第八百十話『お話に入る前の出来事にゃん④』
第八百十話『お話に入る前の出来事にゃん④』
《あきれた目つきはネコにゃって心に突き刺さるのにゃん》
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「んしたら、
どんな風になるのわん?」
『にゃん!』
「……いきなり」
『ネコ人型モード』
「の後ろ足二つで、
立ったかと思えば、
前足は空に高くかかげて」
『肉球あり』
「の手のひらもバンザイ。
んでもって、ついには」
『焦点の定まらない目つき』
「までオマケに、
ときたもんだ。
ねぇ、ミアン。
なぁんでまた、
んなにも喜んでるのわん?」
『じゃにゃくって』
「凍りつくほどの」
『心』
「の痛みを」
『身体』
「で表わしてるのにゃんよ」
《喜びも悲しみも紙一重の差……お話の続きを始めるのにゃん》
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「口に出さずとも、
ウチの心を、
かるがるのがる、
と読めるあんたは……」
『忘れようとしても、
忘れっこにゃい、
ウチの親友にゃん!』
《ウチの洞察眼にさしものミーにゃんもあきれ顔にゃん》
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「あのね、ミアン。
かれこれ」
『二百年を超えて』
「一緒に暮らしてるのに、
んなにもお手軽に」
『忘れてしまって』
「は困るのわん」
「にゃもんで、
今いったじゃにゃいの」
『忘れっこにゃい』
「ってにゃ」
『うっ』
《ウチの反撃が『決まった』もんで、つづくのにゃん》