2/7
第1話 夜勤明けの誘惑、そして…
週末の夜勤がようやく終わった。
時刻は深夜1時。
疲れ切った身体が「帰れ」と文句を言うけれど、お腹は正直だ。
気づけば、いつもの店で濃いめの大盛りラーメンをすすっていた。
お腹も満たされ、いつもの帰り道を走る。
パラつく雨の中、家まではまだまだ遠い。
ある交差点で信号が赤に変わり、車が止まる。
そこでふと悩んだ。
いつもの信号だらけの大通りを行くか。
それとも、左に曲がって信号の少ない川沿いの道を行くか…
そんなことを思っていたら青信号へ。
答えを出す前に、先にハンドルが左へ動いていた。
――今思えば、あれが人生の分かれ道だった。
まさか、このあとに起こることが
僕の「いつもの帰り道」が終わりを迎えるなんて――
その時の僕は、まだ何も知らなかった。
《次回予告》
夜の雨が、静かに“限界”を削っていく。
まぶたの先で滲んだ景色が、運命を狂い始める…
次回『第2話 眠気と雨は運転の敵』
その瞬間、死神がそっと息を潜めた。




