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ファインド・アイズ (探し屋と女子高生)  作者: てんまる99
人体発火編

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15/24

分家の男

主人公と銀髪の少年は今回の黒幕である男の屋敷に向かった。

それから数時間後。

俺と少年は益子にいた。

目の前の屋敷は少年の家程では無いが、かなり大きい。


門扉の明かりが灯り、警備員が立っている。

大臣並みの警護と言っていいだろう。


夜中の訪問にも関わらず、俺達は咎められることもなく大広間に通された。

広間の中央には大きなベッドがあり、一人の男が上半身を起こした状態で待っていた。


周囲には護衛だろうか。

数人の体格の良い男が立っている。

若者は少年とも顔見知りなのか、訪れると軽く会釈をした。


「伯父さん‥まさか貴方が黒幕とは‥」

「ああ、誤解だよそれは。あの事故だって私は何もしていない。ただ家の存続を願う人から、この人形を引き継いだだけさ」

「誰なんですか、それは」

「‥それは言えないな。君が知る必要もない」

「こんな人形を揃えても、もう今更でしょう」

「それは君が世間を知らないからだよ。“新神”の名前は一部の人達には未だに有効なんだ。その人達の力を使えば、再び一族を復興させる事だって可能さ」

ベッドの男は大げさに手を広げて言った。


少年を制し、俺は男に訊ねた。

「大西刑事はどこだ?」

「ああ、あの人はあれで本当に刑事なのかい? 屋敷を探っていたから捕まえて蔵に閉じ込めてある」

「人形を渡せば解放して貰えるのか?」

「約束するよ」

「俺達は呪い塚の解呪が目的だ。それに協力して貰えるなら」

「勿論だとも」

「それで良いか?」

俺は少年に訊ねる。


「やっぱり駄目だ! 信用出来ない」

少年は首を振った。

少年の気持ちも分かる。

だが、今は大西刑事を助けるのが先だ。

俺は懐から取り出した小さなスプレーを少年に向けて噴射した。


“プシュ”

微かな音が聞こえ、少年は倒れた。


慌てて駆け寄ろうとする若者達を男は身振りで制した。

「催眠スプレーかね? 良いのかい、そんな事しても」

「ここに来る前に話はつけてある。きっと間際で不安に成ったんだろう」

言いながら俺は少年のポケットから木箱を取り出し、男に渡す。

男は箱を開き、中の人形を確認すると頷いた。


「いいだろう。これが、蔵の鍵だ」

俺は男から鍵を受け取り、訊ねた。

「この少年はどうする?」

「後で家に送らせるよ。手荒な事をするつもりはない」

「分かった」

答えると俺は鍵を手に蔵へと向かった。


広い庭の反対側、敷地の奥に蔵が建っていた。

受け取った鍵で閂の錠を開けると、分厚い扉を開き、中に駆け込む。

「おっさん!」

「お、おお‥来たのか‥」

見ると大西刑事は顔にいくつかあざがある。

現役の刑事にこんな事をすれば普通は大問題だが、揉み消すか、抗弁出来る自信があるのだろう。


「随分と酷くやられたな」

言いながら、大西刑事を後ろ手に縛っている縄をほどいた。

「立てるか?」

肩を貸して立ち上がらせ、蔵から出る。


その俺達の目前に体格のよい男達が立ち塞がった。

「すまないが、帰す訳にはいかないな」

男の一人が言った。

どうやらあの男は“揉み消す”方を選んだらしい。

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