ。敵の拠点からも近い位置にある街だし、のんびり魔法の勉強をしてたら、恩返しする前に地図から無くなってるかもしれない」


 転移魔法については、アルバートの協力の下徹底的に調べた。

 だが、どんな方法にしても前提として行き先が解らなければ、どうにもしようが無いのだ。どんな説明を受けたところで、それだけは覆りようがない。

 後回しにする前に魔術帝国にあるという、ホワイトパールの住居に行く事も検討はしたけれど、彼が異世界に飛んだ直後に、既に一度調査を行っているらしいので、行くだけ無駄だという結論に至った。


 それに、ホワイトパールの住居や地下の禁書は無くならないが、ダールに居るフィルやバルドや女将は別だ。

 魔物の軍勢を相手に、レオ一人が行った所でどうなる物でもないかもしれないが、ある程度戦局に影響を与えるだけの力は持っているのだから、何もせずに見捨てる事は出来ない。


「もし、霊体と成った後の心配をしているなら、私達はあなたを暖かく迎え入れる用意が……」


 その余りにも的外れなイシスの言葉に、レオはつい笑ってしまった。

 訝しむ女神に、頭を掻きながらレオが言った。


「折角誘ってもらった所悪いんだけど、俺が神様になるってのは、ちょっと有り得ない」


「何故……」


 理由なんて本当は解っているというのに、わざわざ引き止めるイシスに苦笑しつつ、レオが答える。


「失礼な事言うようだけど、俺にとっては、この世界の神様達はホワイトパールと同じだからな」


「なっ……貴様、なんと言う事を──」


 自らが崇める神に対する暴言ともとれる言葉に、流石の国王達も殺気立つ。

 しかし、立ち上がる前にイシスに制され、渋々と言った風に膝を突いた。


「いいのです。続けてください」


「イシスさんだって解ってる筈だ。

 俺をこの世界に招いたホワイトパールは、ただ自分達──この世界の人間を救う為の道具として、俺を呼び出した。

 同じように──イシスさん、貴方を除く殆どの神様達は、この世界の秩序を守る役割りの為に、俺と言う厄介事を片付けようとしているだけだろう。


 目指す所は真逆でも、俺を物として見ている事に変わりは無い。

 そんな相手に暖かく迎えられても、俺は行く気にはなれないよ」



 女神からの反論は無い。彼女個人がどう思っていようと、全体としての意見はレオが言った通りだからだ。

 だがイシスは、それでも……と言葉を続ける。


「こちらに残れば……それも、最前線に近い場所へ行くのなら、戦いに巻き込まれるのは避けられません。

 いくらレオさんが強くとも、死んでしまう事だって、あるかも知れないのですよ」


「その辺は心強い仲間が居るから、大丈夫さ。

 俺自身はホント頼りないけど、ギルやリサはしっかりしてるから……まぁ、ゲオルグはダールまでついてくるか解らないけど」


 家族は死んでしまったと言うが、共和国にある故郷も危険かもしれないのだ。もしゲオルグに戻りたいと言われたら、引き止める気は無い。

 仲間を信頼しきったレオの様子に、イシスは諭すように問いかける。


「人の心など、変わり易い物です。いくら貴方が信じていても、何かの拍子に仲間に裏切られる事だって、あるかもしれませんよ」


 それは長い年月をかけて人間に裏切られ続けたイシスの、心よりの言葉だった。

 だがレオは、その問いかけに質問で返す。


「かもしれないけど──ちなみに、神様の世界ってのは、どんな世界なんだっけ」


 『神界』について、レオは城内の者に散々あれこれと吹き込まれたが、本当のところを聞くという意味でもイシスに一度聞いてみたいと思っていた。

 レオの質問はこれまで何度も聞かれてきた物だったので、イシスはまるで定型文を読み上げるかのように説明した。


「私達の世界は、何処までも続く葦の野原で、そこでは皆が争いの無い、穏やかな時を過ごしています。

 何でも好きな事ができ、求めれば全てが生み出される、苦しみの無い世界です」


 それは確かに、神話や聖書に出てくるような理想郷だろう。けれど──


「なら、やっぱり無理だ。俺は落ちこぼれだからさ、たとえ裏切られるとしても、いつか死んでしまうかもしれないとしても、こっちのごちゃごちゃした世界がいいよ。

 それに……」


 うっかり『何でも思い通りになるクソゲーなんて、直ぐ飽きちまうに決まってる』と言う暴言を吐きそうになったレオは、慌てて口をつぐんだ。

 流石に意味までは解らないだろうが、もし知られたら教国の国王様は斬りかかって来るだろう。


「──ともかく、最初から俺が出せる結論はこれだけだ。他の答えは有り得ない……本当はもう少し悩んで居たかったけど、大切な人達が全員死んでしまってから後悔するだけは嫌だ」



 最終的にレオを決断まで急き立てたのは、盗賊に殺されたときのアルザダの表情だった。

 気が抜けたような、何か忘れ物に気づいた時のような、困惑した様子でレオを見たあの顔が、どうしても脳裏に浮かんできた。


 あの表情に名を付けるなら、『心残りのある顔』だ。


 レオが図書館に篭っている間に──あるいは、霊体となって逃げた後に──リサやギルやゲオルグが、そしてダールの人達があんな顔で死んで逝くかも知れないと思うと、とてものんびり読書などしていられなかった。

 強引に連れてこられてこんな事を思うとは、自分でも甘すぎるとは思う。

 けれどこの甘さを捨てれば、自分が『異世界から来たレオ』では無くなってしまうという事も、また事実だった。


「とは言え、転移魔法については、許可さえ貰えるならまた今度調べに来るつもりだけど……」


 僅かに身を傾け、そろそろ戻る。と姿勢で示したレオに、イシスが微笑みかける。


「勿論、構いません。レオさんに比べれば微力ですが、私に何か力になれる事があれば、いつでもこの国に訪れてください」


「ありがとう。それじゃ、スィーにも悪いしそろそろ行くよ」


 世間話を終えたかのように何気なく去っていくレオをの背に、どこか寂しげなイシスが最後の問いを投げかけた。


「最後に一つだけ、聞いてもいいでしょうか。貴方が元居た仮想世界……確か、名前がついているんですよね」


 レオとしては何故そんな事が気になったのか謎だったが、特に秘密にする理由も無いので正直に答える。


「えぇと、《グラビティワールド》……グラビティは、重力とか引力とか、引き寄せるって意味だから……あの場合は、魅力ある、惹きつけられる世界って事になるかな」


「そうですか……とても参考になりました。では、またいつか」


 頭を垂れてレオを送り出すイシスは、やはり何処か沈んでいる様子だったが、何が原因でそうなったのかまでは、レオには解らなかった。




 謁見が終わった後、何も言わずに淡々と巫女の身を離れたイシスは直ぐには還らず、霊体のままでレオが出て行った扉を眺め続けていた。

 イシスの気配を感じ取ったスィスィが、首を傾げて女神に尋ねる。


「イシス様、どうかなさったのですか」


 その問いに直ぐには答えず、躊躇うように口を噤んでいたイシスだったが、やがて独り言のように呟いた。


『《グラビティワールド》……ひょっとしたら、あれはこの世界にこそ、相応しい名前かもしれません』


 イシスの悲しげな声色に困惑しつつも、女神イシスを信望する少女は明るく答える。


「はい、女神様達が創られたこの世界は、とても魅力的な世界ですもの」


『そうね……』


 現世から薄れ逝く女神は、かつての前任者とレオを見て思う。


 名前は同じでも、この世界は人々を惹きつける魅力ある仮想空間とは違い、引力によって無関係な者を強引に引き寄せ、重力によって縛り付ける。傲慢で醜悪な《グラビティワールド》だと。




 ◆◇◆◇◆





 女神との謁見を済ませたレオは、一度客室に戻って収納袋を担ぐと、集合場所として決めている応接間へ向かって難しい顔で歩いていた。

 アルバートが来て以降、手紙を書くと必ず愚痴が入ってしまい『こんな時に愚痴を書いたら心配させるよなぁ』と思い連絡を取れずにいたので、どんな顔をして会おうかと思い悩んでいたのだ。

 ところが応接間へ至る最後の一本道の前に、なにやら見覚えのあるピンク色の人物の姿が目に留まり、足を止める事となる。


「何でまだここに居るんだよ。俺の用が終わったら、摘み出されるんじゃなかったのか」


 これは前日にアルバート本人に言われた事だ。

 昨日出て行くと告げた折、レオが出て行けば大聖堂を追い出されるから、なんとかその前に一目イシスに合わせてくれとしつこく迫っていたのだ。


「フッ、契約書に書かれていたのは、『レオ様が城内に居る間は、立ち入りを許可する』という文言だったのでね。まぁ、門番を説き伏せるのには苦労しましたが……」


 門番を説き伏せて入ってくるのは、彼の中ではデフォルトらしい。


「それにしても、本当にレオさんは冷たいですね。この私が、無償であれだけ親身になって魔法について教えてあげたと言うのに、結局ただの一度もイシス様との面会に立ち合わせてくれないなんて。

 貴方には全く持って、感謝の気持ちという物が足りない。お世話になった私達の恋路を、少しでも助けようとは思わないのですか」


「俺はストーカーから被害者を守っただけさ……ともかく、なんでこんな所に居るんだ。別れの挨拶なら後で教会に行くって言っといたろ」


 と言うか、無論感謝はしているとしても、レオとしては余り積極的に関わり合いになりたくない。

 その辺りの感情も雰囲気として出して言ったつもりなのだが、言われたアルバートはそよ風でも受けたような顔をしている。


「実は、私も魔法の指導員として、レオさんに同行しようと思いましてね……愛しの女神様の元を離れるのは心苦しいのですが、何も知らない異世界で困っているレオさんを方って置けず、こうして参上した訳です」



「いやいやいや、要らない、要らないから。って言うかお前大司教だろ、魔力も凄いって言うし、これから魔軍が来て大変になるんだから、教国を出るのは不味いんじゃないかな」


 脊髄反射で断ったレオの前に、アルバートはバインダーのような物に挟まれた一枚の羊皮紙を差し出した。

 詳しい内容までは読み取れないが、契約書のようなものだと言う事は解った。


「無論許可は取ってあります。アメリア女史に『大変心苦しい事ですが、この国を離れなければならないやも』と言った所、『なんて事でしょう。貴方が居なくなるとこの教会も大変です』と言いつつ、五分と掛けずに書類を用意してくれたのですよ。

 彼女は会話能力は無いようですが、仕事の方は速くて助かります」


「裏切ったなアメリア…………ッ」


 きっと教会も大変だと言ったのは、良い意味での事だろう。

 その証拠にレオの脳裏には、満面の笑みで書類を作るアメリアが描き出されている。


「だ、だが連れて行くかどうかの選択権は、俺の方にあるんだ。魔法についてはリサに教わってるし、悪いが連れて行くことは──」


 言いつつ脇を通り抜けようとしたレオの肩を、アルバートが掴む。


「取り合えず、話だけでも聞いてくださいよ。これは、双方にメリットがある事なのですから」


 嫌な予感しかしないので、強引にでも振り払って逃げ出したい所だったが、色々と世話になった手前そうも行かない。

 仕方なくレオは、何を言われても決して答えは変えない。と、自分に言い聞かせて立ち止まると、溜息を一つついてアルバートに向き直った。


「……解った、聞くだけは聞いてやる。ただし、聞いた上で俺が断った時は、きっぱり諦めると約束してくれ」


 絶対に断ると書かれた顔で念を押すレオに、なおも涼しげなアルバートはそのまま語り始めた。


「ではまずは……そうですね、昨日レオさんは、知人が心配で残るのが一番の理由だといっていましたねぇ」


「それがどうかしたのか」


 身構えつつ聞き返すレオに、何故か鮫のように周囲を旋回し始めたアルバートが答える。


「先ほどリサさんという魔法使いの名前がでましたが、今のレオさんのチームを鑑みると、彼女は現在とても危険な状態にあると言えるでしょう」


「な、何でだよ」


「現在負傷した場合、治療は全てレオさんが行っているそうですね。確かに、飛び道具や魔法等を滅多に使ってこない下級の魔物相手ならば、問題ないかも知れません。

 ですが、文献によると高位の魔族は強力な魔法や、岩盤の投石等を行う例もあるといいます。

 あんな線の細い少女では、魔物の攻撃を受けてはひとたまりも無い……そんな時!役に立つのがこの私、アルバート・フラメル。前線で戦い続けるレオさんに代わって、か弱いリサさんの傷をたちどころに癒してご覧にいれましょう」



 まるでジャパ○ットの社員のように、身振り手振りを交え感情を込めて力説するアルバートを白眼視しつつ、レオが冷静な突っ込みを入れる。


「いや、岩盤が振ってきたらお前もただじゃ済まないだろ……というか、前に怪我してからは、なるべく仲間には優先で防御魔法を使うようにしてるんだ。ちょっとやそっとじゃ怪我しないさ」


 アルザダが怪我をした時は、魔法を使いそうな者が見当たらなかったので油断したが、既にレオは予め準備する余裕がある場合は低位のプロテクトアーマーを使うようにしていた。

 だがアルバートは勝ち誇ったようにニヤリと笑い、レオを指差して言う。


「確かにレオさんの防御魔法は強力だ。ですが、先日聞いた所によるとその魔法、効果時間がかなり短いらしいですね。乱戦になってリサさんを見失った場合、どうする事もできないのでは?」


「う……」


 これは事実だ、レオのプロテクトアーマーは約40分程度しか効果が無い。

 よく考えればこれからは軍勢と戦う事になるかもしれないのだから、常に仲間を認識して置く事ができない場面もあるだろう。

 レオが戸惑いの声を上げた隙を逃さず、背後に回りこんだアルバートは耳元で囁く。


「それに、私はレオさんを助けるのが第一の目的なのですから、同時に複数の人間が負傷していても、リサさんを優先的に治療する事を約束しますよ」


「だ、だが、お前が話し出すと場の空気が悪くなると言うか、フィーリングが……」


「勿論、仲間に加わる以上、メンバーに悪影響を与えるような事は、言わないように努力しますとも」



 ここで絶対に言わないと約束しないのが、詐欺師の常套手段だ。


「い、いや、しかし……皆の意見を……」


 徐々に雲行きが怪しくなってきたレオに、わざと声を潜めたアルバートが止めとばかりにまくし立てる。


「皆の意見など、聞かない方がいいのですよ。折角のリサさんを優先すると言う条件が、大っぴらに付けられなくなるでしょう。

 それに、数ヶ月二流魔導師に教わっただけの彼女と違い、私は魔術の真髄を見ています。講師としても、他に類を見ない逸材ですよ」


「けど……」


 レオも必死の抵抗を試みるが、口から漏れるのは最早反論とも言えないような呟きだけだ。

 アルバートはそんなレオの右手優しく掴み、そっとペンを握らせた。


「では、もっと解りやすく言いましょう。

 この書類にサインするだけで、リサさんが命を落とす確立が飛躍的に減ります。彼女の為を思うなら、彼女の命を助けるためにサインするべきなのです。

 さぁ、ペンを掲げて……」


 と、レオの持つペンと、アルバートが右手に持った契約書の距離が近くなった時──



 レオの視界の片隅で、何重にも重ねられた隠蔽魔法付きの遮光布の奥深く、アルバートの左手首に付けられた腕輪が光を放った。



 腕輪に刻まれたルーンは、禁術にも指定されている、最強の洗脳魔法を発動させる為のものだ。

 とは言え、レオの強靭な魔術抵抗の前では殆どがレジストされ、ほんの数秒程度の効果しかない。


 けれど、今のアルバートには十秒あれば十分だった。


「さぁ、リサさんの、仲間の命を救うために──」


 その声に答え、レオが空ろな目でペンを動かす。


「命を…………ハッ」


 と、名前を書いてしまったレオが一瞬遅れて我を取り戻したが時既に遅く、アルバートはたった今サインしたばかりの羊皮紙をバインダーから取り外し、懐に仕舞っていた。

 混乱が続くレオは、サインをした自らの右手を見ながら首をかしげている。


「な、なぁ、今俺なんか変じゃなかったか?」


 戸惑ったような声を上げるレオに、白々しく首をかしげたアルバートが真顔で答えた。


「はて、最後まで悩んでいる様子でしたが、特におかしな所はなかったですよ」


「い、いやけど、本当になんだかぼうっとして」


 尚も食い下がるレオに、アルバートは顔を顰めて答える。


「まさか、今更サインした契約書を取り消そうと言うのですか?いくらなんでも、契約書が存在しない異世界から来たとは言わせませんよ」


「ぐ」


 何と言い返せばいいかと悩むレオを余所に、満足そうに契約書を仕舞ったアルバートは応接間へ向かって歩き始めていた。

 このままでは、済し崩しにに加入が決まってしまうと感じたレオは慌てて引き止める。



「ま、待ってくれ。双方にメリットがあるって言ってたが、お前には一体何のメリットがあるんだ」


 心理的には敗北を認めたような言葉だが、これを聞いておかなければレオは安心して眠れないだろう。

 対して、振り返ったアルバートは、何故解らないのかと言いたげな顔で答えた。



「決まっているでしょう、この世界の神々はレオさんに借りがある。貴方を助け功績を挙げれば、誰が何と言おうと私は大聖堂に戻る事が出来る。それ以外に何があると言うのです」



「……あぁ、そう言えばお前ストーカーだったな……」


 急に冷静さを取り戻したレオの口から、溜息と共に独り言がこぼれた。

 アルバートの手腕に翻弄され過ぎて、彼の根本を忘れていたようだ。

 そんな都合の悪いレオの独り言を受け流したアルバートは、今度こそ止まる事無く廊下を歩き始める。


「さぁ、行きますよレオさん。これ以上皆さんを待たせるのは、心苦しいでしょう」


「誰のせいで──って、ちょっと待て、まだ心の準備が」


 元々どんな顔で会おうかと悩んでいたというのに、更に混乱させられ慌てるレオだったが、悠々と歩くアルバートを止める事はできず、結局なんとも情けない顔のまま、扉が開けられる事となった。




 リサを含む全員の視線がアルバートに集まる中、主役の座を奪われたレオが気まずそうに解説を入れた。


「えぇと……な、何でか、今日からメンバーに加わってしまった、アルバートさんだ……」



 全員の白い目を一身に受け、それらを完全に受け流したアルバートが、髪をかき上げつつ優雅に自己紹介をする。



「フッ。どうも、アルバート・フラメルです。以後よろしく……ああ、ちなみに、加入に関してはこちらの契約書により確定しているので、反対は受け付けません。悪しからず」



 満面の笑みで契約書を差し出すアルバートを見て、レオはあの時一瞬でも悩んでしまった自分を恨んでいた。




 暫し全員が硬直していたが、木枯らしが止んだ頃、大仰に溜息をついたゲオルグが撤収を始める。


「じゃ、アタシら先に宿行っておくから、レオも夜までにはきなよ」


「そうだな。レオ、行き先は宿で相談するから、早めにくるんだぞ」


 釣られるように、アルザダやギルもそそくさと部屋を出ていく。

 更にアルバートまでも、かき上げた髪を整えつつ彼らに続いた。


「私は行き先など興味はありませんが、旅支度があるので失礼しますよ」


 いつの間にか二人きりになってしまった応接間で、醒めた目をしたリサが言う。


「レオさん」


「はい」


「ここに来る前の日に、一人の時は気をつけてくださいって言いましたよね?」


「言われた……ような、気がします……」


 いつにも増してしょぼくれ、慎重さが逆転しているのではないかと思う程に萎縮したレオに、リサはもう一度溜息をつく。

 けれどその後、アルバートを見る前のような笑顔に戻ると、扉が開いた時に言おうと、用意していた言葉を言った。


「お帰りなさい、レオさん。皆あんな事言ってましたが、きっと途中で待ってくれてますよ。ほら、早く行きましょう」


「あぁ……そうだな」



 なんだか情けないなと思いつつ、リサに連れられたレオは、重い足取りで足取りでカスティーヨ大聖堂を後にするのだった。































 フッハハハハッ 見るがいい、作者がゴミのようだ!


















 大幅加筆と修正で、活動報告で書いた予定より投稿が遅れてしまいました……深くお詫びしますm(_ _)m


 結局これはどうにもならんという事で、上下に分割したのですが、その為次回ちょっと短くなるかもしれません。ご了承ください。




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