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ファインド・アイズ (探し屋と女子高生)  作者: てんまる99
人体発火編

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13/24

那須の屋敷

主人公と涼花は被害者の故郷が那須であると突き止め、向かうことにした

1ヶ月ほど経った休日、俺達は那須高原に居た。

本当はもっと早く来たかったが、皆の都合が合う日はこの日まて無かった。


大西刑事の車に乗り、途中のドライブインで何度か休憩しながら来たので、着いた頃には既に日が落ち始めていた。

大西刑事もさすがに歳なのか、長距離運転は厳しいらしい。


日が落ち始めると、気温がどんどん下がり、息が真っ白になる。


「人形の場所は分かるか?」

車を停めた大西刑事が訊ねる。

「温泉街の方だな‥」

「とりあえず行ってみよう」

温泉街を歩いていると、涼花がお土産物屋の店内を指差す。


「あれ、違う?」

指差した先には、探しているのとよく似た小さな人形が置かれていた。

「よく似てるが‥違うな。最近の物らしい」

「でも似てるよね‥。何か関係あるかも。ちょっと聞いてくる!」


涼花はお土産物屋に駆け込むと、店員と何か話している。

そのうち、スーツを着た年配の男性も加わり、色々と話し始めた。


時折、こちらを指差したり、笑い合ったりして、和やかな雰囲気だ。

こういう涼花のコミュニケーション能力の高さには舌を巻く。

あっという間に仲良くなってしまった。


「聞いてきたよ!」

暫くして涼花は戻ってきた。

ふりかえりながら、何度も店員に手を振る。


「なんか色々話してたな?」

「そうそう、ご結婚ですか? って聞かれて‥」

「‥なぬ?」

人形の事を聞きに行ったと思っていたが?


「昔はこの辺では一家に一組、あの人形が有ったんだって」

「そうなんだ?」

「結婚する時は新しい人形のセットを贈るのが習わしで‥」

「なるほど、それで結婚‥って、誰と誰が?」

「聞かなくても分かるだろう。俺と嬢ちゃんが結婚すると思うか」

大西刑事は呆れながら言った

「いや、思わないが‥え? ええ?」

予想外の展開に戸惑う。


「とりあえず‥卒業したらですって言っておいた」

えう。

こ、こんな所で既成事実が作られていた‥?


戸惑う俺を置いて、涼花は話を続ける。

「それで、人形の写真を見せたら、山の方のお館様の家の人形じゃないかって」

「お館様!」

「ど、どうしたの?」

驚く俺を涼花は怪訝そうに見た。


「いや、横浜の被害者が言っていたんだ。“お館様”って」

「ふむ‥繋がったようだな」

大西刑事は顎に手を当て思案する。


とりあえず俺と涼花で、そのお館様という家に行ってみることにする。

大西刑事は昼間の運転で疲れたらしいので、先に宿に戻って貰った。


タクシーで家の前まで案内して貰う。

正門前に立った俺達はその屋敷の大きさに驚いた。

「でっか‥塀が差し渡し500m位あるぞ」

「敷地のの中が森に成ってて様子が分からないんだけど‥」

「とりあえず周りを見てみよう」

塀に沿って歩く。

屋敷は小高い丘の上にあり、周囲は雑木林や畑で、ぽつぽつと民家がまじる。

日が落ちると、灯りはまばらな街灯だけでかなり暗くなった。


歩いて屋敷の巨大な正門らしき場所に来た。

“新神”、と表札が出ている。

俺の“目”では屋敷の中に人形が有るのは確かなようだ。

とは言え、本当の目的である女性の気配は分からない。

呼び鈴を押して、中の人間に訊ねるのはさすがに不審だろう‥。


そんな俺の思案をお構い無しで、涼花は呼び鈴を押した。


“ピンポーン”


“はい、どなた?”

中の人間がインターホンでたずねる。

「あの、私達は人形の歴史を調べていて‥お店でここに古い人形が有るって聞いたんですが、見せて貰う事はできませんか?」

“少しお待ち下さい”

どうやら話が通ったらしい。

‥涼花の行動力、恐るべし。


しばらくして通用門が開き、中から出てきたのは‥。


あの、銀髪の少年だった。


「おや?」

少年は一瞬怪訝そうな顔をした。

「あれ? どうしてここに?」

俺も同時に戸惑いの声を上げる。


「どうしてって‥ここ、僕の家だから」

少年は当然の様に言った。

「なに?」

「ああ、なるほど‥人形を探してここに来た訳か」

「まぁ、そういう事だ」

「何を探して居るのかは聞かないが‥好きに見ていけばいいよ。お茶位出す」

「そうさせて貰うか」

「うん」


俺達は門を潜り、屋敷へと入った。

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